報道発表資料

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1998年08月07日

全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)平成9年度冬期観察の結果及び平成10年度夏期期観察の実施計画について

1.全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)は、肉眼や双眼鏡等を使った身近な方法による星空観察を通じ、参加者に光害など大気環境問題への関心を高めてもらうことを目的に、昭和63年(1988年)から、環境庁と(財)日本環境協会が都道府県・政令指定都市・中核市を通じ参加団体を募り実施している。

2.平成9年度冬期の観察結果は以下のとおり
(1) 今回の参加団体は46都道府県の386団体、参加人数はのべ5,562人
(2) 今回の観察の結果において、夜空が星の観察に適していた場所は、鹿児島県中種子町、鹿児島県加世田市、熊本県清和村などであった

3.平成10年度夏期観察は、平成10年8月12日(水)から8月25日(火)までを観察期間として実施する。すでに、都道府県・政令指定都市・中核市の大気保全担当部局を通じ参加団体の募集・資料の配付等を行っている。参加方法等についての詳細に関する問い合わせは、各都道府県・政令指定都市・中核市の大気保全担当部局まで。

1 平成9年度冬期観察の結果

(1)観察期間:平成10年1月18日(日)から1月31日(土)まで
(この期間中に1日以上観察)

(2)観察方法:{1}肉眼により、高度の異なる天の川の3部分を観察
{2}双眼鏡を用い、すばる(プレアデス星団)のラケットの部分を観察し、何等級の星まで見えたかを記録
{3}アルデバラン周辺の星空の写真撮影により、夜空の明るさを計測

 参加団体から報告された3項目の観察結果について、(財)日本環境協会及びスターウォッチング研究会(座長 村山定男:国立科学博物館名誉会員)が集計・解析
(3)参加団体・参加者数:全国で46都道府県の386団体、のべ5,562人が参加した。

表1 観察参加団体・人数の推移(冬期)
年度  ・時期 参加団体数(都道府県・市区町村) 参加延べ人数
昭和63年度・冬期
平成元年度・冬期
平成2年度・冬期
平成3年度・冬期
平成4年度・冬期
平成5年度・冬期
平成6年度・冬期
平成7年度・冬期
平成8年度・冬期

平成9年度・冬期
 75団体(38・ 73)
166団体(39・146)
142団体(37・140)
179団体(39・157)
188団体(40・158)
250団体(43・194)
286団体(44・218)
291団体(45・265)
345団体(44・254)

386団体(46・286)
1,556
3,198
2,774
3,003
2,831
4,090
4,108
4,454
5,197

5,562


(4)観察結果

{1}双眼鏡によるすばるの観察結果

表2 すばるの平均観察等級の都市規模別比較
都市の規模
( 人口 )
巨大都市
(100万人
以上)
大都市
(30万人以上
100万人未満)
中都市
(10万人以上
30万人未満)
小都市
(10万人未満)
平成7年度
平成8年度

平成9年度
8.0
7.4

7.8
8.0
7.6

8.2
8.1
7.7

8.2
8.8
8.7

8.5


  ☆ 観察相当個数:すばるのラケットの中に見える星の個数(資料1参照)
例:7等級まで見えると 8個     10等級まで見えると18個
       8等級まで見えると13個    11等級まで見えると20個
       9等級まで見えると16個

  ☆ 星の等級について
 天体を地上で観測した時のみかけの明るさを表した数字。その星自体の明るさを表す絶対等級と区別して、みかけの等級ともいいます。等級は数字が1減るごとに約 2.5倍明るくなる。

{2}カラースライド写真から求めた夜空の明るさ

 夜空の明るさは、カメラ・露出時間等を一定条件にして撮影したカラースライド写真から、光の透過量を測定(測定機器:デンシトメーター)し、それを1平方秒角(地球の緯度・経度と同じように、角度1秒×1秒で切り取った場合の天球面の範囲)当たりの明るさとして等級で表したものであり、星の等級と同様に数値が大きいほど夜空が暗く、星がよく見えるといえる。

表3 冬の夜空の明るさの都市規模別比較
都市の規模
( 人口 )
巨大都市
(100万人
以上)
大都市
(30万人以上
100万人未満)
中都市
(10万人以上
30万人未満)
小都市
(10万人未満)
平成7年度
平成8年度

