報道発表資料

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1997年03月17日

閉鎖性海域水質保全検討会の設置について

東京湾等の閉鎖性海域においては、CODの環境基準の達成率は満足できる状況になく、また、赤潮、貧酸素水塊といった富栄養化に伴う障害が発生している状況にあり、今後、CODのみならず窒素・燐とを併せて、より総合的な水質保全対策を一層推進していくことが必要である。
 このため、環境庁においては、閉鎖性海域のCODと窒素・燐の総合的な水質保全対策を検討するため、今般、水質保全局長委嘱の検討会として「閉鎖性海域水質保全検討会」(座長:須藤隆一東北大学工学部教授)を設置し、関係省庁、関係地方公共団体の協力を得て、検討に着手することとした。

1. 検討会の設置の趣旨・目的

 東京湾等の閉鎖性海域は、他の海域と比べCODの環境基準の達成率は低く、特に、東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海の三水域においては、昭和54年度以降4次にわたってCODの総量規制を実施してきているところである。

 また、これらの閉鎖性海域は、富栄養化に伴う問題も生じており、窒素・燐の環境基準の設定、排水規制の実施など着実に対策を講じてきているところである。

 しかしながら、これらの閉鎖性海域においては、CODの環境基準の達成率は満足できる状況になく、また、赤潮、貧酸素水塊といった富栄養化に伴う障害が発生している状況にある。

 このため、今後、CODのみならず窒素・燐とを併せて、より総合的な閉鎖性海域における水質保全対策を一層推進していくことが必要である。

 本検討会においては、閉鎖性海域のCODと窒素・燐の総合的な水質保全対策の在り方、具体的方策等について検討を行い、もって閉鎖性海域の水質保全の推進に資することを目的とする。

2. 検討会の運営

 環境庁が、関係省庁、関係地方公共団体の協力を得て運営する。

3. 検討事項

 
(1)閉鎖性海域の水質汚濁メカニズムの解明 

(2)閉鎖性海域のシミュレーションモデルの構築・水質予測 
 
(3)CODと窒素・燐の総合的な水質保全対策の在り方 
 
(4)生活系、産業系及びその他系の汚濁物質発生源対策 
 
(5)底質の改善、沿岸生態系の保全・回復等の水質改善対策 
 
(6)海域の水質、赤潮、青潮等のモニタリング及び指定地域内事業場のモニタリング 
 
(7)その他 

4. 検討員

 座長 須藤隆一  東北大学工学部教授
    稲森悠平  国立環境研究所総合研究官
    京才俊則  建設省土木研究所下水道部長
    清水 誠  東京大学名誉教授
    中西 弘  大阪工業大学工学部教授
    細川恭史  運輸省港湾技術研究所海洋環境部海水浄化研究室長
    真柄泰基  国立公衆衛生院水道工学部長
    藤井國博  農林水産省農業環境技術研究所環境資源部長
    宮崎 章  工業技術院資源環境技術総合研究所水圏環境保全部長
    渡辺正孝  国立環境研究所水土壌圏環境部長

5. 検討スケジュール

 CODを対象とした現行の第4次総量規制が、平成11年度を目標年度として実施していることから、平成12年度から新たな施策が展開できるよう検討を進めることとする。
 なお、第1回会合は、3月18日(火)に開催する。

   (検討事項)  1.閉鎖性海域の水質汚濁メカニズムの解明  2.閉鎖性海域のシミュレーションモデルの構築・水質予測  3.CODと窒素・燐の総合的な水質保全対策の在り方  4.生活系、産業系及びその他系の汚濁物質発生源対策  5.底質の改善、沿岸生態系の保全・回復等の水質改善対策  6.海域の水質、赤潮、青潮等のモニタリング及び指定地域内事業場のモニタリング  7.その他

連絡先
環境庁水質保全局水質規制課
課長 畑野  浩  (内線6640)
 室長 望月 時男 (内線6641)
 補佐 志々目友博(内線6645)