報道発表資料
運輸省において、平成10年3月25日(水)午後1時30分より、港湾審議会第165回計画部会が開催され、両津港をはじめとする10港湾の港湾計画の改訂等について審議がなされた。当庁は、当該審議会の委員として、環境保全の観点から意見を述べた。
<上程案件>
港湾名 | 種別 | 都道府 県名 | 将来取扱貨物量 (目標年次) | 主な改訂等の内容 |
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両津港 | 改訂 | 新潟県 | 530万トン (平成20年代前半) |
・フェリー及び旅客ふ頭の整備 ・航路整備と防波堤の一部撤去 ・防波堤の新設 |
東播磨港 | 改訂 | 兵庫県 | 4,090万トン (平成20年代前半) |
・マリーナ、小型船だまりの整備 ・耐震強化岸壁等の整備 ・緑地(3.3ha)の整備 |
福山港 | 改訂 | 広島県 | 4,320万トン (平成20年代前半) |
・廃棄物処理用地(40ha)の確保 ・耐震強化岸壁等の整備 ・緑地(4ha)の整備 |
小野田港 | 改訂 | 山口県 | 510万トン (平成20年代前半) |
・廃棄物処理用地(66ha)の確保 ・公共岸壁、小型船だまりの整備 ・緑地(10ha)等の整備 |
西郷港 | 改訂 | 島根県 | 160万トン (平成20年代前半) |
・公共ふ頭用地の確保(1ha) ・フェリー及び旅客船ふ頭の整備 ・耐震強化岸壁等の整備 |
福江港 | 改訂 | 長崎県 | 660万トン (平成20年代前半) |
・公共ふ頭用地等の確保(3ha) ・公共ふ頭、フェリーふ頭、小 さん橋、緑地等の整備 |
中城湾港 | 一部変更 | 沖縄県 | トカゲハゼの生息区域の保全等を目的に、 埋立形状の変更及び埋立面積を縮小 (既定計画47ha→38ha) |
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東京港 | 軽微変更 | 東京都 | 緑地計画の変更(3ha→6ha) | |
横浜港 | 軽微変更 | 神奈川県 | 臨港道路、土地利用計画の変更 | |
別府港 | 軽微変更 | 大分県 | 緑地、大規模地震対策施設の変更 |
<環境庁意見>
【小野田港】
- 東沖地区の廃棄物処理・活用用地への浚渫土砂、一般廃棄物等の受け入れに当たっては、瀬戸内海における埋立ては厳に抑制すべきとされる「瀬戸内海環境保全特別措置法第13条第1項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針」の趣旨に鑑み、効率的な埋立の実施、処分量の軽減方策の検討など、当該用地の適正な利用を図られたい。
- 本港の背後地においては、道路交通騒音に関して現況で環境基準を超え、将来も環境基準を超えることが予測されている。港湾管理者におかれては、臨港道路の整備促進等により港湾関連交通の市街地流入防止に努めるとともに、港湾関連交通の発生量軽減方策について検討するなど、道路環境保全対策に協力されたい。
【中城湾港】
- 中城湾はトカゲハゼの分布の北限及び国内における唯一の生息地であるほか、湾内に分布する干潟及び藻場は多様な自然環境の維持に重要な役割を果たしており、特に佐敷東地区は、トカゲハゼの生息の核心部分であり極めて重要な地区である。今回の計画変更は、このような観点を踏まえて行われたものと考えられるが、本計画に基づく事業の実施にあたっては、沖縄県自然環境担当部局等の関係機関と協力しつつ、埋立て等によるトカゲハゼの生息への影響について引き続き調査、検討を行い、トカゲハゼの生息環境の保全に万全の措置を講じられたい。
- 佐敷東地区の中でトカゲハゼの産卵等の場所として特に重要とされる内干潟については、引き続き、港湾管理者としてもその生息環境の保全に努められたい。
また、内干潟のトカゲハゼの生息環境の保全のための保護地域の指定等環境行政による本種の保護対策の実施に対しても、港湾管理者として所要の協力を行われたい。
【両津港、東播磨港、福山港、西郷港、福江港、東京港、横浜港、別府港】
- 意見なし
- 連絡先
- 環境庁企画調整局環境影響評価課環境影響審査室
室 長 :小林正明(6231)
審査官 :関根達郎(6236)