報道発表資料
1997年03月25日
「気候変動対策国際戦略世界会議(International Conference on Opportunities and Problems of Early Actions for Climate Protection)」及び関連公開シンポジウムの開催について
環境庁は、本年3月30日(日)、31日(月)に国立京都国際会館で「気候変動対策国際戦略世界会議」を開催する。本会議では、国内外の専門家約40名を招き、気候変動対策における早期の行動がもたらす機会と問題点の評価を主要テーマとして討議を行う。このような国益にとらわれない形で大所高所から国際的な温暖化対策の進め方を議論することにより、今後の一層厳しい対策に向けた国際交渉の促進の一つの基礎資料作りを目指すものである。
本会議の関連イベントとして、環境庁等の主催により28日(金)は大阪で、29日(土)は東京で、早期の温暖化対策の重要性等について、関心のある各方面の理解の促進を目的とした「地球温暖化対策シンポジウム」をそれぞれ開催する。
また、環境NGOである気候フォーラムの主催により、29日(土)に京都で「地球温暖化と私たちの未来」に関する国際シンポジウムが開かれる。
1.開催趣旨本会議の関連イベントとして、環境庁等の主催により28日(金)は大阪で、29日(土)は東京で、早期の温暖化対策の重要性等について、関心のある各方面の理解の促進を目的とした「地球温暖化対策シンポジウム」をそれぞれ開催する。
また、環境NGOである気候フォーラムの主催により、29日(土)に京都で「地球温暖化と私たちの未来」に関する国際シンポジウムが開かれる。
気候変動対策については、昨年7月の気候変動枠組条約第2回締約国会議(COP2)において拘束性のある数量目標を設定する方向が合意されたことに加え、従来から強硬な反対姿勢を示していた産油国が態度を軟化しつつあることから、今後の議論の焦点は、いかに実効性のある目標設定を行い得るかに移りつつある。この点に関しては、種々の論点が残されているが、特に重要な課題として、
・対策を遅らせることにより技術開発等に要する時間をかせぐことが望ましいとの議論と
・積極的に早期の対策をとることは可能でありかつ必要との議論との対立がある。
また、先進国が早期に対策をとることにより、途上国に及ぼすプラス、マイナスの影響についても適正に評価する必要があるとの指摘も行われている。これらの課題について国益にとらわれない形で大所高所から議論をすることが今後の議定書交渉を促進する観点からとりわけ有益であると考えられる。
このためには、世界のシンクタンクの知恵と経験をいかすことが最も適切と考えられるため、世界でも著名な米国の世界資源研究所(WRI、ワシントンD.C.)及びウッズホール研究センター(ボストン近郊)の協力を得て、上記テーマに関する国際会議を開催する。
2.日時・場所
平成9年3月30日(日)及び31日(月)
京都市 国立京都国際会館
3.実施主体
主催:環境庁
協力:京都府、京都市、世界資源研究所(WRI)、ウッズホール研究センター
後援:外務省、通商産業省
4.主要テーマ
気候変動対策における早期の行動のもたらす機会と問題点の評価
Opportunities and Problems of Early Actions on Climate Protection
5.主な討議内容(別紙参照。なお、プログラムを参考1として添付。)
(1) 持続可能な開発を推進する上で、早期の温暖化対策をとることにより得られるビジネスチャンスと問題点についての評価
(2) 早期の温暖化対策が途上国に及ぼすプラス・マイナスの影響の評価及び悪影響の緩和対策の検討
(3) 気候変動枠組条約の目的に沿った温室効果ガスの削減のための早期の行動に向けた戦略の検討
6.参加者(参考2参照)
海外からの参加者:欧米のシンクタンク、産業界の代表、途上国の代表等15名程度 国内からの参加者:学識経験者、産業界、NGO等20名程度
7.取材について
(1) 会議終了後、記者会見を国立京都国際会館内にて開催いたします(3月31日午後5時頃)。
(2) 会議の傍聴は可能です。名札作成の都合上、あらかじめ事務局(環境庁環境保全対策課 岩佐 内6763)まで事前登録をお願いいたします。
8.参加者及び記者の登録について
3月29日(土)午後1時~7時、3月30日(日)午前9時~10時に、国立京都国際会館内の受付に本登録をお願いいたします。
関連イベント
1.地球温暖化対策シンポジウム(参考3参照)
早期の温暖化対策のもたらす各種の影響を討議することにより、早期対策の重要性についての我が国産業界の理解の促進を図る。
