報道発表資料

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1997年03月27日

志 布 志 港 内 公 有 水 面 埋 立 て に つ い て

鹿児島県曽於郡志布志安楽の地先公有水面におけるふ頭用地等の整備のために行われる公有水面埋立について、平成8年12月18日付けで公有水面埋立法第47条第2項の規定に基づき、運輸大臣より環境保全上の観点による意見の照会があったことから、水質保全対策、自然景観の保全のための措置及び環境監視等の実施に関する環境庁長官意見を提出する。

【環境庁長官の意見】

  1. 水質汚濁に係る環境基準の維持達成に万全を期するため、水質予測の前提とした下水道等の整備の促進及び適正な維持管理の徹底について関係機関に要請することにより、汚濁負荷の排出を極力削減する必要がある。
     
  2. 本埋立事業地及びその周辺地域は、優れた海岸景観を有しており、日南海岸国定公園第2種特別地域に指定されていることから、事業の実施に当たっては次の措置を講じる必要がある。
     
    (1) 設置する工作物の色彩等については周辺景観と調和を図り自然景観の保全に努めること。
    (2) 本埋立事業地に整備する緑地は修景効果に十分配慮した植栽とすること。
     
  3. 本埋立事業地の近傍で実施された類似の事業により、周辺海岸の汀線に変化が生じ、現在も変化している事例があるため、埋立工事の期間中及び埋立地の利用時に海岸汀線、希少動物であるウミガメ・コアジサシの生息環境等について監視を行い、必要に応じ関係者間で十分な調整の上適切な措置を講じる必要がある。

事 業 概 要
1. 事業位置 鹿児島県曽於郡志布志町安楽の国有海浜地並びに同町志布志及び同町安楽の地先公有水面
 
2. 事業目的 「鹿児島県総合基本計画」(平成2年6月策定)において、鹿児島県の国際物流港湾と位置付けられた志布志港における流通の近代化等に対応した港湾機能充実を図るため、コンテナ貨物を扱うふ頭等を整備する。もって、南九州の物流機能の充実と本港背後地の大隅地域における農畜産業等の振興に資する。
 
3. 事業者 鹿児島県
 
4. 代表者 鹿児島県知事
 
5. 埋立面積 約93ha
 
6. 土地利用計画
 
用  途 面積(ha) 適  用
ふ頭用地 約 42 コンテナー・一般貨物船対応
保管施設用地 約 25 倉庫利用
緑地 約 20 休息・修景・緩衝緑地
道路用地 約  6 新若浜1・2号線
合 計 約 93
7. 埋立用材
 
埋立土砂等の種類 採取土量
海砂(浚渫土砂及び床堀土砂)  約9,938千m3
8. 工  期 約9年間
 
9. これまでの主な手続きの経緯
・平成 8 年 2月  閣議決定要綱に基づき環境影響評価を実施
~7月
 
・平成 8年 7月  公有水面埋立免許出願
 (対鹿児島県知事)
 
・平成 8年 8月  公有水面埋立免許認可申請
 (対運輸大臣)
 
・平成 8年12月  運輸大臣より公有水面埋立法に基づき環境庁長官へ意見照会
 
10. その他(関係法令)
(1) 埋立を行おうとする者は、都道府県知事(港湾区域内は、港湾管理者の長)の免許(国が行う場合は承認)を受けることとなっている。
【公有水面埋立法 第2条、第42条】
(2) 埋立区域の面積が50haを超える埋立及び重要な港湾における埋立等の免許(承認)を行う場合は、主務大臣(港湾区域内は運輸大臣、その他は建設大臣)の認可を受けることとなっている。
【公有水面埋立法 第47条】
(3) 埋立区域の面積が50haを超える埋立及び環境保全上特別の配慮を要する埋立については、主務大臣が認可を行う場合に環境庁長官の意見を求めることとなっている。
  【公有水面埋立法 第47条第2項、同法施工令第32条ノ2】
連絡先
環境庁企画調整局環境影響評価課環境影響審査室
室長 :寺田 達志(内線6231)
 審査官:植木 光治(内線6235)
 審査官:辻  祐司(内線6236)