報道発表資料

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1997年02月20日

札幌地域等7地域の公害防止計画の承認について

2月20日(木)付けで、札幌地域等7地域の公害防止計画が、内閣総理大臣より承認される予定です。
【公害防止計画(案)のポイント】
 ○ 今回の計画は環境基本計画を基本として策定されたものです。
 ○
策定地域 札幌地域、秋田地域、松本・諏訪地域、岐阜・大垣地域、愛知地域、四日市地域、延岡地域の7地域
 ○
計画目標 環境基準等の達成維持
 ○
計画期間 平成8年度から平成12年度(5年間)
 ○
公害防止施策 計画の策定指示(昨年9月20日)の際に示された、各地域毎の主要課題に対する施策を重点的に掲げています。
 ○
公害防止施策に要する経費の見込額 約4兆421億円
   ( 7地域で5年間に実施する事業者が講ずる措置及び地方公共団体等が講ずる施策の合計額)

1.公害防止計画について
 公害防止計画は、環境基本法第17条に基づき、現に公害が著しいか、著しくなるおそれがあり、かつ、公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難である地域について、公害の防止を目的として策定される地域計画であり、国及び地方公共団体は計画の達成に必要な措置を講ずるものとしています。現在、全国34地域について策定されています。

2.計画策定の経緯
 札幌地域等7地域については、これまで、{1}四日市地域は、昭和46年度より5期(25年間)、{2}愛知地域は、昭和47年度より5期(24年間)、{3}札幌地域、秋田地域、松本・諏訪地域、岐阜・大垣地域、延岡(旧日向・延岡)は、昭和51年度より4期(20年間)にわたって、公害防止計画が策定され各種の公害防止対策が推進されてきたところです。しかしながら、道路交通公害等の都市・生活型公害を中心として、依然解決すべき課題が残されていることから、一部の地域を除いて、引き続き新たな計画が策定されたものです。

3.前計画(H3~7)との比較
 今回の計画は、環境基本法第17条第2項により、環境基本計画を基本とした 「公害防止計画策定の基本方針」に基づき策定されており、本計画の実施を通じて環境基本計画に定める長期的な目標の達成に資することを踏まえ、従来からの施策に加え新たな施策の拡充・強化が図られています。

4.計画の主な内容
(1)主要課題
 各地域において特に重点的に取り組むべき主要課題については、各事業に係る整備水準等の目標を可能な限り掲げており、施策の実効性を高めています。また、地域が隣接する岐阜・大垣地域、愛知地域、四日市地域では、"伊勢湾の水質汚濁対策"などの広域的課題について、情報交換を図るなど相互に協力して施策を推進することとしています。
 なお、地域の実情に応じて低公害車の積極的な普及促進や下水道の高度処理の導入など新たな施策も含まれています。

(2)自然環境の保全
 各地域では、人口や産業の集中等により身近な空間における自然が減少しつつあります。そのため、新たに"共生"の観点から、人々が自然とふれあうことが出来る身近な空間を創出するため、従来からの都市公園整備等に加えて、自然共生型川づくりや住民参加による里山保全活動の推進などの施策が新たに盛り込まれています。
 なお、これらの施策は、自然の有する環境浄化能力等を通じて公害防止にもつながるものです。

(3)地球環境の保全
 各地域は、社会経済活動等の集積により、二酸化炭素排出量などをはじめとして地球環境に与える影響はかなり大きな地域といえます。これらの地域において取り組まれる地球温暖化対策などは、環境への負荷の低減を通じて公害防止にもつながることから、今回の計画では、省資源・省エネルギー対策などの地球環境に係る施策が適切に位置づけられ、地域での取組のより一層の促進を図ることとしています。
 また、各地域においてこれまで取り組まれてきた公害防止対策の経験等を活かした、海外からの研修員の受入などの国際協力についても、積極的に推進することとしています。

(4)すべての主体の参加の実現
 各地域における公害の質が、産業型から都市・生活型へと変化してきたことに伴い、これまで以上に、各主体が一体となった自主的積極的な取組が必要となっています。そのため、新たに"参加"を重要な施策として位置づけ、各主体の役割を明確にするとともに、民間団体や地域住民等による環境保全活動への支援や インターネット等を利用した情報提供などの施策を推進することとしています。
 また、行政が自らも率先して環境保全活動を実行するため、1道6県をはじめとするすべての市町村で率先実行計画等を策定し実行することとしています。

(5)その他
 各地域は、愛知地域や四日市地域をはじめとして臨海部などに多数の工場・事業場等を有していることから、災害時における環境汚染の防止を図る観点からも防災型の都市づくりに配慮しています。

5.計画の承認について
 札幌地域等7地域の公害防止計画については、この度、その案がまとまり関係省庁との調整も終了したため、関係道県知事よりその承認申請が提出されているところです。このため、2月20日(木)開催の公害対策会議幹事会終了後に同日付けで、内閣総理大臣より承認され、関係道県知事に対し通知される予定です。
 また、国及び関係地方公共団体においては、本計画に定められた施策の推進を図るとともに、環境庁としてもその進行管理等を通じ、計画の推進に努めることとしています。

連絡先
環境庁企画調整局環境計画課
課長   一方井 誠治 (6220)
 計画官  太田  進  (6227)
 課長補佐 藤塚  哲朗 (6223)
 担当   渡辺、 島野 (6229)