報道発表資料
チリ・サンチアゴで開催されていたワシントン条約第12回締約国会議は、最終日の11月15日(現地時間)に本会議を開き、全日程を終えました。今回の締約国会議で決定された主な事項は次のとおりでした。
(1) | アフリカゾウ | |
【南部アフリカ3カ国(ボツワナ、ナミビア、南ア)提案】 | ||
各国の個体群について一定の条件を満たした場合に一度限りの輸出を可能とすることが認められた。なお、これらの個体群は現在附属書IIに掲載されているが、輸出は認められていない。 | ||
【ジンバブエ提案】 | ||
南部アフリカ3ヶ国と同様の提案を行ったが、否決された。 | ||
【ザンビア提案】 | ||
ザンビア国内の個体群について、附属書Iから附属書IIに格下げするとともに、一定の条件のもとで輸出を可能とする提案を行ったが、否決された。 | ||
【インド・ケニア提案】 | ||
南部アフリカ4カ国の個体群を、附属書IIから附属書Iに格上げする提案を提出していたが、議論の結果を踏まえ取り下げられた。 |
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注) | アフリカゾウについては、1989年より国際取引を禁止。1999年には、日本のみを対象とする象牙50トンの南部アフリカ3カ国からの一度限りの試験的輸入が認められた。 |
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<我が国のスタンス> | ||
わが国としては、今回南アフリカ3ヶ国の提案が承認されたことを歓迎。今回の決定で、アフリカゾウの持続可能な利用を通じて得られた利益が、野生生物保護に還元され、その結果、アフリカゾウとその他の野生生物の保全が促進されることを期待している。 |
(2) | クジラ類 |
【日本提案】 | |
ミンククジラ(北半球系個体群)及びニタリクジラ(北西太平洋系群を、附属書Iから附属書IIに格下げする提案を行ったが否決された。 |
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(3) | マジェランアイナメ及びライギョダマシ(日本での呼称:メロ又はギンムツ) |
【オーストラリア提案】 | |
上記二種を、附属書IIに掲載する提案を提出していたが、取り下げられた。 |
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(4) | サメ類 |
【ジンベイザメ/インド、フィリピン提案及びウバザメ/イギリス提案】 | |
これらの種を付属書IIに掲載する提案については、委員会では否決されたが、全体会合で採択された。 |
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(5) | タツノオトシゴ属全種 |
【米国提案】 | |
付属書IIに掲載する提案が採択された。 |
※ワシントン条約附属書について
付属書I | = | 現在、取引の影響による絶滅のおそれが高く、商業的な国際取引が原則として禁止されている動植物種のリスト。 |
付属書II | = | 現在は、取引の影響による絶滅のおそれは高くないが、将来的にはそうした懸念があり、輸出国の許可証がないと商業的国際取引ができない動植物種のリスト。 |
- 連絡先
- 環境省自然環境局野生生物課
課 長 黒田大三郎(6460)
補 佐 河本 晃利(6462)
専門官 中島 尚子(6466)