平成9年度
8.0
7.4

7.8
8.0
7.6

8.2
8.1
7.7

8.2
8.8
8.7

8.5
表4 平成9年度冬の観察において夜空の明るさが星の観測に適していた場所
順位 都道府県 市区町村 観察場所(参会団体) 夜空の
明るさ
(等級)


















10
鹿児島県

鹿児島県

熊本県

鹿児島県

愛知県

島根県

栃木県

兵庫県

福島県

宮崎県
中種子町

加世田市

清和村

川辺町

東栄町

大田市

大田原市

八鹿町

星野村

高千穂町
立切遺跡
(中種子トライアルクラブ)
加世田市鉄山地区構造改善センター
(加世田サイエンスクラブ)
清和高原天文台
(清和高原天文台)
諏訪運動公園管理事務所屋上
(川辺楽友協会)
東栄町立東部小学校校庭
(東栄町)
島根県立三瓶自然館
(島根県立三瓶自然館)
与一公園駐車場
(夢集団・星とロマンを語る会)
小佐小学校グランド
(八鹿ぼしを見つけようかい)
星のふるさと公園内いもほりむら
((財)星のふるさと 星の文化館)
狐平
(高千穂町星を見る会"六連星")
22.3

22.1

22.0

22.0

21.9

21.9

21.8

21.7

21.7

21.7

注1)「星の観察に適した場所」の順位づけは、写真撮影から求めた夜空の明るさを基本とし、肉眼や双眼鏡を使った観察結果等も併せた総合的な評価により行っている。
注2)「星の観察に適した場所(上位10ヶ所)」は、スターウォッチング・ネットワークに自発的に参加した団体による任意の地点の観察結果について評価したものであり、全国の星空を網羅的に調査したものではない。
2 平成10年度夏期観察の実施計画    

(1)観察期間:平成10年8月12日(水)から8月25日(火)まで(この期間中
        に1日以上観察)。

(2)観察方法:従来と同様、{1}肉眼による天の川の観察、{2}双眼鏡による"こと座"の観察、{3}"こと座周辺"の写真撮影、の3つの方法により行う。

(3)参加方法:参加を希望される場合は、お早めに都道府県・指定都市・中核市の大気保全担当部局(別添一覧表参照)までお問い合わせ下さい。


  <参考>

  平成10年度冬期の全国星空継続観察は、以下の日程により実施する予定。

   観察期間:平成11年 1月 7日(木)から1月20日(水)まで

3 全国星空継続観察関連行事「天の川観察報告会」について

 全国星空継続観察の関連行事として、個人で簡単に参加ができる「天の川観察報告会」をNTTの協力によりホームページ上で展開している(昨年8月に実施した結果について現在も紹介中)。
 夏期に引き続き、冬期についても、全国星空継続観察の実施期間に合わせ、ホームページ上での観察報告を受け付けることとしている。
 期間中に寄せられる「天の川」の観察報告については、リアルタイムで閲覧することが可能。
 また、実施期間終了後には、観察報告に基づき、全国で冬の天の川が見える場所の分布を示す「スターウオッチングポイントMAP」を作成・公開する。

(1)ホームページアドレスと実施(報告受付)期間
 ・ホームページアドレス: http://www.wnn.or.jp/wnn-u/
 環境庁ホームページ(http://www.eic.or.jp)のトピックス内「平成10年度夏期全国星空継続観察について」からも簡単にアクセスすることが可能。また、検索エンジンを活用する場合のキーワードは「天の川」が適当。
 ・報告受付期間:平成10年7月21日(火)から8月31日(土)まで

(2)参加方法
 肉眼(メガネをかけた方はそのまま)で、天の川を観察した方は、その観察場所や日時等について、ホームページ上で登録して下さい。
 天の川にまつわる話題や観察方法等について、詳しくは上記ホームページで紹介中である。
  

  <参考>
   全国星空継続観察担当部局連絡先リスト (平成10年7月現在 1/2)

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局企画課大気生活環境室
室長   :柏木順二(内線6540)
 室長補佐 :宍戸政憲(内線6541)
 担当   :宮内 徹(内線6546)

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