報道発表資料

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2002年06月14日
  • 地球環境

気候変動枠組条約第16回補助機関会合(SB16) 概要と評価

  1.  気候変動枠組条約第16回補助機関会合(科学上及び技術上の助言に関する補助機関会合(以下、SBSTA)及び実施に関する補助機関会合(以下、SBI))は、5日から14日、ボンで開催された。我が国からは、環境省山田審議官、経済産業省大井審議官、外務省岡庭気候変動枠組条約室長、農林水産省堀調整官、文部科学省村越参与等が出席した。
     
  2.  今次会合では、昨年11月のCOP7マラケシュ合意で積み残された[1]京都議定書の実施に係る技術的事項(各国の割当量に関する報告・審査の方法、CDM植林に係るルール策定等)、[2]気候変動枠組条約に係る事項(IPCC第三次評価報告書の検討、途上国支援、国別報告・審査の方法、関連機関との協力等)、[3]カナダのクリーン・エネルギー提案の取り扱い等について、事務レベルで協議を行い、温室効果ガスの排出・吸収目録の報告・審査ガイドラインについて合意が得られるなど、京都議定書の実施において一定の進展が見られた。我が国は、京都議定書実施に係るルールが合理的な内容となり、また、早急に合意されるよう努力した。
      
  3.  5日(初日)のSBSTA全体会合において、我が国は、京都議定書を締結したことを報告した上で、京都議定書の速やかな発効に向けて各国が議定書を早期に締結することを強く希望し、また、温暖化対策の実効性のためには、今後、全ての国が参加する共通のルールの構築が必要であることを訴えた。ウォラ・ハンター気候変動枠組条約事務局長は、我が国の京都議定書締結は発効に向けた重要な一歩である旨発言し、EU、G77等各国から我が国の締結を歓迎し、高く評価する旨の発言があった。我が国の京都議定書締結は、我が国の発言力を増す上で貢献した。
     ロシアは、京都議定書締結に関する検討を行っており、年内を目途に作業を進めたい旨述べた。また、我が国は議場外においてもロシア、カナダ、豪州に対して京都議定書の早期締結を働きかけた。
     
  4.  我が国は、他の先進国とも協調しつつ、途上国の排出削減について議論を開始、促進するべく、関連議題の下で新たな検討項目を盛り込む努力を行った。途上国から強い反対があったものの、他の先進国とも協調して対処した結果、SBSTAでIPCC第3次報告書を検討する際に、排出削減についても取り上げていくこととなった。また、議場外では、エル・ヤスギCOP7議長(モロッコ)、G77各国(COP8主催国インドを含む)、UG諸国、EU、ウォラ・ハンター条約事務局長に対して全ての国の参加する共通のルールに向けた議論開始の必要性を訴え、協力を求めるとともに、UG諸国、EU諸国とこの問題に関する今後の協議の取り進め方等について意見交換を行った。また、米国に対しては、京都議定書の締結・発効の重要性、米国の国内対策の一層の強化の必要性、共通ルール構築に向けた今後の国際交渉の建設的対応を求め、更に、今後の日米協議の取り進め方について協議した。

(了)

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課
課長:竹内 恒夫(6770)
 温暖化国際対策推進室
 室長:高橋 康夫(6772)
 補佐:瀧口 博明(6773)
 担当:大倉 紀彰(6775)


日本政府代表団