報道発表資料

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2003年11月10日
  • 地球環境

平成16年度地球環境研究総合推進費の新規課題公募開始について

 環境省では、地球環境保全政策を科学的側面から支援することを目的として、地球環境研究総合推進費(以下「推進費」という)による研究を推進しています。
 推進費は競争的研究資金として運用されており、産学官を問わず応募のあった研究課題に対して専門家・有識者による審査(事前評価)を行い、平成16年度から着手する研究課題を選定します。
 平成16年度新規研究課題の公募は11月11日(火)より開始し、12月22日(月)午前中を期限として応募を受け付けます。
 今回は、従来と同じく、地球の温暖化をはじめ、各種の地球環境問題の解決に資するチャレンジングな研究課題を募集するほか、"中長期的な温暖化対策を進める上で戦略的又は集中的に取り組むべき研究開発"として、トップダウン方式の「戦略研究開発プロジェクト」への参加者を広く募集します。
  1. 公募の概要

    環境省では、平成2年度より"推進費"を活用して、国立試験研究機関、独立行政法人、大学、民間研究機関等、様々な分野の研究機関、研究者の連携・協力の下に、地球環境研究を総合的に進めています(平成15年度予算額29.65億円、47の研究課題を実施中)。
    本研究資金により、地球環境の将来予測・影響・対策等に関する数多くの科学的知見を蓄積しつつあり、例えば、地球温暖化に関する研究成果は、IPCCの第3次評価報告書への引用など、国際的な面からも貢献しています。
    "推進費"では、基礎研究、応用研究を含め広く研究を実施していますが、環境省としては特に、地球環境問題を解決に導くための施策・政策に対する科学的な貢献を明確に指向した研究(政策反映指向型の研究)の提案を期待しています。
    (1) 研究の対象分野
       研究の対象分野は、以下の6つの分野のいずれか又は複数の分野です。
        [1] オゾン層の破壊
      [2] 地球の温暖化
      [3] 酸性雨等越境大気汚染
      [4] 海洋汚染(地球規模の化学物質汚染を含む)
      [5] 自然資源の劣化(熱帯林の減少,生物多様性の減少,砂漠化等)
      [6] 地球環境保全のための社会・政策研究

    (2) 公募する研究区分(研究制度)
       次に示す[1]~[4]の研究区分について、研究課題を公募します。
      [1] 戦略的研究開発領域
         公募に際して、あらかじめ、環境省が研究テーマの素案(戦略研究テーマ)を作成し、そこに参加する具体的な研究者や研究計画を公募するという、トップダウン的な仕組みです。16年度に開始する戦略研究開発プロジェクトの詳細は次項を参照してください。応募者の要件は国内の研究機関(産学官等は問わない)に所属する研究者となっています。
      [2] 地球環境問題対応型研究領域
         上記[1]と異なり、公募に際して研究テーマを特定せず、個別又は複数の地球環境問題の解決に資する研究課題を広く公募するという、ボトムアップ的な仕組みです(1課題当たり年間1千万円~1億円規模、3年間)。応募者の要件は[1]の場合と同じです。
      [3] 課題検討調査研究(通常型及び若手育成型)
         上記[2]の研究課題の提案に先立った、いわゆるフィージビリティ・スタディです(1課題当たり年間数百万円~1千万円程度、1~2年間)。
      [4] 国際交流研究(エコ・フロンティア・フェローシップ)
         上記[1]又は[2]の研究課題を円滑に進めるため、海外の優秀な研究者(主に若手研究者)を招へいして行う研究です。
     
  2. 戦略研究開発プロジェクトについて

    (1) プロジェクト全体の研究テーマ
       16年度より開始する戦略研究開発プロジェクトの研究テーマは、『脱温暖化社会に向けた中長期的政策オプションの多面的かつ総合的な評価・予測・立案手法の確立に関する総合研究プロジェクト』とします。今回は、これに参画する具体的な研究課題(プロジェクト構成研究課題)を公募します。プロジェクト全体の予算規模は現時点では未定ですが、年間数億円規模を想定しています。研究期間は、第I期3年間及び第II期2年間の計5年間(3年目に中間評価)を予定しています。

    (2) プロジェクト全体の目的(概要)
       地球温暖化の緩和に向け、国際的には「気候変動枠組条約」、国内的には「地球温暖化対策の推進に関する法律」により、将来の脱温暖化に向けた温暖化対策の必要性とその早期かつ継続的な取組の必要性が示されているところです。このような法体系のもとで、具体的な温室効果ガスの排出削減目標や手段に関し、国際的には「京都議定書」、国内的には「地球温暖化対策推進大綱」が定められており、政策レベルの取組は既に実施段階にあります。
     しかしながら、現段階における「京都議定書」や「地球温暖化対策推進大綱」のターゲットは、当面の第1約束期間(2008~2012年)を対象としたものであり、それ以降2050年までの中~長期にわたる脱温暖化社会への道筋やそのための政策の具体像は、未だ明らかでないというのが実情です。IPCC第3次評価報告書によれば、気候変動枠組条約の掲げる究極目標の達成のためには、人為的な温室効果ガス排出量を現在に比べて大幅かつ早急に削減することが避けられない状況となっています。
     脱温暖化に向けた中長期(概ね2015~2050年を想定)の政策オプションを提示し、各オプションについて対策の効果、社会経済に与える影響等について総合的な評価を行うことは、我が国の中長期的な温暖化対策の検討のみならず、脱温暖化のための新たな国際ルールづくりの基盤となるものです。

    (3) 公募するプロジェクト構成研究課題の概要
       プロジェクト構成研究課題の予算規模は、1研究課題当たり、年間数百万円~約1億円の範囲内とし、研究期間はプロジェクト全体と同じ5年間を予定しています。
     
  3. 公募の詳細

     公募の詳細については、「公募要項」を参照して下さい。応募書類の様式を含め、地球環境研究総合推進費ホームページ(https://www.env.go.jp/earth/suishinhi/index.htm)にて閲覧・入手(ダウンロード)が可能です。

  4. 今後のスケジュール

     11月11日   公募要項の公開(上記ホームページ上)
     12月22日   応募書類の受付締切
     3月   審査(事前評価)結果の公表
     
  5. 公募に関する問い合わせ先

     環境省地球環境局研究調査室 推進費担当 小口
     TEL 03-5521-8247、FAX 03-3581-4815、e-mail suishinhi@env.go.jp
連絡先
環境省地球環境局総務課研究調査室
室長       :高橋 康夫(内線6730)
 環境研究評価調整官:大坪 国順(内線6290)
 補佐       :渡辺 且之(内線6732)
 担当       :小口 陽介(内線6732)