報道発表資料

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2001年09月17日
  • 総合政策

敦賀発電所3、4号機増設に係る環境大臣意見の提出について

環境省は、敦賀発電所3、4号機増設(福井県敦賀市)に係る環境影響評価準備書について、環境影響評価法第60条及び電気事業法第46条の14第2項の規定に基づき、経済産業大臣より環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成13年9月17日付けで、同大臣に対し、冷却水の取放水による水温及び海生生物への影響についての環境監視の実施、重要な動植物についての事後調査等の実施等に関する環境大臣意見を提出した。
[事業概要]
 
計画位置  福井県敦賀市明神町及び浦底
 (関係地域 … 敦賀市及び美浜町)
事 業 者  日本原子力発電株式会社
 (関西電力、中部電力及び北陸電力への売電供給を予定。) 
発電方式  原子力
出  力  153.8万kW×2基=307.6万kW
 (既設 1号機35.7+2号機116.0=151.7万kW)
燃  料  低濃縮ウラン 約27トン/年×2基
用  地  土地造成面積 約28ha(うち公有水面埋立約20ha)
運転開始  3号機…平成21年度、 4号機…平成22年度  (予定)
 
 
[環境大臣意見の内容]
 
1.  計画地周辺海域は、本発電所の他に2号機、もんじゅを含めて複数の発電所の取放水が行われ、それらの影響を重複して受ける海域であることから、発電所の取放水による水温及び海生生物への影響について、慎重に対応することが必要である。
 このため、周辺海域の水温及び海生生物の環境監視に当たっては、取放水がそれらに与える影響について十分確認することにより、影響予測の妥当性を検証し、必要に応じ適切な対策を講じること。また、その旨、評価書に記載すること。
 
2.  海食洞については、波浪による浸食を防止するための具体的な措置を検討し、検討結果を評価書に記載すること。また、事業実施後においても検討結果の検証を行い、その結果に基づき、必要に応じて適切な措置を講じること。また、その旨、評価書に記載すること。
 
3.  陸生動物について、準備書では重要種とされた48種のうち、9種について予測・評価を行っているが、残りの種についても、専門家の意見を聴取して適切に予測・評価を行い、その結果を評価書に記載すること。
 
4.  計画地及びその周辺においては、ヒナコウモリ、ハヤブサ等、重要な生物種が確認されており、事業実施に当たっては、以下に掲げる措置を講じるとともに、その旨、評価書に記載すること。
 
(1)  事後調査及び環境監視の実施に当たっては専門家の指導・助言を得ること。また、事後調査及び環境監視の結果、自然環境へ影響が確認された場合においては、専門家の指導・助言を得るとともに、関係機関と調整し、適切な措置を講じること。
 事後調査等の結果及び講じた措置については、適切に公表すること。
 
(2)  対象事業実施区域で高い頻度で飛翔が確認されたミサゴについては、ハヤブサと同様、工事中及び供用後において、環境監視を行うこと。
 
(3)  ヒナコウモリのコロニー形成時の工事については、騒音の影響に対する予測の不確実性を補うため、専門家の指導・助言を得ながら発破作業時の目視観察、試験発破等を行うなど、慎重に進めること。
(4)  陸生植物の移植に当たっては、専門家の指導・助言を得ながら慎重に行うこと。
(5)  工事中において、新たに希少な動植物が確認された場合は、専門家の意見を聴取し、現地調査を実施した上で、これらの種の生息環境に対する影響が最小限となるよう、適切な環境保全対策を講じること。
 
5.  発電所の色彩については、計画地が若狭湾国定公園であることを考慮して、周辺の風致及び景観と著しく不調和とならないよう、更に検討すること。また、その旨、評価書に記載すること。
 
6.  本事業により大量の残土が発生することから、残土発生量の削減に向けて、更に工事計画の検討を行うこと。また、その旨、評価書に記載すること。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室  長 森谷  賢(内6231)
 審査官 北村昌文(内6239)

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