報道発表資料

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2001年06月26日
  • 自然環境

第4回「生物多様性国家戦略懇談会」の議事要旨について

「生物多様性国家戦略懇談会」第4回会合の議事要旨をお知らせします。
  1. 懇談会の概要(出席者及び傍聴者約100名-環境省、各省、NGO、マスコミ等)
     
     平成7年10月に策定した生物多様性国家戦略の見直しに向けて開催した第4回「生物多様性国家戦略懇談会」の議事要旨(速報)を下記のとおり取りまとめましたので、お知らせします。
     今回は、「NGOとの意見交換会」として、自然保護関係NGOから、生物多様性国家戦略見直しに向けての意見を聴き、懇談会委員との意見交換を行いました。
    (1) 第4回懇談会開催日時等
    日 時: 平成13年6月25日(月) 15:00~18:00
      場 所: 東京會舘「シルバースタールーム」
    東京都千代田区霞が関3-2-5霞ヶ関ビル35F
     
    (2) 生物多様性国家戦略懇談会出席委員
     浅野 直人  福岡大学法学部長
     大島 康行  (財)自然環境研究センター理事長
     小野 勇一  北九州市立自然史博物館館長
     篠原 修  東京大学工学系研究科教授
     星野 進保  総合研究開発機構特別研究員
       鷲谷いづみ  東京大学農学生命科学研究科教授
     
    (3) NGO発表者及び発表テーマ
      (財) 日本自然保護協会  吉田正人氏
      1) 自然公園と生物多様性
      2) 里やまと生物多様性
      3) 種と生態系のモニタリング
      (財) 日本野鳥の会  金井 裕氏
      1) 生物多様性国家戦略の戦略目標(RDBとIBA(ImportantBirdArea))
      2) 渡り鳥(水鳥類、海鳥類、森林性・草地性鳥類)の保全
      3) 具体的な施策実施時の枠組み(カワウ問題にみる野生生物広域管理体制のあり方)
      (財) 日本生態系協会  青木 進氏
      1) 自然環境の観点からの国土のグランドデザインについて
    2) 生物多様性国家戦略の点検のあり方について
    (財) WWFジャパン  草刈秀紀氏
    1) 鳥獣保護法(地方自治体の現状)、種の保存法の問題点等
    2) 野生生物保護法制に向けて
    3) 環境リスク評価手法の確立
      4) その他(森林認証制度、地球温暖化の生態系等への影響)
     
  2. 議事要旨
     
     NGOの発表を受けての議論の概要は次のとおり。
    国立公園の管理については、例えば時間・季節限定の規制の運用など、生物多様性の観点から地域の特性に応じたきめの細かい弾力的な管理計画が必要である。
    鳥類は渡りをするという特性から、他の分類群にもまして特に国際的視野での保護の取組が必要であり、国際的モニタリングの実施など国境を超えた情報の整備が重要である。
    野生生物の保護については、RDB(種そのものの保全)の取組とIBA(生息環境の保全)の取組の両方が必要である。
    海棲哺乳類については、科学的データに基づく保全の考え方を打ち出し、それを水産業にも反映していくことが重要である。
    日本でも、ヨーロッパのようなエコロジカルネットワークの考え方に基づいた地図ベースの計画を、特定の地域でもよいから試みてはどうか。
    生物多様性の量的基準(目標)の設定については、専門家の立場でも難しく、決定的なものが開発されていないのが現状である。
    生物多様性の目標の設定については、定量的なディテールにこだわらず、思想的枠組みの設定から入っていくことが重要である。
    野生生物への環境ホルモンの影響については、人への影響の予兆という捉え方から脱却し、生態系への影響を直接把握することが必要との考え方に立つことも検討してはどうか。
             (順不同 文責:事務局)
     
  3. 議事要旨等の公開
     
     議事要旨、懇談会資料等は、環境省生物多様性センターHPhttp://www.biodic.go.jp/nbsap.htmlでもご覧いただけます。一般の方からの生物多様性国家戦略見直しに関するお問い合わせ、ご意見はNBSAP@env.go.jpで受け付けております。
     
  4. 次回懇談会 7月23日(月)13:30~16:30 開催予定
     
    (参考)・ 平成13年3月5日第1回懇談会(生物多様性十年史等)
    平成13年4月10日第2回懇談会(国立公園と野生生物等)
    平成13年5月21日第3回懇談会(全国的な自然環境データの整備)
    懇談会は、夏までに6回程度開催する予定。
連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
課  長 小野寺 浩(内線6430)
 企画官 渡辺 綱男(内線6490)
 補  佐 植田 明浩(内線6480)