報道発表資料

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1998年03月27日

第137回電源開発調整審議会について

第137回電源開発調整審議会は、3月27日午後2時より開催され、川崎火力発電所の電源開発地点(下表参照)を含む平成9年度電源開発基本計画が審議される。
 当庁は、川崎火力発電所について環境保全の観点から意見を述べることとしている
  1. 地点
    • (1)【電源開発地点一覧】
      発電所名開発予定地事業者最大出力(kw)備考
      川崎火力発電所1・2号系列 神奈川県 東京電力(株) 3,000,000 火力
      合計(1地点) 3,000,000  
  2. 第137回電源開発調整審議会等における当庁発言の内容

    【川崎火力発電所】

    <幹事会意見>

    1. 立地予定地の周辺地域は、二酸化窒素濃度が環境基準を超過しており、大気汚染防止法に基づく固定発生源に係る窒素酸化物総量規制地域及び自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法に基づく特定地域であることから、大気環境への負荷を極力低減する必要がある。このため、通商産業省におかれては、下記につき事業者を適切に指導されたい。

      なお、当庁としては、窒素酸化物について、最も大きな影響を受ける地域が東京都下にあること及び当該影響地域の当該項目に係る環境汚染の状況を踏まえると、本計画について、環境保全上の見地からの東京都知事の見解が必要であると考えている。

      • (1)環境負荷の少ない燃焼技術・排出ガス処理技術について、最新の技術の開発・普及状況を踏まえ、積極的に導入するとともに、維持管理の徹底等による大気汚染物質の一層の排出抑制を図ること。
      • (2)発電所全体からの年間窒素酸化物排出量を現状以下とすること。
      • (3)実煙突高が同規模の他の発電所と比較して低く、特に、気象条件によっては着地濃度が高濃度となるおそれがあることから、排出ガス排出速度の向上、煙流の乱れ防止等の対策による有効煙突高の確保などにより、環境保全上支障を生ずることのないよう努めること。
      • (4)地方公共団体と協力しつつ、大気環境監視に万全を期すとともに、環境保全上支障が生じた場合には、ばい煙排出量の削減対策を講じること。
      • (5)交通量の低減、施設関連車両への低公害車の積極的な導入等により関連交通に起因する大気環境負荷の低減を図ること。
    2. 東京湾は、水質汚濁に係る環境基準の達成状況が芳しくなく、富栄養化した海域であるとともに、総量規制の実施等の対策に努めているところであり、当該海域の温排水の影響についても慎重な配慮が望まれる海域であると認識している。

      本計画は、出力当たりの温排水排熱量は抑制されているものの、温排水の拡散範囲が拡大することから、水質及び周辺の海生生物への影響が懸念される。事業者においては、「工事の進捗状況及び発電所の運転開始後の状況に応じ、環境保全上特に配慮する必要がある事項が生じた場合には、適宜環境監視計画を策定してこれを実施するとともに、所要の対策を講じる」こととしているが、通商産業省におかれては、これらが適切に実施されるよう事業者を指導されたい。

      また、当庁としては、温排水による水質及び海生生物への影響を極力抑制することが望ましいと考えているので、事業者において、発電施設の熱効率の向上や排熱エネルギーのより一層の有効利用について、幅広い利用の検討が進められるよう、通商産業省におかれては、事業者を指導されたい。

    3. 本事業により生ずる浚渫土に係る土捨場の決定にあたっては、自然環境の良好な場所を避ける等環境に配慮するよう、通商産業省におかれては事業者を指導されたい。

      <参考>
       電源開発調整審議会について

      [設置根拠]電源開発促進法(昭和27年7月31日法律第283号)

      (抜粋)第8条(設置)総理府に、電源開発調整審議会(以下「審議会」という。)を置く。

      第10条(組織)審議会は、会長及び委員16人をもって組織する。
      2会長は、内閣総理大臣をもって充てる。
      3委員は、左に掲げる者をもって充てる。
       一~六(略)
       七環境庁長官
       八~九(略)

連絡先
環境庁企画調整局環境影響評価課環境影響審査室
室長  :小林 正明(内6231)
 審査官 :和田 篤也(内6235)
 担当  :佐藤 健司(内6233)