報道発表資料

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1997年03月28日

規制緩和推進計画の再改定について

政府は、3月28日、「規制緩和推進計画」の再改定について閣議決定を行った。
 環境庁としては、環境保全に関する規制は社会的規制であり、参入規制等の経済的規制と同列に論じることはできないが、申請者等の負担を軽減する見地から、手続面での簡素化等を行うことは必要であるとの認識に立ち、内外からの規制緩和要望を踏まえ、所管行政に係る規制緩和措置について検討を行ってきた。
 この結果、環境庁は、新規の規制緩和事項として、大気汚染防止法等に係る届出の際の実施制限期間の短縮についての検討や、都市ガスを燃料とするガスタービン等に係るばいじん測定の簡素化の検討等を、規制緩和推進計画に盛り込むこととした。                       

1.経緯
 政府は、規制緩和推進計画(平成7年3月31日閣議決定)について、行政改革委員会をはじめとする内外からの要望等を踏まえ、平成9年3月28日に再改定を閣議決定した。今回の改定により、政府全体では2823件の規制緩和措置(うち、新規事項890件、既定事項1818件、既定計画の計上外の措置115件)が盛り込まれた。 環境庁においても、行政改革委員会をはじめとする内外からの要望等を踏まえて規制緩和施策を検討し、1月17日には中間的な検討状況を公表したが、その後もさらに検討を進め、今般の計画改定に当たって、新規事項7件、既定事項11件を盛り込むとともに、既定計画の計上外の措置1件を講じた。

2.規制緩和に関する環境庁の基本的考え方

 環境の保全に関する各種の規制は、国民の健康の保護、生活環境の保全、かけがえのない自然環境の保護等の観点から行う社会的規制に属するものであり、経済的規制と同列に扱うことはできない。また、最近の地球環境問題をはじめとする環境問題に対する国民の意識の高まり、国際的な見地からの要請等を踏まえ、一層の規制の充実、強化を求める声も強い。
 しかしながら、社会的規制であっても、その範囲・内容を本来の政策目的に沿った必要最小限のものにとどめることは必要であると考える。このため、環境対策が国民の健康の保護等に直結する施策であることにも十分配慮しつつ、手続の簡素化等を中心に規制緩和を推進することとする。

3.新たに計画に盛り込んだ事項

 今回の改定に当たり、以下の新規規制緩和事項7件を盛り込んだ。既に規制緩和推進計画に盛り込まれている事項と併せてこれらの措置を推進することにより、届出手続や測定方法等の簡素化が図られ、環境保全の水準を維持しつつ、申請者等の負担の一層の軽減が期待できると考えている。

大気汚染防止法及び水質汚濁防止法関係について、
 {1}ばい煙発生施設等に係る届出後の工事着手制限期間の短縮を検討。
 {2}工事着手制限期間の短縮措置の適用についての考え方を明確にし、都道府県等に提示等。
 {3}届出事項の審査が終了した場合には、速やかに工事着手制限を解除するよう都道府県等を指導。
 {4}施設の変更届出について、変更部分のみ届け出ればよいこととするよう都道府県等を指導。水質汚濁防止法関係について、
 {5}届出書について、届出者の負担が必要最小限となるような様式を策定。大気汚染防止法関係について、
 {6}都市ガスを燃料とするガスタービン等に係るばいじん測定方法の簡素化等を検討。悪臭防止法関係について、
 {7}臭気判定士免状の有効期間を現行の3年から5年に延長。
  (中間公表後の検討により追加)

4.既定計画の実施状況等

 環境庁においては、既定計画中、11件の規制緩和措置を盛り込んでいたところであるが、いずれも以下のとおり着実に実施している。

<平成7年度中に実施予定とされた事項>
{8}国立公園の普通地域内において措置命令を行う際の基準の明確化(7年4月措置済)
{9}大気汚染防止法に基づく都道府県知事の届出受理権限等を委任する市の長の追加
 (7年4月、8年4月に措置済。なお、9年4月にも追加措置を講じる予定。)
{10}水質汚濁防止法に基づく都道府県知事の届出受理権限等を委任する市の長の追加
 (7年4月措置済。なお、9年4月にも追加措置を講じる予定。)
{11}大気汚染防止法に基づく届出対象施設の工事着手制限期間の短縮制度の活用指導
 (8年3月措置済)
{12}大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部届出書式の共通化及び提出窓口の一元化
 (8年3月措置済)
{13}電気事業法及び大気汚染防止法に基づく立入検査の調整(7年4月措置済)

<平成8年度以降に実施予定とされた事項>
{14}国立・国定公園事業に係る工事についての着手期間等の指定の廃止(8年5月措置済)
{15}大気汚染防止法に基づく硫黄酸化物に係る緊急時のばい煙量減少計画の事前届出の廃止
 (9年4月施行予定)
{16}季節的に稼働するばい煙発生施設について事業者の自主測定回数を緩和
 (9年4月施行予定)
{17}水質測定における自動分析計の使用について検討(11年度までに結論)
{18}学術研究目的による鳥獣捕獲許可権限を環境庁長官から都道府県知事へ委任(9年度前半措置予定)

5.計画計上外措置済事項

 以下の事項について、平成8年度中に自主的に措置を講じた。
・農薬登録の円滑化のため、中央環境審議会土壌農薬部会の開催回数を増加
 (8年9月措置済)

連絡先
環境庁長官官房総務課
課長:田中正章 (内6130)
 補佐:清水康弘 (内6131)
 担当:熊倉基之 (内6137)