報道発表資料

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1998年03月26日

「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律第20条第1項の規定に基づく特定物質の排出抑制・使用合理化指針」(告示)の一部改正について

環境庁及び通商産業省は、「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」(以下、「オゾン層保護法」という。)第20条第1項の規定に基づく特定物質の排出抑制・使用合理化指針に、臭化メチルを土壌くん蒸及び検疫くん蒸等に使用する場合の排出抑制・使用合理化対策を盛り込むため、標記告示の改正を行う。
1. 特定物質の排出抑制・使用合理化指針
 オゾン層保護法では、第19条において、オゾン層破壊物質として政令で定める物質(特定物質)の排出抑制・使用合理化に係る使用事業者の努力義務を定めており、環境庁長官及び通商産業大臣は、使用事業者が適切に排出抑制・使用合理化に取り組めるよう、第20条に基づき、作業要領の策定、日常点検・補修の実施等の一般的対策と、特定物質使用設備の改良、排出抑制・回収設備の導入等の具体的対策が盛り込まれた「特定物質の排出抑制・使用合理化指針」を定めている。
 臭化メチルについては、1997年9月にモントリオール議定書の全廃スケジュールが強化されており、具体的な排出抑制・使用合理化対策が求められているところである。

2. 改正の概要
 臭化メチルを使用したくん蒸による土壌病害虫等の防除を行う場合の被覆等に関する留意事項、臭化メチルを使用したくん蒸による輸出入植物及びその容器包装その他の物品の消毒を行う場合の消毒施設の使用等に関する留意事項といった臭化メチルの排出抑制・使用合理化対策を告示に盛り込むものである。

3. 今後の予定
 告示の公布3月26日

 

告示改正の内容

 以下の対策等を追加している。

1. 土壌くん蒸用の特定物質に係る排出抑制・使用合理化対策
 特定物質を使用したくん蒸による土壌病害虫等の防除を行う場合には、排出の抑制及び使用の合理化のため、以下の措置を講ずること。
{1} 特定物質の使用回数、使用量を、病害虫の種類、発生の程度等を勘案しつつ、必要最小限とすること。
{2} 特定物質の地中への浸透を図るため、対象耕地を十分に耕起すること。
{3} 密閉性を高めるため、被覆資材はガス遮断性の高いフィルムを使用するとともに、被覆資材の不良箇所の点検・補修を実施し、端部を土等で十分に押さえること。
{4} 被覆資材による被覆は、可能な限り長い期間行うこと。
2. 検疫くん蒸その他の消毒施設にくん蒸対象物を搬入して行うくん蒸に用いる特定物質に係る排出抑制・使用合理化対策
 特定物質を使用したくん蒸による輸出入植物及びその容器包装その他の物品の消毒を行う場合には、排出の抑制及び使用の合理化のため、以下の措置を講ずること。
{1} 密閉構造その他の特定物質の排出の抑制及び使用の合理化に配慮した構造を有する消毒施設を使用すること。
{2} 消毒の対象物の量等を勘案して、適切な規模の消毒施設を使用すること。
3. 代替物質の導入
 特定物質を用いて土壌くん蒸又は検疫くん蒸その他の消毒施設にくん蒸対象物を搬入して行うくん蒸を行う場合についても代替物質の導入を進めること。


(参考1)

モントリオール議定書における臭化メチルの生産規制の経緯

{1} 1992年11月モントリオール議定書第4回締約国会合
臭化メチルを規制対象物質に追加(先進国について1995年以降1991年レベルで凍結)
{2} 1995年12月モントリオール議定書第7回締約国会合
先進国について全廃スケジュールを設定するとともに、途上国について規制を導入
{3} 1997年9月モントリオール議定書第9回締約国会合
先進国について全廃スケジュールを前倒しするとともに、途上国について全廃時期を設定

表.臭化メチルの生産規制スケジュール

  第7回締約国会合第9回締約国会合


1995年以降 1991年比100%以下
2001  〃 75%以下
2005  〃 50%以下
2010  〃       全 廃
 
(必要不可欠な農業用途を除く)
1995年以降 1991年比100%以下
1999〃 75%以下
2001〃 50%以下
2003〃 30%以下
2005〃       全 廃
(必要不可欠な用途を除く)


2002年以降 基準量(1995年から
1998年までの平均)
比100%以下
 
 
 
2002年以降 基準量(1995年から
1998年までの平均)
比100%以下
2005  〃 80%以下
2015  〃 全廃
(必要不可欠な用途を除く)

(注)検疫及び出荷前処理用として使用される臭化メチルについては、適用除外


(参考2)

我が国における臭化メチルの出荷量

(単位:トン)
年次
用途
1991年1992年1993年1994年1995年1996年
土壌用 6,269 6,594 7,241 7,782 5,742 5,336
検疫用 2,848 2,646 2,712 2,703 2,448 2,186
その他 219 121 204 426 523 454
合計 9,336 9,361 10,157 10,911 8,713 7,976

(農林水産省調べ)

連絡先
環境庁大気保全局企画課
課 長 :櫻井 正人 内6510
広域大気管理室
 室 長 :一瀬 壽幸 内6560
 補 佐 :山崎 元資 内6562
 担 当 :窪田 剛   内6564