報道発表資料

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2003年06月13日
  • 地球環境

温室効果ガス排出量取引に関する企業実務研究会の設置について

本年4月25日~5月16日において、温室効果ガス排出量取引試行事業への参加企業を公募していたが、結果、39社の参加を得ることができた。これを受け、温室効果ガス排出量取引試行事業への参加企業を中心メンバーとし、同事業の内容について審議することを目的とした「温室効果ガス排出量取引に関する企業実務研究会」を設置した。
 また、平成14年度において三重県に事務委託していた排出量取引シミュレーション事業について、「三重県型CO2排出量取引制度提案事業報告書」という形で三重県から環境省に提出されたので、本研究会で配布をした。
1.温室効果ガス排出量取引に関する企業実務研究会の設置について

  
 京都議定書においては、国際排出量取引制度などの市場メカニズムを活用する京都メカニズムの導入を規定しており、我が国の事業者が費用対効果の高い方法で排出削減をする手段として、京都メカニズムも活用していくことが望ましい。また、英国、EU、カナダ等が導入を検討している国内排出量取引制度との整合性等も検討が必要である。
 しかし、排出量取引については、技術的な知見が不十分であり、また、産業界のコンセンサスが得られていないのが現状。このため、第1ステップ(2002年~2004年)においては、簡素で、任意の参加による、企業の自主性を重視した試行的な国内排出量取引を実施することによって、排出量の算定・検証や取引に関する経験を積み、これらの手法について 技術的な研究を行うこととする。本事業の成果は、今後の国内対策や国際排出量取引を見据えた制度の検討を行う際の参考資料とする。

 本事業では、本年11月以降、参加企業に2003年における自主削減目標の設定、排出量の算定及び第三者検証を行っていただき、排出枠の「登録簿」を用いて取引を実施することとしている(ただし、試行的なものなので、金銭の実際のやり取りは行わない)。また、個別削減プロジェクトによるクレジットも取引対象とする予定である。

 本事業へ参加する企業については、本年4月25日~5月16日に公募を行い、結果、39社の参加(予定を含む)を得ることができた(なお、社名は非公開)。

 本事業は、企業主体の企業提案型の事業を志向していることから、このたび、参加企業を中心とした「温室効果ガス排出量取引に関する企業実務研究会」を設置した。本事業の具体的な内容については、研究会を複数回開催し、議論の上決定する予定である(なお、会議は非公開)。

(参考)企業実務研究会のタイムテーブル骨子(案)

  6月~10月   2~3週間に1回のペースで研究会を開催
(排出量取引に関する国内外の動向を調査した上で、排出量の算定、検証、取引の手法や排出量取引の制度の在り方について議論し、本試行事業の内容を決定)
 11月~12月   排出枠や削減クレジットの仮想取引を行い、登録簿上で獲得・移転を試行
  1月~ 2月   2003年の排出量の算定
  2月~ 3月   排出量の第三者検証を行い、排出枠と実際の排出量を照合(マッチング)し、その結果に基づく調整のための取引を試行。
  3月   事業結果の総合評価

 
 

2.三重県型CO2排出量取引提案事業報告書について

  
 平成14年度において環境省の委託により、三重県が県内の36事業所の自主参加を得て実施した排出量取引シミュレーション事業の結果がまとまり、「三重県型CO2排出量取引制度提案事業報告書」として環境省に提出された。この成果は、今年度の上記試行事業の内容審議の参考として活用する。
  

 ※ 報告書における主な提案事項
  [1] 基準年の設定の際には、過去の削減努力や公平性について考慮する。
  [2] 環境保全のために排出されるCO2を考慮する。
  [3] 目標数値の設定は、現実的、慎重に実施する。
  [4] 自社外での削減プロジェクトによるクレジットを組み込む。
  [5] 内部削減を促進させる施策を増やす。
  [6] 排出量の算定方法、検証方法は早期に整備する。




  地球環境局 行政資料
  平成14年度 三重県型CO2排出量取引制度提案事業報告書

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課
課長:清水 康弘 (6770)
 補佐:熊倉 基之 (6781)
 担当:長尾 真人 (6796)