報道発表資料
平成8年5月9日に公布された「大気汚染防止法の一部を改正する法律」を受けて所要の総理府令の改正、告示の制定を行うとともに、平成8年度規制緩和推進計画に基づき、一定の施設についてばい煙の自主測定義務の軽減を行う。
公布予定(総理府令、告示とも) 2月6日(木)
大気汚染防止法施行規則等の一部を改正する総理府令の要点は、次のとおり。
1石綿(アスベスト)による大気汚染防止のための規制措置の対象となる特定粉じん排出等作業(建築物の解体等の作業)について、事業者が遵守すべき作業基準、作業の実施に係る届出書様式等を定めること。
2一定規模未満の季節稼働施設(暖房用ボイラー等)について、施設設置者のばい煙自主測定回数を軽減すること(平成8年度規制緩和推進計画記載事項)。
また、指定物質抑制基準を定める告示の要点は以下のとおり。
有害大気汚染物質のうち、早急に排出を抑制すべき指定物質を排出する指定物質排出施設について、排出の抑制に関する基準(指定物質抑制基準)を物質及び施設の種類ごとの排出口における濃度基準として定めること。
環境庁としては、今後、改正大気汚染防止法の円滑な施行に努めるとともに、規制緩和推進計画に基づき手続きの簡素化等を図ってまいりたい。
公布予定(総理府令、告示とも) 2月6日(木)
大気汚染防止法施行規則等の一部を改正する総理府令の要点は、次のとおり。
1石綿(アスベスト)による大気汚染防止のための規制措置の対象となる特定粉じん排出等作業(建築物の解体等の作業)について、事業者が遵守すべき作業基準、作業の実施に係る届出書様式等を定めること。
2一定規模未満の季節稼働施設(暖房用ボイラー等)について、施設設置者のばい煙自主測定回数を軽減すること(平成8年度規制緩和推進計画記載事項)。
また、指定物質抑制基準を定める告示の要点は以下のとおり。
有害大気汚染物質のうち、早急に排出を抑制すべき指定物質を排出する指定物質排出施設について、排出の抑制に関する基準(指定物質抑制基準)を物質及び施設の種類ごとの排出口における濃度基準として定めること。
環境庁としては、今後、改正大気汚染防止法の円滑な施行に努めるとともに、規制緩和推進計画に基づき手続きの簡素化等を図ってまいりたい。
1. | 経 緯 |
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平成8年5月9日に「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が公布され、本年4月1日から施行されることとなっている。 同改正法の要点は、次のとおり。 | ||
{1} | 吹付け石綿等を使用する建築物の解体等の作業に伴う石綿(アスベスト)による大気汚染を防止するため、政令で定める解体等の作業(特定粉じん排出等作業)について、作業基準の設定、事前届出、計画改善命令等の規制措置を講ずること。 | |
{2} | 低濃度長期曝露による健康影響が懸念される有害大気汚染物質について、対策推進のための法的枠組みを構築するとともに、有害大気汚染物質のうち、排出又は飛散を早急に抑制しなければならない物質として政令で定める指定物質については、対象施設(指定物質排出施設)の指定、指定物質抑制基準の設定、排出抑制のための勧告等の措置を講ずること。 | |
{3} | その他所要の改正を行うこと。 | |
この法改正を受けて、有害大気汚染物質関係については、昨年10月18日に中央環境審議会が環境庁長官に対して「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第2次答申)」を答申しており、また、本年1月24日には、「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令」が公布されたところである。 これらの政令、答申等も踏まえ、今般、「大気汚染防止法施行規則等の一部を改正する総理府令」を公布するとともに、「指定物質抑制基準を定める告示」を告示する。 |
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2. | 改正総理府令の要点 |
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(1) | 特定粉じん排出等作業関係 | |
ア. | 特定粉じん排出等作業に係る作業基準を作業の種類に応じて定めること。 (規則第16条の4及び別表第7) |
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{1} | 解体作業( {2}を除く。) ~特定建築材料の事前除去の作業方法の基準 |
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{2} | 解体作業のうち特定建築材料の事前除去が困難な作業 ~散水等の作業方法の基準 |
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{3} | 改造・補修作業 ~除去、囲い込み又は封じ込めの作業方法の基準 |
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イ. | 特定粉じん排出等作業の実施届出に係る届出様式及び添付書類を定めること。 (規則第10条の4及び様式第3の4) |
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ウ. | 2つ以上の特定粉じん排出等作業を同一の建築物について行う場合は、1通 の届出書によって届出を行うことができること。 (規則第13条第4項) |
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(2) | ばい煙濃度の測定回数の改正(平成8年度規制緩和推進計画記載事項) | |
排出ガス量が毎時4万立方メートル未満のばい煙発生施設で継続して休止する期間が6ヶ月以上のもの(暖房用ボイラー等の季節稼働施設)に係るばい煙排出者によるばい煙量の測定回数を年2回以上から年1回以上に軽減すること。(規則第15条) |
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(3) | 計量単位の改正(計量法の法定計量単位への統一) | |
「ミクロン」を「マイクロメートル」に改めること。(規則第18条第2項) 「キロカロリー」を「キロジュール」に改めること。(一部改正総理府令附則) *1キロカロリー=4.18605キロジュール |
