報道発表資料

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2002年11月13日
  • 地球環境

平成15年度地球環境研究総合推進費の新規課題公募開始について

環境省では、地球環境保全政策を科学的側面から支援することを目的として、地球環境研究総合推進費(以下「推進費」という)による研究を推進しているところ。
 11月14日より平成15年度新規研究課題の公募を開始し、来年1月6日を期限として応募を受け付ける。推進費は競争的研究資金として運用されており、産学官を問わず応募のあった研究課題に対して専門家・有識者による審査(事前評価)を行い、平成15年度から着手する研究課題を選定する。
 今回は、従来と同じく、地球の温暖化、酸性雨等越境大気汚染など、各種の地球環境問題の解決に資するチャレンジングな研究課題を募集するほか、中長期的な温暖化対策技術の強化を図るため、来年度から新たに開始する「戦略研究開発プロジェクト」への参加者及び具体的な研究計画を広く募集する。
  1. 公募の概要
     
    環境省では、平成2年度より「推進費」を活用して、国立試験研究機関、独立行政法人、大学、民間研究機関など、様々な分野の研究機関、研究者の連携・協力の下に、地球環境研究を総合的に進めている(平成14年度予算額29億円、48の研究課題を実施中)。
    本研究資金により、地球環境の将来予測・影響・対策等に関する数多くの科学的知見を蓄積しつつあり、例えば、地球温暖化に関する研究成果は、昨年度取りまとめられたIPCCの第3次評価報告書への引用など、国際的な面からも貢献。
    「推進費」では、基礎研究、応用研究を含め広く研究を実施しているが、環境省としては特に、地球環境問題を解決に導くための施策・政策に対する科学的な貢献を明確に志向した研究(政策反映志向型の研究)の提案を期待している。
     
    (1) 研究の対象分野
     研究の対象分野は、以下の6つの分野のいずれか又は複数の分野。
     [1] オゾン層の破壊  [4] 海洋汚染(地球規模の化学物質汚染を含む)
    [2] 地球の温暖化 [5] 自然資源の劣化(熱帯林の減少,生物多様性の減少,砂漠化等)
      [3] 酸性雨等越境大気汚染
     
    [6] 人間・社会・経済的側面からの地球環境研究
     
    (2) 公募する研究区分(研究制度)
     次に示す[1]~[4]の研究区分について、研究課題を公募。
     [1] 戦略的研究開発領域
     公募に際してあらかじめ、環境省が研究テーマの素案(戦略研究テーマ)を作成し、そこに参加する具体的な研究者や研究計画を公募するという、トップダウン的な仕組み。15年度に開始する戦略研究開発プロジェクトの詳細は次項参照。応募者の要件は国内の研究機関(産学官等は問わない)に所属する研究者。
    [2] 地球環境問題対応型研究領域
     上記[1]の戦略研究開発領域と異なり、公募に際して研究テーマを特定せず、個別又は複数の地球環境問題の解決に資する研究課題を広く公募するという、ボトムアップ的な仕組み(課題当たり年間1千万円~1億円規模、3年間)。応募者の要件は[1]の場合と同じ。
    [3] 課題検討調査研究(通常型及び若手育成型)
     上記[2]の研究課題の提案に先立った、いわゆるフィジビリティ・スタディ(課題当たり年間数百万円~1千万円程度、1~2年間)。
    [4] 国際交流研究(エコ・フロンティア・フェローシップ)
     上記[1]又は[2]の研究課題を円滑に進めるため、海外の優秀な研究者(主に若手研究者)を招へいして行う研究。
     
     
  2. 戦略研究開発プロジェクトについて
     
    (1) プロジェクト全体の研究テーマ
     15年度より開始する戦略研究開発プロジェクトの研究テーマは、『陸域生態系における温室効果ガスシンク強化技術及び温室効果ガスソース制御技術の開発、並びにその環境影響及び社会・経済的な効果の評価に関する研究-京都メカニズムの活用及びバイオマスポテンシャルの拡大を視野に入れて-』とする。今回は、これに参画する具体の研究課題(プロジェクト構成研究課題)を公募する。プロジェクト全体の予算規模は現時点では未定だが、数億円規模/年を想定。研究期間は、第I期3年間及び第II期2年間の計5年間(3年目に中間評価)を予定。
     
    (2) プロジェクト全体の目的(概要)
     研究開発プロジェクト全体の目的は、中長期的な視点から陸域生態系における温室効果ガスシンク強化技術及び温室効果ガスソース制御技術の開発を行うことにより、熱帯林の減少や生物多様性の減少の問題との連携・整合も図りつつ、直接大気中からの温室効果ガスの除去及び大気中への温室効果ガスの排出量の低減に寄与すること、またバイオマスの最大化・最適化を図ることによりバイオマスエネルギーの生産ポテンシャルの拡大を図り将来の化石燃料消費抑制に寄与することである。最終的には大気中温室効果ガス濃度の低減・安定化、すなわち地球温暖化の緩和への貢献を目指す。
     なお、開発された技術の国外での適用に当たっては京都議定書における京都メカニズムの活用を視野に入れるほか、単に温暖化対策としての観点のみならず、自然環境への影響の評価手法の検討や自然環境修復技術との整合、社会・経済的な影響や効果などについても研究の対象として、又は視野に入れつつ研究開発を進める。
     
    (3) 公募するプロジェクト構成研究課題の概要
       プロジェクト構成研究課題の予算規模は、1研究課題当たり、数百万円/年~約1億円/年の範囲内とし、研究期間はプロジェクト全体と同じ5年間を予定。
     
     
  3. 応募方法など公募の詳細
     
     公募の詳細については、"公募要項"を参照。応募書類の様式を含め、地球環境研究総合推進費ホームページ(https://www.env.go.jp/earth/suishinhi/index3.htm)にて閲覧・入手(ダウンロード)可能。
     
     
  4. 今後のスケジュール
     
     11月14日  公募要項の公開(上記ホームページ上)
      1月 6日  応募書類の受付締切
     3月  審査(事前評価)結果の公表
     
     
  5. 公募に関する問い合わせ先
     
     環境省地球環境局研究調査室 推進費担当
      TEL 03-5521-8247、FAX 03-3581-4815、e-mail suishinhi@env.go.jp

連絡先
環境省地球環境局総務課研究調査室
室長: 高橋 康夫(内線6730)
 補佐: 小林 郁雄(内線6732)
 担当: 小口 陽介(内線6732)