報道発表資料

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2003年09月26日
  • 地球環境

加藤登紀子国連環境計画(UNEP)親善大使 フィジー諸島共和国及びトンガ王国訪問の結果について

国連環境計画(UNEP)親善大使の加藤登紀子さんがフィジー諸島共和国及びトンガ王国を訪問されたので、その概要についてお知らせします。
  1. 結果概要

     加藤登紀子さんは、太平洋に浮かぶ島々で構成される国であるフィジー諸島共和国とトンガ王国をUNEP親善大使として訪問し、両国の共通の課題となっている、廃棄物や海岸線の保護、海洋資源の保護と活用等について、コミュニティレベルの取組を視察するとともに、関係者を激励しました。
     また、フィジーでは、9月16日の国際オゾン層保護デーの記念式典に来賓として出席しました。加藤親善大使は、基調講演において、フィジーが中心となって南太平洋の環境の変化をモニタリングし、世界に発信していくこと、また、中古車や古い家電等に使用されているオゾン層破壊物質に対する各国の対策は非常に重要であると訴えました。
     9月17日には環境をテーマとするミニシンポジウムとコンサートを開催し、シンポジウムでは、環境について5つのEワード(Effort(努力), Eco-knowledge(知識), Education(教育), People's Emotion(情熱) and Economy(経済))が重要であると強調し、サステイナブルな社会を構築していくために、これまでコミュニティで育まれてきた知恵が現在と将来にわたって活用されることを訴えました。また、コンサートでも音楽を通じてメッセージを発信するとともに、マスコミを通じて広報しました。
     いずれの訪問先でも歓迎され、現地の新聞各社、テレビ、ラジオでも広く取り上げられ、加藤登紀子さんの訪問は日本及びUNEPへの両国民の関心を集め、親善大使としての役割を果たしました。

  2. 日程

     平成15年9月8日(月)~9月18日(木)(11日間)

  3. 主な視察訪問先及びコンサート概要

    (1) フィジー諸島共和国
    (視察等)
     ラミ地区(廃棄物処分場)
    ナンボロ地区(廃棄物処分場建設現場)
     ナンボーティーニ村(オイスカの支援によるマングローブ植林事業)
     バチリ村小学校(青年海外協力隊員による廃棄物に関する環境教育)
     スバ・ムスリム大学(Live & Learn Environmental Education (NGO)による水質保全に関する環境教育)
     南太平洋大学海洋学部
     WHO西太平洋地域事務所(太平洋フィラリア撲滅対策における環境改善対策)
    国際オゾン層保護デー記念式典 
     
    (行政関係者)
     地方自治・環境省 ラギギア大臣
     地方自治・環境省 ナソメ環境局長、リンガム住宅局長
     国連開発計画(UNDP)太平洋地域事務所 ウィザム所長
    在フィジー諸島共和国日本大使館 飯野建郎特命全権大使

    (ミニシンポジウム及びコンサート) 
    日時;平成15年9月17日
    場所;スバ市民センター

    (2) トンガ王国
     (視察)
     カノクポル村(村人及びトンガNGO協会(TANGO)による海面上昇対策のための堤防建設現場)
     ポプア地区(廃棄物処分場)
     水産省(貝類養殖場)
     パイガモツ島(海洋保護区)
     
    (行政関係者)
     外務省 ツポウ副次官/儀典長
     労働・通商産業省 パウンガ大臣
     水産省 フェレミ次官
     水産省養殖部 ファアヌヌ部長


  4. 加藤登紀子UNEP親善大使の所感

     トンガ・フィジーは「天国にいちばん近い島」と呼びたい素晴らしいところでした。
     数軒、数十軒が一単位となった集落のコミュニティが今も生きていて、「カバ」を飲みながら歌い踊り語り合う楽しい車座の中に私も入り、素晴らしい時を持ちました。
     ある村では、人々といっしょに海岸にマングローブの植林をし、ある村では、村の男たちが力を合わせて、他からの援助を受けず自力で海岸に壁をつくった必死の作業の現場を見ました。
     トンガでは自給自足的なライフスタイルが成り立っているようですが、フィジーでは「さとうきび畑」のプランテーションがあまりにも多く、これからこれを多角的農業に変えていくことが課題になりそうです。
     海の水温上昇によるサンゴの死滅、魚の減少、気象異変によるハリケーン被害の増加など、地球温暖化の影響も見られ、さらに、70年代の日本車など多量の排ガスを出す車の普及による空気汚染、そうして車の残骸も含むごみの放置現場などを視察し、先進国の責任の大きいことを痛感。同時に、特に排出量の多い発展途上国でのCO2削減対策の実施や、輸入製品に関する途上国・先進国の双方の取り組みなど、独自の方策が急務と思われました。
     千年近く、くりかえされて来た持続型のライフスタイルの知恵が、今も島の人々のなかに生きていることは大変貴重なこと、これをいかに、若者へ伝えていくのかも大きな課題であり、このような自然と一体となった生活の現場にさえも深刻な環境課題が発生しているという事態を重く見なければいけないと思います。

    ※ 詳細については、下記にお問い合わせ下さい。
    株式会社 トキコ・プランニング
    〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-16-10-1001
    TEL 03-3352-3875  FAX 03-3352-1812
    E-mail:tokiko@tokiko.com  
    Web site: http://www.tokiko.com

    添付:写真
    マングローブの植林を体験(フィジー)
    ヌクアロファ(首都)近郊ポプア地区の廃棄物処分場(トンガ)
    国際オゾン層保護デー記念式典で来賓として基調講演(フィジー)
    バチリ村小学校の環境教育現場で子供や村人と(フィジー)

添付資料

連絡先
環境省地球環境局総務課
課長:   石野 耕也(6710)
 調査官:  塚本 瑞天(6720)
 課長補佐:松永 龍児(6725)
 担当:   武末 宏和(6724)