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(4) | 緊急時のための事前計画の届出の廃止に伴う所要の改正を行うこと。 | |
(規則第13条、第17条及び様式第8) |
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(5) | 身分証明書の様式の改正その他所要の改正を行うこと。 | |
3. | 告示の要点 | |
有害大気汚染物質のうち早急にその排出を抑制すべき物質である指定物質(政令で指定:ベンゼン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの3物質)を排出する指定物質排出施設(政令で指定:一定規模以上の乾燥施設、蒸留施設等の11種)について、指定物質及び指定物質排出施設の種類ごとに指定物質の排出の抑制に関する基準(指定物質抑制基準)を定めること(詳細は別紙参照)。 | ||
・ | 指定物質抑制基準は、大気環境基準の達成を目途としつつ、現時点で実施可能な排出抑制対策を講じた場合に達成することが可能なものとすることを基本としている。また、指定物質の排出実態、対策を講じた場合の効果、指定物質抑制基準の適合状況等を客観的かつ容易に把握することが重要であるという観点から、指定物質排出施設の排出口における濃度基準をもって指定物質抑制基準としている。 | |
・ | 指定物質抑制基準は、新たに設置する指定物質排出施設については平成9年4月1日から、また、既存の指定物質排出施設については一定の準備期間が必要であることを考慮して平成10年4月1日から適用することとしている。 |
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4. | 今後の予定 |
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今後、都道府県・政令市に対して改正法の施行に必要な事項を通知し、地方公共団体を通じて事業者へ今回の総理府令・告示を含めた制度の内容の周知を図る等改正法の施行に向けて所要の準備を進めることとしている。 |
1.ベンゼンに係る指定物質排出施設と指定物質抑制基準の対応
指定物質排出施設(政令で指定) | 指定物質抑制基準(告示で設定) | |
一 | ベンゼン(濃度が体積百分率60パーセント以上のものに限る。以下同じ。)を蒸発させるための乾燥施設であつて、送風機の送風能力が1時間当たり1,000立方メートル以上のもの | 溶媒として使用したベンゼンを蒸発させるためのものに限定。 既設: 200 mg/m3 (排ガス量 1,000 m3/h 以上 3,000 m3/h 未満) 100 mg/m3 (排ガス量 3,000 m3/h 以上) 新設: 100 mg/m3 (排ガス量 1,000 m3/h 以上 3,000 m3/h 未満) 50 mg/m3 (排ガス量 3,000 m3/h 以上) |
二 | 原料の処理能力が1日当たり20トン以上のコークス炉 | 装炭時の装炭口からの排出ガスで装炭車集じん機の排出口から排出されるものに対して適用。 既設: 100 mg/m3 (特殊構造炉の適用除外あり) 新設: 100 mg/m3 |
三 | ベンゼンの回収の用に供する蒸留施設(常圧蒸留施設を除く。) | 溶媒として使用したベンゼンの回収の用に供するものに限定。 既設: 200 mg/m3 (排ガス量 1,000 m3/h 以上) 新設: 100 mg/m3 (排ガス量 1,000 m3/h 以上) |
四 | ベンゼンの製造の用に供する脱アルキル反応施設(密閉式のものを除く。) | フレアスタックで処理するものを除外。 既設: 100 mg/m3 新設: 50 mg/m3 |
五 | ベンゼンの貯蔵タンクであつて、容量が500キロリットル以上のもの | 浮屋根式のものを除外。また、基準はベンゼンの注入時の排出ガスに対して適用。 既設: 1,500 mg/m3 (容量 1,000 kl以上) 新設: 600 mg/m3 |
六 | ベンゼンを原料として使用する反応施設であつて、ベンゼンの処理能力が1時間当たり1トン以上のもの(密閉式のものを除く。) | フレアスタックで処理するものを除外。 既設: 200 mg/m3 (排ガス量 1,000 m3/h 以上 3,000 m3/h 未満) 100 mg/m3 (排ガス量 3,000 m3/h 以上) 新設: 100 mg/m3 (排ガス量 1,000 m3/h 以上 3,000 m3/h 未満) 50 mg/m3 (排ガス量 3,000 m3/h 以上) |
2.トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンに係る指定物質排出施設と指定物質抑制基準の対応
指定物質排出施設(政令で指定) | 指定物質抑制基準(告示で設定) | |
七 | トリクロロエチレン又はテトラクロロエチレン(以下「トリクロロエチレン等」という。)を蒸発させるための乾燥施設であつて、送風機の送風能力が1時間当たり1,000立方メートル以上のもの |
溶媒として使用したトリクロロエチレン等を蒸発させるためのものに限定。 既設: 500 mg/m3 新設: 300 mg/m3 |
八 | トリクロロエチレン等の混合施設であつて混合槽の容量が5キロリットル以上のもの(密閉式のものを除く。) |
溶媒としてトリクロロエチレン等を使用するものに限定。 既設: 500 mg/m3 新設: 300 mg/m3 |
九 | トリクロロエチレン等の精製又は回収の用に供する蒸留施設(密閉式のものを除く。) | トリクロロエチレン等の精製の用に供するもの及び原料として使用したトリクロロエチレン等の回収の用に供するものに限定。 既設: 300 mg/m3 新設: 150 mg/m3 |
十 | トリクロロエチレン等による洗浄施設(次号に掲げるものを除く。)であつて、トリクロロエチレン等が空気に接する面の面積が3平方メートル以上のもの |
既設: 500 mg/m3 新設: 300 mg/m3 |
十一 | テトラクロロエチレンによるドライクリーニング機であつて、処理能力が1回当たり30キログラム以上のもの |
密閉式のものを除外。 既設: 500 mg/m3 新設: 300 mg/m3 |
- 連絡先
- 環境庁大気保全局大気規制課
課長 飯島 孝 (6530)
補佐 石飛 博之(6537)<告示関係>
大気調査官 山口 泰正(6533)<府令関係>