報道発表資料

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2002年04月05日
  • 地球環境

第2回気候変動に関する日米政府間ハイレベル協議について

本年、持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD)が南アフリカ共和国のヨハネスブルグで開催される。日米両国はこの重要な会議に向けて積極的に、かつ永続的な成功を収める可能性を共に信じて取り組んでいる。このため、両国は21世紀における持続可能な開発を成し遂げるために協力していく。
 
昨年、小泉首相とブッシュ大統領は、気候変動が地球的規模でのアプローチを必要とする緊急の地球的規模の問題であることを認識した。両首脳は、気候変動によってもたらされる課題の深刻さについて共通の理解を表明し、共通の基盤及び気候変動に対する共通の行動をとるための分野を探求するために、日米政府間ハイレベル協議を開始することに同意した。それ以降、両国においてこれまで精力的な取り組みがなされてきた。
 
日米両国は、科学技術の将来性や技術革新を促す必要性、民間部門における自主的なイニシアティブを促進することの重要性、及びこの分野における市場ベースでのインセンティブの重要性を認識する。また、両国は、気候変動に対処するため、持続的な経済発展を確保しながら、可能な限り幅広い地球規模での参加が必要であるとの考えを共有する。
 
米国は、本年2月14日に発表された気候変動政策及びブッシュ大統領によって発表された米国の目標を達成するための取組みを説明した。日本は、京都議定書に関する立場及び京都議定書の約束を果たすための取組みを説明した。両国は、それぞれの政策に関して意見交換を行った。両国は、気候変動枠組条約の目的を踏まえ、気候変動という長期的な課題に対して貢献するために一層の対策を講じていく。
 
両国は、気候変動という長期的な課題に対処するため、気候変動枠組条約の下で、協力とパートナーシップの精神により協力して取り組んでいく。この観点から、両国は本件ハイレベル協議の重要性を認識し、今後とも本協議を継続していくことに同意する。
 
日米両国は、事務レベル協議におけるこれまでの議論を踏まえ、次のとおり気候変動に関する協力を促進していくことに合意した。

1.市場メカニズム
 日米両国は、以下の項目について意見交換を行うことに同意した。
 [1] 自主的取組
[2] 奨励的措置を含む早期削減対策実施の促進
[3] 登録簿
[4] 市場メカニズムに関連する国際的な課題
[5] 情報提供プログラム
 
 
2.科学技術
 日米両国は、次の優先分野の研究をさらに検討し実施していくことに同意した。
 [1] 地球シミュレータを利用した気候モデルの高度化、及びモデリングのための地球プロセスの研究
[2] 排出・気候・影響統合モデルを用いた温暖化影響及び緩和・適応政策の評価
[3] 観測及び国際的なデータの交換・品質管理
[4] 土地利用、土地利用変化及び林業を含む温室効果ガス吸収源に関する研究
[5] 極地に関する研究
[6] 炭素及び温室効果ガスの分離・回収・隔離・利用などの緩和・防止技術の開発
[7] 再生可能・代替エネルギー技術、資源及び製品、並びに省エネ対策及び技術の研究開発
 
 
3.途上国関連問題
 [1] 地球温暖化問題に対する実効的な取組を確保するためには、共通だが差異のある責任及び各々の能力に基づいて、途上国を含む全ての国が参加することは極めて重要であることを共有した。日米両国は、この目的のために引き続き緊密に協力していく。
[2] このような努力を補完するために、日米両国は、開発途上国との二国間協議に加えG8やIEA等の様々な場を通じて、途上国を関与させるために協力していく。
[3] 日米両国は、気候変動に関する人材育成、技術移転、資金協力を通じて、開発途上国に対して引き続き支援を行う重要性を認識する。日米両国は、開発途上国への支援に関して引き続き情報交換を行っていく。


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連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課温暖化国際対策推進室
担当:大倉 紀彰(内線6775)