報道発表資料

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1997年03月27日

自動車NOx法特定地域における窒素酸化物汚染の動向と対策の実施状況等について(自動車NOx総量削減計画の中間点検調査報告書)

自動車NOx 法の対象である首都圏及び阪神圏の地域について、平成5~12年度の自動車NOx 総量削減計画に基づき、各種対策の推進を図っているが、平成8年度は、同計画の中間年に当たることから、NOx に係る大気汚染や自動車交通等に関する最新のデータを用いて、計画の中間点検のため調査を行った。
 今般、関係都府県及び関係省庁の協力を得て、調査結果を取りまとめたので、これを公表するものである。

1.趣   旨

 自動車NOx法の総量削減計画(平成5年策定)に基づき、首都圏及び阪神圏の特定地域について、自動車NOx削減対策の総合的・計画的な推進を図っている。
 平成8年度は、この総量削減計画の策定から目標年次(平成12年度)に至る中間の年に当たり、また、新たに平成6年度道路交通センサス等のデータが利用可能となった。そこで、これらの新しいデータを用いて窒素酸化物(NOx)に係る大気汚染や自動車交通等の動向を整理するとともに、計画に盛り込まれた各種対策の実施状況と今後の課題等について、中間的な点検のため調査を行った。
 環境庁としては、この調査結果を踏まえ、関係都府県及び関係省庁の協力を得つつ、計画の後半を迎えることとなる総量削減計画の進行管理に万全を期していく方針である。

2.調査結果の概要

1) NOxに係る大気汚染状況の推移 平成7年度までの測定結果から特定地域の大気汚染状況を見ると、沿道のNOx濃度は僅かながら低下傾向にあるものの、NO2濃度は概ね横這いで環境基準の達成状況は依然として芳しくない。NO2環境基準の達成に向け、NOx排出量削減の一層の推進が必要である。

2)自動車交通及びNOx排出量の推移
{1} 平成6年度までのトレンドを見ると、関係都府県における自動車の保有台数及び走行量は増加傾向にあり、総量削減計画に従って物流・人流対策等を着実に実施することが必要である。
 車種別には乗用車及び普通貨物車が増加、バス及び小型貨物車が横這いないし減少している。乗用車の増加とバスの減少は、今後の人流対策上注意が必要である。普通貨物車の増加と小型貨物車の減少は、輸送の効率化が進む場合には好ましいが、現段階ではそのマクロ的効果を定量的に評価することは難しい。

{2} 平成6年度の自動車走行量データと単体規制等による自動車NOx排出係数から、6年度の自動車NOx排出量を算出したところ、いずれの地域においても、総量削減計画の前提となった2年度時点の自動車NOx排出量より減少しているが、計画の12年度目標には達していない。このため、計画目標の達成に向けて、引き続き単体規制・車種規制を含む各種対策の推進が必要である。

{3} 以上のほか、ディーゼル乗用車について保有台数、NOx排出量等の増加傾向が認められたが、NOx排出量のより少ない乗用車の選択を求めた総量削減基本方針の趣旨に沿わないものであり、メーカー、ユーザーの自粛が望まれる。また、総量削減計画上バックグラウンドに含めて扱った特殊自動車の排出負荷がかなり高いとの調査結果が得られており、その低NOx化を推進する必要がある。


3)自動車NOx削減対策の状況と展望 以上のNOx汚染状況及び自動車交通等の動向も踏まえつつ、単体規制、車種規制、低公害車普及、物流・人流・交通流対策等の各種対策について進捗状況を概観し、今後の課題等を述べた。

連絡先
環境庁大気保全局自動車環境対策第一課
課   長 小沢 典夫 (Tel6520)
 課長補佐 立川 裕隆 (Tel6525)
 担   当 広兼 克憲 (Tel6563)