(1) 日時・場所 3月28日(金) 午後2時~5時頃 リーガロイヤルNCB(大阪) 3月29日(土) 午後1時~4時頃 日経ホール(東京) (2) 実施主体 3月28日(金) 主催:環境庁、(財)地球環境センター、地球環境関西フォーラム、 (財)日本環境協会、日本経済新聞社 共催:大阪府、大阪市、(社)大阪工業会 後援:外務省、通商産業省、地球温暖化防止京都会議関西行政協議会、 UNEP国際環境技術センター(IETC) 3月29日(土) 主催:環境庁、(財)日本環境協会、日本経済新聞社 後援:外務省、通商産業省 申し込み先:28日(大阪)については、(財) 地球環境センター TEL:(06)915-4121 FAX:(06)915-0181 29日(東京)については、(財)日本環境協会 TEL:(03)3508-2651 FAX:(03)3508-25702.地球温暖化国際NGOシンポジウム(参考4参照)
我が国の温暖化関連NGOである気候フォーラムが、気候変動対策国際戦略世界会議に先立ち29日(土)に国立京都国際会館で、気候行動ネットワーク(Climate Action Network:CAN)に参加する世界のNGOを招いてシンポジウムを開催する。
(1) 日時・場所 3月29日(土) 午後1時~4時30分 国立京都国際会館 (2) 実施主体 主催:気候フォーラム 後援:外務省、環境庁、通商産業省、京都府、京都市(予定) 連絡先:気候フォーラム TEL:(075)254-1011 FAX:(075)254-1012 参考1 気候変動対策国際戦略世界会議 プログラム 初日(3月30日(日)) オープニング セッション 10:00~10:30 開会挨拶 主催者挨拶 環境庁長官 石井道子 世界資源研究所長 ジョナサン・ラッシュ ウッズホール研究センター所長 G.M.ウッドウィル 10:30~11:00 基調講演 「気候変動対策のタイミング - 科学的知見」 (IPCC次期議長 ロバート・ワトソン) 11:00~11:15 コーヒー・ブレイク セッション1 「気候変動対策による持続可能な開発の推進」 11:15~11:45 発表 エダ・ミュラー(ヴッパータール気候・環境・エネルギー研究所気候政策部長) テリー・ソーン(ENRON副社長) 11:45~12:05 討議者による発表 トゥイロマ・スレード(西サモア国連大使兼AOSIS副議長) 三橋規宏(日本経済新聞社論説副主幹) 12:05~12:30 討議 12:30~14:00 昼食 セッション2 「気候変動対策のタイミング - 技術開発と市場への普及」 14:00~14:30 発表 アラン・ミラー(世界資源研究所プロジェクト部長) 槌屋治紀(システム技術研究所長) 14:30~15:00 討議者による発表 スティーブ・バーナウ(ストックホルム環境研究所ボストン支部長) 横堀恵一(日本エネルギー経済研究所長) ジム・マッケンジー(世界資源研究所上級研究官) 15:00~15:40 討議 15:40~16:00 コーヒー・ブレイク セッション3 「気候変動対策のタイミング - 過去の経験と産業界の展望」 16:00~16:30 発表 ポール・メッツ (持続可能な将来エネルギーに関する欧州ビジネス・カウンシル事務局長) 棚沢正澄(トヨタ自動車設計監理部主査・部長) 16:30~17:00 討議者による発表 スティーブ・アンダーソン(国家環境保護庁部長) 植田和弘(京都大学教授) 岩淵勲(新日本製鐵環境管理部長) 17:00~18:00 討議 レセプション(環境庁主催) 19:00~ 第2日(3月31日(月)) セッション4 「早期の気候変動対策が途上国に及ぼす影響の評価及び悪影響の緩和策の検討」 9:00~ 9:30 発表 ピーター・カスラー(王立国際研究所研究官) トゥイロマ・スレード(西サモア国連大使兼AOSIS副議長) 9:30~ 9:50 討議者による発表 トングロイ・オンチャン(タイ国環境研究所副所長) アラン・ミラー(世界資源研究所プロジェクト部長) 9:50~10:20 討議 10:20~10:40 コーヒー・ブレイク セッション5 「パネルディスカッション 気候の保護に向けた政策オプション」 10:40~11:40 パネリスト アントニオ・ラ・ヴィナ(フィリピン環境天然資源省事務次官) テリー・ソーン(ENRON副社長) 天野明弘(関西学院大学教授) ダン・ラショフ(米国自然資源保護協会主任科学者) 11:40~12:30 討議 12:30~14:00 昼食 最終セッション 15:30~16:00 議長総括 閉 会 記者会見 17:00~
- 連絡先
- 環境庁企画調整局地球環境部企画課
調 査 官:竹本 和彦(内線6748)
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課 長:小林 光 (内線6740)
課長補佐:石飛 博之(内線6737)
課長補佐:平田 悦雄(内線6757)
温暖化国際対策推進室
室 長:鈴木 克徳(内線6741)
担 当:岩佐 健史(内線6763)