報道発表資料
1997年02月20日
「気候変動対策国際戦略世界会議(International Conference on Opportunities and Problems of Early Actions for Climate Protection)」及び関連公開シンポジウムの開催について
環境庁は、本年3月30日(日)、31日(月)に国立京都国際会館で「気候変動対策国際戦略世界会議」を開催する。本会議では、国内外の専門家約50名を招き、気候変動対策における早期の行動がもたらす機会と問題点の評価を主要テーマとして討議を行う。このような国益にとらわれない形で大所高所から国際的な温暖化対策の進め方を議論することにより、今後の一層厳しい対策に向けた国際交渉の促進の一つの基礎資料づくりを目指すものである。
また、本会議の関連イベントとして、環境庁、(財)地球環境センター、地球環境関西フォーラム、(財)日本環境協会及び日本経済新聞社の主催により28日(金)には大阪で、環境庁、(財)日本環境協会及び日本経済新聞社の主催により29日(土)には東京で、早期の温暖化対策の重要性等について、関心のある各方面の理解の促進を目的とした「地球温暖化対策シンポジウム」をそれぞれ開催する。
1.開催趣旨また、本会議の関連イベントとして、環境庁、(財)地球環境センター、地球環境関西フォーラム、(財)日本環境協会及び日本経済新聞社の主催により28日(金)には大阪で、環境庁、(財)日本環境協会及び日本経済新聞社の主催により29日(土)には東京で、早期の温暖化対策の重要性等について、関心のある各方面の理解の促進を目的とした「地球温暖化対策シンポジウム」をそれぞれ開催する。
気候変動対策については、昨年7月の気候変動枠組条約第2回締約国会議(COP2)において拘束性のある数量目標を設定する方向に合意したことに加え、従来から強硬な反対姿勢を示していた産油国が態度を軟化しつつあることから、今後の議論の焦点は、いかに実効性のある目標設定を行い得るかに移りつつある。この点に関しては、種々の論点が残されているが、特に重要な課題として、
・ | 対策を遅らせることにより技術開発等に要する時間をかせぐことが望ましいとの議論と |
・ | 積極的に早期の対策をとることは可能でありかつ必要との議論 |
また、先進国が早期に対策をとることにより、途上国に及ぼすプラス、マイナスの影響についても適正に評価する必要があるとの指摘も行われている。これらの課題について国益にとらわれない形で大所高所から議論をすることが今後の議定書交渉を促進する観点からとりわけ有益であると考えられる。
このためには、世界のシンクタンクの知恵と経験を活かすことが最も適切と考えられるため、世界でも著名な米国の世界資源研究所(WRI、ワシントンD.C.)及びウッズホール研究センター(ボストン近郊)の協力を得て、上記テーマに関する国際会議を開催する。
2.日時・場所
平成9年3月30日(日)及び31日(月)
京都市 国立京都国際会館
3.実施主体
主催 | : | 環境庁 |
後援/協力 | : | 外務省(予定)、通商産業省(予定)、京都府、京都市、 世界資源研究所(WRI)、ウッズホール研究センター |
4.主要テーマ
気候変動対策における早期の行動のもたらす機会と問題点の評価
Opportunities and Problems of Early Actions on Climate Protection
5.主な討議内容
(1) | 持続可能な開発を推進する上で、早期の温暖化対策をとることにより得られるビジネスチャンスと問題点についての評価 |
(2) | 早期の温暖化対策が途上国に及ぼすプラス・マイナスの影響の評価及び悪影響の緩和対策の検討 |
(3) | 気候変動枠組条約の目的に沿った温室効果ガスの削減のための早期の行動に向けた戦略の検討 |
6.参加者
海外からの参加者:欧米のシンクタンク、産業界の代表、途上国の代表等20名程度 国内からの参加者:学識経験者、産業界、NGO等30名程度 (あらかじめ登録された方々) 主な参加者(予定):エストラーダ(AGBM議長:交渉中) ロバート・ワトソン(IPCC次期議長:交渉中) ミハエル・ザミット・クタヤール(UNFCCC事務局長) G.M.ウッドウィル(ウッズホール研究センター所長) E.U.ワイザッカー(ブッパタール研究所長) 佐和隆光(京都大学経済研究所長) 天野明弘(関西学院大学総合政策学部長)
7.取材について
(1) | 会議終了後、記者会見を国立京都国際会館内にて開催いたします(3月31日午後5時頃)。 |
(2) | 会議の傍聴は可能です。あらかじめ事務局(環境保全対策課 岩佐 内6763)まで登録方お願いいたします。 |
関連イベント
(1) | 地球温暖化対策シンポジウム(参考1参照) |
早期の温暖化対策のもたらす各種の影響を討議することにより、早期対策の重要性についての我が国産業界の理解の促進を図る。 |
