報道発表資料

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1997年02月26日

国立環境研究所のナホトカ号油流出事故緊急環境調査についてて(中間報告)

国立環境研究所は、ナホトカ号油流出事故に係る環境影響について、1月15~17日に、福井県と石川県の海岸域を対象に緊急調査を行ったが、今般その中間報告がとりまとめられた。
 中間報告の概要は、以下のとおりである。
 
1.調査の概要
(1) 大気:粉塵サンプラー(4試料)、ガスサンプラー(7試料)
(2) 水:15地点
(3) 生物:貝等の潮間帯生物の採取(7ヶ所)
(4) 砂及びオイル残渣等:3地点
 
2.調査の結果
(1) 漂着油及び抜取油
高沸点の炭化水素が主体(C重油相当の炭化水素パターン)
重金属としては、バナジウム、ニッケルを含有し、砒素はほとんど含まない。
多環芳香族化合物を含有している。
2-フルフリルアルコールは漂着油及び抜取油からは検出されなかった。
(2) 大気汚染
ベンゼン、トルエンの濃度は、大都市部の濃度よりも低い。
三国町雄島の現場大気のガスクロマトグラフパターンはn-パラフィンと類似しており、灯油由来の炭化水素が大気中に増加していると考え得る。
大気粉塵のPAH(ベンゾ-(a)-ピレン等)は、都市大気と比較して低い部類に属する。
漂着油を入れた容器の内空気から多種の芳香族炭化水素が検出された。
環境大気の汚染レベルは、重油の影響は認められるものの全般に軽微であるといえる。
(3) 水質汚濁
見た目では、無色透明。
揮発性炭化水素(VOC)はほとんど検出されなかった。
海水中のベンゾ-(a)-ピレン濃度は、重油漂着地で若干の上昇が見られた。

(別添省略)

連絡先
環境庁水質保全局水質規制課
課長 畑野浩  (内線6640)
 補佐 木村祐二(内線6642)

環境庁国立環境研究所化学環境部動態化学研究室
室長 柴田康行(0298-50-2450)