報道発表資料

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2001年11月20日
  • 地球環境

第3回東アジア酸性雨モニタリングネットワーク政府間会合等の結果について

平成13年11月19~20日、チェンマイ(タイ)において、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)に関する第3回政府間会合が開催された。また、これに先立ち、11月14~16日第1回科学諮問委員会が、11月17日財政措置に関する非公式会合が開催された。
 今次政府間会合では、第2回政府間会合で国連環境計画(UNEP)を将来の事務局とすることが決定されたことを踏まえ、具体的な事務局の内容に関するUNEP提案が承認された。
 また、EANETに関する手続き規則や、活動を通じて得られたデータ等の公開規則について合意されるとともに、2002年活動計画及び予算が承認された。
 さらに、2003年に開催予定の政府間会合までに財政的な枠組みについての合意を図るべく、ネットワークの財政措置についての議論が開始された。また、カンボジアのネットワークへの参加が正式に承認され、参加国は計11ヶ国となった。
 これに先立って開催された第1回科学諮問委員会では、本格稼動期間の各国モニタリング計画が提出され、レビューされた。また、2000年データ報告書が取りまとめられたほか、精度保証/精度管理プログラムの実施について検討され、関連技術資料が承認された。さらに、今後の研究活動の進め方など、ネットワークの本格稼動を更に推進するための各種議論が行われた。
  1. 会合の概要

    平成13年11月14日(水)~16日(金)  第1回科学諮問委員会
    EANET参加10ヶ国の科学諮問委員会メンバー、カンボジア・ラオス及び国際機関等の専門家等が参加
    平成13年11月17日(土)  財政措置に関する非公式会合
    EANET参加10ヶ国の政府機関におけるネットワーク政策担当官、カンボジア・ラオス及び国際機関の専門家等が参加
    平成13年11月19日(月)~20日(火)  第3回政府間会合
    EANET参加10ヶ国の政府機関代表者、カンボジア・ラオス及び国際機関の専門家等が参加

    場所:タイ・チェンマイ市
    EANET参加国: 中国、インドネシア、日本、マレーシア、モンゴル、フィリピン、韓国、ロシア、タイ、ベトナムカンボジア(今次政府間会合で参加を承認)

  2. 第3回政府間会合の結果

    UNEPによる事務局設立提案
     各国の意見を踏まえて一部修正の上採択され、EANET事務局の職員数を3名とすること、職員は事務局を置く国連環境計画アジア太平洋地域資源センター/アジア工科大学(UNEP.RRC.AP/AIT)の人事規則に従って雇用されること、EANETの活動経費を管理するためにUNEP.RRC.AP/AITの規則に従って信託基金を設立すること、EANET事務局は2002年1月から活動を開始し、設立当初の2年間で事務局の基本的な機能を整備すること等が了承された。

    EANET関連諸手続
     EANETに関する手続規則や、活動で得られたデータや情報の公開規則について議論され、各国の意見により一部修正の上採択された。

    EANET活動資金確保の方法
     当面は、参加国等からの自発的な拠出金によりEANET活動経費を賄うこととし、参加国からの資金の拠出方式について、2003年の政府間会合で参加国の合意を得るべく、作業グループ会合を設置し集中的な議論を行っていくことが決定された。

    参加国の拡大
     本会合においてカンボジアの正式参加が承認されたことにより、EANETへの参加国は計11ヶ国となった。さらにラオスからも近い将来、参加申請される見通しがあることが紹介された。

    EANETの技術的基盤の強化
     本格稼働の開始に伴って参加国の国内モニタリング計画の見直しが行われているところ、参加国は更なるモニタリング活動、精度保証/精度管理(QA/QC)活動の強化、モニタリングサイトの拡大に伴うキャパシティ・ビルディングの推進等の必要性が指摘された。また、酸性雨の環境への悪影響を防止又は減少させるための努力に関し、排出源目録の作成やモデリング等の努力を行っていく必要性が指摘された。

    2002年活動計画及び予算
    会合での議論を踏まえ、EANETの2002年活動計画及び予算が一部修正の上、承認された。

  3. 第1回科学諮問委員会の結果

     第3回暫定科学諮問グループ会合(2000年7月31日~8月1日、マニラ)以降のEANET活動の状況をレビューするとともに、本格稼動期間中の各国のモニタリングプランが提出され、レビューされた。
     また、2000年モニタリングデータ報告書がまとまるとともに、EANET活動に係るデータ・情報の公開のあり方についての検討が行われ、第3回政府間会合への勧告として取りまとめられた。
     さらに、QA/QC活動の一環として1998年以降に実施された分析機関間の精度に関する比較調査の結果をレビュー、モニタリング手法の改善等について議論されるとともに関連する技術資料が承認された。また、2002年活動計画やEANETの本格稼動を推進していくため、今後の研究活動や他の国際機関との連携について、科学的・技術的観点から議論が行われた。

  4. 次回会合予定

     第4回政府間会合および第2回科学諮問委員会は2002年秋に、また、EANETの財政的な枠組みを討議する作業グループ会合は2002年春に開催される予定。
連絡先
環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課長:鈴木 克徳(内線6740)
課長補佐:遠藤 肇(内線6745)
係長:海東 聡(内線6745)