報道発表資料

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2002年03月12日
  • 地球環境

「国際海事機関における第47回海洋環境保護委員会」の開催結果について

 「第47回海洋環境保護委員会(MEPC47)」は、ロンドン(英国)の国際海事機関(IMO)本部において3月4日(月)から8日(金)までの5日間、76ヶ国の代表及び40の国際機関・NGO等の代表が参加して開催されました。
 MEPCは、国際機関の中で海事・船舶に関する専門的知見を有するIMOが船舶等に起因する海洋環境汚染に関する諸問題を検討するために定期的に開催しています。
 今回の会合では、バラスト水中の有害水生生物に関する議題、船舶のリサイクルに関する議題、船舶からの大気汚染の防止に関する議題等に関しての議論が行われました。
  1. 会合の主な内容
     
     今回会合における主な議事の内容は、次のとおりです。
     
    バラスト水中の有害水生生物について
     船舶が喫水や船体の傾斜を調整するために積み込むバラスト水の中に生物が取り込まれ、本来の生息地以外の地域に運ばれ定着することにより固有の生態系に影響を与える問題が指摘されています。これまで、IMOにおいては、バラスト水の排出を管理するための条約を2003年までに採択することを目的として検討が続けられてきました。
     今回のMEPC47では、前回のMEPC46に引き続きワーキンググループを設けて議論が行われ、条約において管理の対象とすべき生物の種類、バラスト水処理及び洋上でのバラスト水交換の方法、管理対象とすべき海域等について議論が行われました。
     次回のMEPC48以降も引き続き条約案等に関する討議が継続されることとなっています。
     
    船舶のリサイクルについて
     現在、老朽化した船舶を解体する際、一部の国々では船を海岸に乗り上げさせ適切な施設が整備されていない場所で解体するという方法がとられており、今後、船体構造の規制強化に伴う廃船量の増加が予測される中で解体場所周辺での環境汚染の悪化が懸念されています。
     この問題については、今回の会合から新たにワーキンググループが設置され、船舶の解体にかかるIMO総会決議やガイドラインの骨子を作成するための議論が行われました。
     MEPCにおいては、今後もこの問題に関する討議が継続され、MEPCの作業計画では、
     2003年までに船舶解体に関するガイドラインを合意することを目指し、2003年のIMO総会においてガイドラインの実施等を内容とする総会決議を採択するとしています。
     
    船舶からの大気汚染について
       IMOでは、これまで気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局からの依頼に基づき国際航海に従事する船舶から排出される温暖化ガスの削減に関する取組についての検討を進めてきました。
     今回会合から、新たにワーキンググループを設置し、今後のIMOにおいて船舶からの温暖化ガス削減問題に関する取組の方針等について議論が行わました。
     今後もこの問題に関しては、UNFCCCと連携しつつMEPCで継続審議されることとなっており、今回合意されたMEPC作業計画においては、2003年までにIMOにおける船舶からの温暖化ガス排出量削減の取組に関する戦略(行動計画)を策定する予定となっています。 
  2. 今後の予定等
     
     次回のMEPC48は2002年10月に開催される予定となっています。
連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課 長  鈴木 克徳(6746)
 補 佐  牧谷 邦昭(6741)
 係 長  川島 雄一(6746)