報道発表資料
ワークショップの成果として、「北東アジア地域ツル類重要生息地ネットワーク」を構築する予定である。
1.「北東アジア地域湿地・水鳥保全ワークショップ」開催
(1)日時 平成9年3月4~7日
※ なお、3月7日(金)に「北東アジア地域ツル類重要生息地ネットワーク」を構築する予定。
(2)場所 中国・北戴河
(3)主催 日本環境庁、中国林業部、ウェットランド・インターナショナル
(国際湿地保全連合)
(4)主要議題
{1} 北東アジア地域における湿地・水鳥保全に関する多国間協力について
{2} 北東アジア地域におけるツル類とその生息地の保全について
{3} 北東アジア地域ツル類重要生息地ネットワークの構築について
2.「北東アジア地域ツル類重要生息地ネットワーク」構築
(1)概要
「北東アジア地域ツル類重要生息地ネットワーク(以下、「ネットワーク」という。)」は、(財)日本野鳥の会及び国際湿地保全連合日本委員会が提案しているもの。
ネットワークは、北東アジア地域のツル類の渡りルートにある各国が、それぞれの国にあるツル類の重要生息地を選定し、生息地間の情報交換、地域住民の啓発活動等を通じ、効果的な湿地の保全を図っていこうとするものである。
(2)経緯
本ネットワーク構想は、昨年3月に国際湿地保全連合アジア太平洋地域支部及び同日本委員会により策定された「アジア太平洋地域水鳥保全戦略」(環境庁、豪州自然保護庁協力)に位置づけられ、ラムサール条約第6回締約国会議における勧告(ブリズベン・イニシアチブ)においても支持された。 なお、昨年3月には、同戦略に基づいて、「東アジア~オーストラリア地域におけるシギ・チドリ類に関する湿地ネットワーク」が10ヶ国24湿地の参加を得て構築されている。
(3)ネットワークの詳細
詳細については、裏面のとおり。
(4)参加国及び参加湿地
ネットワークには、日本、中国、ロシア、韓国及びモンゴルから参加する予定であり、日本からは、釧路湿原、厚岸湖・別寒辺牛湿原、霧多布湿原(北海道)、八代(山口県)、荒崎(出水、鹿児島県)の5地域が参加する。
北東アジア地域ツル類重要生息地ネットワーク提案概要
1.目的
ツル類の渡りにとって国際的に重要な湿地についての認識を高め、連携して適切な管理を促進することによって、北東アジアにおけるツル類とその生息地の長期的な保全を確実にする。
2.ネットワークの性格
・ツル類とその生息地保護のための国際協力活動である。
・地域において、湿地所有者、湿地の管理に責任ある者(湿地管理者)及び保全活動に参加している人々を支援する。
・個別の湿地とその保全活動についての国際的な認識を高める。
3.活動内容
・湿地管理者は、湿地管理計画を策定し適切に管理を行うとともに、当該湿地に関する情報をネットワーク事務局に提供する。
・ネットワーク事務局は、各湿地から集まった情報のデータベースを作成し、ネットワーク間の情報交換を促進する。各湿地のツル類保全に関する活動を支援する。
4.ネットワークへの参加手続き
湿地管理者は、参加に必要な情報を準備し、当該国の政府機関を経由して、ネットワーク事務局に参加を申し込む。
5.ネットワーク参加のためのクライテリア
ネットワークへ参加する湿地は、下記要件の少なくとも1つを満たすものとする。また、全ての参加湿地は、法制度により保護されているか、もしくは土地所有者が保護に協力的でなければならない。
{1} ラムサール条約の量的基準(1%)を満たす。
{2} 湿地へのツル類の渡来数が、種数に関わらず25羽以上。
{3} ツル類ワーキンググループが、ツル類にとって重要と認める。
6.運営機構
・ネットワーク事務局は、国際湿地保全連合日本委員会及び(財)日本野鳥の会が共同で行う。
・ネットワークの運営について、専門的な助言を行うため、国際湿地保全連合アジア太平洋地域評議会の下に、ツル類ワーキンググループ(政府関係者、NGO及び専門家等で構成)を設ける。
- 連絡先
- 環境庁自然保護局野生生物課
課長:小 林 光 (6460)
担当:小山、山本(6465)