報道発表資料
I 第3回世界水フォーラム総括
- 概要
本日、第3回世界水フォーラム閣僚級国際会議が閣僚宣言を採択して閉幕した。今次閣僚級国際会議においては170の国及び地域と43の国際機関等が出席し、閣僚級の出席も100名を上回った。
我が国からは、扇千景国土交通大臣が閣僚級国際会議全体会合の議長を務めるとともに、鈴木俊一環境大臣が「水質汚濁防止と生態系保全」をにつきステートメントを発表した。
- ポイント
(1) 閣僚宣言(別紙1) 全般政策として、水は環境十全性を持った持続可能な開発、貧困及び飢餓の撲滅の原動力であり、人の健康や福祉にとって不可欠であり、良いガバナンス、人材育成、及び資金調達が必要との認識が示され、統合的水資源管理を促進すべきとされた。 [1] 良いガバナンス 近隣コミュニティに根ざした良いガバナンスを確保すべき。 [2] 人材育成 国際社会からの技術面等の支援によって人材育成を進めるべき。 [3] 資金調達 膨大なニーズに対応していくため、貧困層に配慮しつつ、官民の資金を動員する必要がある。しかし同時に、環境及び社会の状況等に適した費用回収アプローチ及び「汚染者負担」の原則を採用して実施されるべき。
水質汚濁防止と生態系の保全については、水質汚濁防止の強化の必要性、水供給のための生態系の保全の必要性、及び、各国において水資源の保護と持続可能な利用及び水質汚濁防止のために適切な法的枠組みを見直し、また、必要に応じて新たに確立することなどが盛り込まれた。
(2) 水行動集 世界の水問題解決のための各国及び国際機関の具体的な行動提案が「水行動集」として取りまとめられた。約36カ国と16の国際機関から、422件の具体的な行動提案が寄せられた。
本行動集をフォローアップするため、ウェブサイトのネットワークを設立することが閣僚宣言で合意されており、我が国が当面このネットワークを組織し、運営する用意がある旨の表明を行った。 - 環境省代表団所感
今次会合は水問題を包括的に議論する国際的な場を提供するものであり、そのテーマのひとつとして、「水質汚濁防止と生態系の保全」が取り上げられた。
良質な水の持続可能な供給を確保するための第一条件は、河川、湿地、森林及び土壌のような、水を自然に保持、浸透、貯留、放出する生態系を保護し、持続可能な方法で利用することが必要とされた。
環境省としてもこの点を踏まえ、生態系の保護と水環境管理と一体的にとらえた調査検討を深め、また、水環境保全についての所要の施策を講じていく所存。
II 二国間会談関係
鈴木大臣は第3回世界水フォーラムに参加している以下の各国と広く環境問題について意見交換を行った(詳細は別紙2)。 |
(1) | ロッホ・スイス環境・森林・国土利用庁長官 |
(2) | バシェロ=ナルカン・仏環境・持続的開発大臣 |
(3) | ドブリアンスキー米国務次官 |
(4) | シュミット・デンマーク環境大臣 |
(5) | ホッブス・ニュージーランド環境大臣 |
(6) | サマコヴァ・カザフスタン環境保護相 |
(7) | モレー・英環境政務官 |
(8) | トルトリ・伊環境副大臣 |
(9) | その他20名以上の各国代表及び関係者と会談した。 |
添付資料
- (別紙1)閣僚宣言―琵琶湖・淀川流域からのメッセージ―(仮訳)[PDFファイル 43KB] [PDF 42 KB]
- (別紙1)閣僚宣言―琵琶湖・淀川流域からのメッセージ―(英文)[PDFファイル 51KB] [PDF 50 KB]
- (別紙2)二国間会談における主な論点
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課課長 白石順一
課長補佐 中島恵理
環境省環境管理局水環境部水環境管理課課長 仁井正夫
課長補佐 合屋善之