申し込み先:28日(大阪)については、(財) 地球環境センター TEL:(06)915-4121 FAX:(06)915-0181 29日(東京)については、(財)日本環境協会 TEL:(03)3508-2651 FAX:(03)3508-2570
(2) | 地球温暖化国際NGOシンポジウム |
我が国の温暖化関連NGOである気候フォーラムが、気候変動対策国際戦略世界会議に先立ち29日(土)に国立京都国際会館で、気候行動ネットワーク(Climate Action Network:CAN)に参加する世界のNGOを招いてシンポジウムを開催する。 |
連絡先:気候フォーラム TEL:(075)254-1011 FAX:(075)254-1012
議事次第(案)
3月30日(日) | ||
午前 | ||
開会 | ||
環境庁長官(又は長官代理)挨拶 WRI挨拶 ウッズホール研究センター挨拶 |
||
キーノート・スピーチ「気候変動対策のタイミング - 科学的知見」 |
||
ワトソンIPCC次期議長を予定。 |
||
第1セッション「気候変動対策による持続可能な開発の推進」 |
||
持続可能な開発を進める上で、気候変動問題がどのようにとらえられるべきか、特に気候変動対策による持続可能な開発への効果につき討議。 |
||
午後 | ||
第2セッション「気候変動対策のタイミング - 技術開発と市場への普及」 |
||
近未来の政策が温室効果ガスの削減に資する技術の開発と市場への普及のための投資に及ぼす影響及び気候変動対策に資する新技術の開発と普及を促進するために果たす政策の重要性について討議。 |
||
第3セッション「気候変動対策のタイミング - 過去の経験と産業界の展望」 |
||
政策決定のタイミングに関する問題は多くの環境問題に共通する課題であることから 、オゾン層保護対策や我が国の70年代における公害防止投資等過去の環境政策の経験をレビューするとともに、気候変動対策を早期に実施することによる各種の影響につき討議。 |
||
夜 | ||
環境庁主催レセプション |
||
3月31日(月) | ||
午前 | ||
第4セッション「早期の気候変動対策が途上国に及ぼす影響の評価及び悪影響の緩和策の検討」 |
||
早期の気候変動対策が途上国経済に及ぼす影響については、先進国の市場が小さくなることにより途上国特に産油国に対して悪影響を及ぼすとの主張から、むしろ途上国における省エネルギー対策等の推進の機会が増えて好影響を与えるという主張まで様々な議論が行われている。本セッションでは、主として途上国の視点に立って、早期の気候変動対策が途上国に及ぼす影響について、対策をとらなかった場合の被害をも含めて幅広く討議。 |
||
第5セッション「気候の保護に向けた政策オプション」 |
||
これまでのセッションにおける議論を踏まえ、産業界、途上国、NGOの代表等により地球温暖化防止京都会議で採択すべき議定書及びその後をにらんだ政策オプションについてパネル・ディスカッションを行う。また、それらの議論に対する他の参加者からのコメントを求める。 |
||
午後 | ||
最終セッション |
||
本会議の議長による総括を行う。 |
(参考1)
- 目 的
早期の気候変動対策による各種のプラス・マイナスの影響を論ずることにより、早期の気候変動対策の重要性に対する我が国産業界の理解の促進を図る。
- 日時・場所
3月28日(金)午後 リーガロイヤルNCB(大阪)
3月29日(土)午後 日経ホール(東京)
- 実施主体
3月28日(金) 午後2時~5時頃 主催 :環境庁、(財)地球環境センター、地球環境関西フォーラム、 (財)日本環境協会、日本経済新聞社 共催 :大阪府、大阪市、(社)大阪工業会 後援(予定):外務省、通商産業省、地球温暖化防止京都会議関西行政協議会、 UNEP国際環境技術センター(IETC) 3月29日(土) 午後1時~4時頃 主催 :環境庁、(財)日本環境協会、日本経済新聞社 後援(予定):外務省、通商産業省
- プログラム(案)
[1]. 開会 [2]. 基調講演 「気候変動対策:技術の普及と革新の必要性」 WRIジム・マッケンジー主任研究官 [3]. パネル・ディスカッション 「早期の気候変動対策によるプラスとマイナスの影響」 コーディネーター:三橋規宏(日本経済新聞社論説副主幹)(東京) 天野明弘(関西学院大学総合政策学部長)(大阪) パネリスト:ジム・マッケンジー(世界資源研究所主任研究官) ラマ・クリシュナ(ウッズホール研究所国際環境法担当部長) 細田衛士(慶應義塾大学経済学部教授)(東京) 植田和弘(京都大学経済学部教授)(大阪) 日本の企業の代表 各パネリストが10分ずつ発表をした後、1時間程度討議。 [4]. 閉会
- 連絡先
- 環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課 長:小林 光 (内線6740)
調 査 官 :竹本 和彦(内線6748)
調 査 官 :小林 正明(内線6760)
課長補佐:平田 悦雄(内線6757)
温暖化国際対策推進室
室 長:鈴木 克徳(内線6741)
担 当:岩佐 健史(内線6763)