報道発表資料

この記事を印刷
2002年03月28日
  • 地球環境

気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結の国会承認を求める件及び地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について

昨年11月に気候変動に関する国際連合条約の京都議定書の運用細目が決定されたことを受け、政府として今国会において京都議定書の締結の承認とこれに必要な国内担保法の成立に万全を期すこととしている。
 このような状況を踏まえ、「気候変動枠組条約の京都議定書の締結の国会承認を求める件」、及び京都議定書の的確かつ円滑な実施を確保するため、京都議定書目標達成計画の策定、計画の実施の推進に必要な体制の整備、温室効果ガスの排出の抑制等のための施策等を内容とする「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」について、3月29日(金)に閣議決定し、第154回通常国会に提出する予定である。
  1. 背景及び経緯

     地球温暖化は、地球全体の環境に深刻な影響を及ぼし、その防止は人類共通の課題であることから、平成6年3月、気候変動に関する国際連合枠組条約(以下「気候変動枠組条約」という。)が発効し、さらに、本条約に基づいて、平成9年12月、二酸化炭素等の温室効果ガスの削減についての法的拘束力のある約束等を定めた「京都議定書」が採択された。この「京都議定書」の運用細目が、昨年11月、モロッコのマラケシュにおける条約の第7回締約国会議において合意されたことを受け、平成14年2月13日に、政府の地球温暖化対策推進本部において、今次通常国会における京都議定書締結の承認とこれに必要な国内担保法の成立に万全を期すことが決定された。
     この決定を踏まえ、京都議定書の締結に必要な国内担保法たる「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」をとりまとめ、気候変動枠組条約の京都議定書の国会承認を求める件とともに今次通常国会に提出するものである。

  2. 京都議定書の締結の国会承認を求める件

     京都議定書は、平成9年12月の気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3:地球温暖化防止京都会議)において採択され、先進国に対し、各国別に法的拘束力のある数量化された約束を設定(日本-6%、米-7%、EU-8%等)するとともに、柔軟性措置として排出量取引等の京都メカニズムの導入を盛り込んでいる。
     その後4年にわたる国際交渉の結果、第7回締約国会議において京都議定書の運用細目が決定されたことを受け、日本国憲法第73条第3号の規定に基づき、今国会における京都議定書の締結の承認を求めるものである。 

  3. 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の概要

     京都議定書の的確かつ円滑な実施を確保することを目的として、平成10年に制定された地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する。その概要は以下のとおり。

    (1) 京都議定書目標達成計画

     政府は、京都議定書に係る目標の達成に関する計画を定めるとともに、平成16年及び平成19年において、京都議定書目標達成計画に定められた目標及び施策について検討を加え、必要に応じ変更する。計画の案は下記の本部において作成し、さらに閣議決定をする。

    【計画の主な内容】
    [1] 計画は、3月19日に政府の地球温暖化対策推進本部において決定された新たな地球温暖化対策推進大綱を基礎として作成することとし、京都議定書の6%削減約束の達成に向けた具体的裏付けのある対策の全体像を示す。このため、温室効果ガス別に目標並びに対策及びその実施スケジュールを記述することとし、併せて個々の対策についての我が国全体における導入目標量、排出削減見込み量及び対策を推進するための施策を盛り込む。
    [2] 京都メカニズムの活用、森林整備等の吸収源対策について規定するとともに、技術革新を図るための支援も示す。併せて、途上国の森林回復や排出削減へのODA等の活用も明記する。
    [3] 計画は、節目節目に評価の上、見直すこととし、計画の中で定量的評価・見直しの方法の概略を定めることとする。
    [4] 計画は、国、地方公共団体、事業者及び国民一般が総力を挙げて実施する。

    (2) 地球温暖化対策推進本部

     内閣に、京都議定書目標達成計画の案の作成等を所掌事務とする地球温暖化対策推進本部を設置し、内閣総理大臣を本部長、内閣官房長官、環境大臣及び経済産業大臣を副本部長、他のすべての国務大臣を本部員とする。

    (3) 温室効果ガスの排出の抑制等のための施策
    地方公共団体は、京都議定書目標達成計画を勘案して施策を総合的・計画的に実施。
    国民の取組を強化するための措置を拡充。
    [1] 地球温暖化防止活動推進員の活動に、住民の求めに応じ日常生活に関する 温室効果ガスの排出の抑制等のための措置について調査を行い、当該調査 に基づく指導・助言を行う「地球温暖化対策診断」を追加。
    [2] 地域における普及啓発活動の拠点である「都道府県地球温暖化防止活動推進センター」について、その指定対象に、特定非営利活動法人(NPO法人)を追加。
    [3] 地域レベルでの温暖化対策の取組を推進するため、地方公共団体、事業者、 住民等からなる「地球温暖化対策地域協議会」を設置。

    (4) 森林整備等による温室効果ガスの吸収源対策

     森林・林業基本計画等に基づき、森林整備等による吸収源対策を推進。

    (5) 京都メカニズムの活用のための国内制度の在り方の検討

     京都メカニズム(JI,CDM,排出量取引)の活用のための国内制度の在り方を検討。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課
課長:竹内 恒夫(内線6770)
 室長:高橋 康夫(内線6772)
 補佐:関谷 毅史(内線6773)
 補佐:熊倉 基之(内線6781)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。