報道発表資料
- 我が国では、河川流域を単位として自然の水循環を中心とした自然基盤により、河川に沿って都市が成立し、発展してきた。しかし、沿岸大都市は人口・経済の集中により、一層巨大化され、水需要増大、汚濁物質の排出量増加等の多大な環境負荷を流域圏にもたらした。この結果、都市が成立するための流域圏自然基盤が崩壊しており、流域圏全体の自然環境保全・修復が求められている。また、巨大化した都市では、高環境負荷と自然環境システムの後退・劣化という環境状況を改善し、自然とのふれあいの機会を増進し、「健康」、「安全・安心」かつ「快適」な都市の居住環境向上が必要とされている。
- このような状況に対して、都市を流域圏の構成要素と認識し、流域圏における都市のスプロール化の抑制と自立化を図りながら、自然共生都市の形成を目指し、他の流域圏との有機的関係を樹立していくことが求められている。
- このため、自然共生型都市の形成を目指した、都市の環境状況や流域圏における生態系の観測・診断・評価技術及び流域圏管理モデルの開発を行うとともに、自然共生型都市・流域圏を創造するための政策シナリオの設計・提示を行うことを目的として、提案公募の形式により、広く産学官などの英知を活用した研究開発の提案を募り、優秀な提案に対して助成を行うことにより、環境研究・環境技術開発の推進を図るものである。
- 公募の概要
この公募は、内閣府に設置されている総合科学技術会議の分野別推進戦略の環境分野の中で、特に重点的に取り組む課題とされた「自然共生型流域圏・都市再生技術研究」に位置付けられるものであり、主要都市・流域圏の自然共生に必要な具体的プラン作成に資するものである。
公募対象とするプロジェクトは、原則として、4年間の研究開発期間内で、以下の3つのプログラムの視点を踏まえ、これらを総合的に実施するものとする(個別プログラム毎の採択は行わない)。
(1) 都市・流域圏環境モニタリングプログラム 都市・流域圏における水・土壌・大気相互の物質循環、生物多様性等の環境実態把握を目的として総合的観測(既存のデータの利用を含む。)を行うとともに、そこで得られた環境情報のデータベース化、相互利用・提供ネットワーク構築を行う。
(2) 都市・流域圏管理モデル開発プログラム 都市・流域圏環境の現況を把握し、再生のためのシナリオを具体的に検討するため、人間活動、都市構造、都市基盤整備の総合的分析・評価をもとに水・土壌・大気相互の物質循環、生物多様性等の変動機構を表現できるモデルを構築する。 (3) 自然共生型社会創造シナリオ作成・実践プログラム 都市・流域圏の水質改善・生態系の回復に向けて、上記(2)で開発したモデルを活用するとともに、既存の環境修復・再生技術を用いた技術開発システムを提案し、自然共生型都市・流域圏を創造するための政策シナリオの設計・提示を行う。
- 応募者の要件
応募者は、以下の研究機関に所属する研究者などで構成された共同研究プロジェクトの研究開発代表者とする。
《対象とする研究機関等》[1] 国立試験研究機関、独立行政法人試験研究機関 [2] 地方公共団体の試験研究機関 [3] 学校教育法に基づく大学(国公私立を問わず)、高等専門学校 [4] 民間企業(日本の法人格を有すること)の試験研究部門 [5] 民法第34条の規定に基づき設立された公益法人の試験研究部門 [6] [1]~[5]に該当しないが研究に必要な設備・研究者を国内に有するもの
- 研究開発プロジェクトの採択
(1) 採択プロジェクト予定数 1~2プロジェクト (2) 採択方法 環境省内に設置する「総合研究開発推進会議」(総合環境政策局長が委嘱する外部有識者で構成)の事前評価を踏まえた上で、環境省において採択する。
(3) 評価方法 研究開発プロジェクト採択にあたっては、研究開発の目的達成の実現性、研究開発計画・体制の妥当性などを総合的に評価して採択する。
- 助成の内容
(1) 予算規模 1プロジェクト当たり年額約3000万円~1億円(間接経費を含む。)の範囲で助 成する。
なお、助成の額は、年度ごとに当該年度分のみを決定する。(2) 助成期間 助成期間は、原則として4年間とする。
ただし、特に優れた成果が期待され、研究開発の発展の可能性が認められるものについては、審査の上、更に1年間の延長を可能とする。
一方、中間評価において研究開発を中止すべきとされた場合には、評価実施年度の翌年度以降の研究開発の助成は行わない。
- 今後のスケジュール等
3月29日(金) 公募開始
4月26日(金) 公募締切
- 公募要領等
・ 公募要領(一太郎(ver.9)形式)、(MS-Word98) ・ 応募様式(一太郎(ver.9)形式)、(MS-Word98)
- 連絡先
環境省総合環境政策局総務課環境研究技術室
担当:長澤、藤田e-Mail : sokan-kengi@env.go.jp Tel : 03-3581-3351(内線6245,6246) 03-5521-8239(直通) Fax : 03-3593-7195 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局総務課環境研究技術室
担当:長澤、藤田(内線6245,6246)