報道発表資料

この記事を印刷
1997年01月31日

第22回地球温暖化経済システム検討会について

本日午前中、標記検討会が開催されました。
 地球温暖化経済システム検討会(座長:佐和隆光京都大学経済研究所長)は、平成2年に企画調整局長の私的諮問機関として設置されています。これまで、経済学的な観点から、地球温暖化の防止が図られる経済にアプローチするため、地球温暖化防止対策を経済活動に組み込む方途やそれに期待される効果について、市場メカニズムを重視する経済的手段を活用する場合を含めて検討するとともに、各種の地球温暖化対策が経済システムに与える影響をも考察することにより、地球温暖化の防止が図られる経済への円滑な移行の道筋を明らかにするよう検討を行っており、計3回の報告を出しています。

 本日の会合は、昨年7月の第3回報告後の初めての検討会であり、本年12月に開催される地球温暖化防止京都会議に向けた今後の検討課題とその進め方についての検討等が行われました。

 まず、前回の検討会後、約8ヶ月間の地球温暖化問題に関する国内外における取組状況について、事務局から報告しました。
 続いて、事務局からの提案に基づき、本検討会の平成9年事業について意見交換が行われました。検討事項については、事務局提案が了承され、また、必要に応じて適宜検討事項を追加していくこととなりました。今後の進め方については、座長より「世界経済への影響の把握」及び「アジア・太平洋地域における持続可能な経済発展と排出枠売買などの国際メカニズムの係わり」については、特にアジア諸国や世界の経済に明るい者を中心とした作業グループを設け、同グループで検討を行っていくこととしたい旨の提案があり、委員の互選により、10人からなる作業グループが設けられることとなりました。

 なお、本日の議事次第及び資料一覧は、別添のとおりです。会議の資料は公開しておりますので、ご関心のある方は、担当までお問い合わせ下さい。



第22回地球温暖化経済システム検討会
 
議事次第
平成9年1月31日10時~
環境庁第1会議室

 1.開会

 2.委員紹介

 3.地球温暖化問題に関する国内外における取組状況について

 4.地球温暖化経済システム検討会の平成9年事業について

 5.閉会

資料一覧 
 
 資料 地球温暖化経済システム検討会委員名簿
 
 資料 地球温暖化対策をめぐる最近の内外の進展について
    2-1  地球温暖化経済システム検討会第3回報告
    2-2  環境政策における税・課徴金等の経済的手法の活用について
    2ー3  炭素税等関連記事
       2-4  環境基本計画の進捗状況の点検結果について(温暖化関連部分)
    2-5  地球懇地球温暖化問題に関する特別委員会中間報告(あらまし及び報告書)
    2-6  産業界の環境自主行動計画(中間報告)
 
(ベルリンマンデート交渉に関する国際的な検討状況について)
 資料 3-1  COP2閣僚宣言のポイント
    3-2  気候変動枠組条約第2回締約国会議日本政府代表演説
    3-3  気候変動枠組条約ベルリンマンデート・アドホックグループ第5回会合の成果及び今後の見通しについて
    3-4  我が国提案の議定書に盛り込む要素案のポイント
    3-5  各国提出の議定書案(1 米、2 EU、3 豪、4 ノルウェー、5 アイスランド)
 
(COP3の成功に向けた支援体制について)
 資料 4-1  地球温暖化防止に係る国民規模の啓発及び国民参加の対策の強化のための基本方針
    4-2  地球温暖化防止に係る国民規模の啓発及び国民参加の対策の強化のための取組の現状
    4-3  1997年地球温暖化防止に係る取組カレンダー
 
 資料 地球温暖化経済システム検討会の平成9年事業(案)
      ・各検討項目に関する個表




資料5
経済システム研究会の平成9年事業について
(案)
  • AIMモデルのブラッシュ・アップ
      技術モデルの内容を更に向上させる。2030年くらいまでの予測を行う。
     
  • 環境税の経済影響、環境効果に関する国内モデルのレビュー
     環境税の経済影響、環境効果に関する国内モデルのレビューを引き続き行う。
     
  • 主な先進国の国内モデルのレビュー
     我が国の交渉相手となる主要な国々の今後の排出予測や限界削減費用、部門別出荷額の変化などをレビューし、交渉の落ち所を探る。
     
  • 先進国間の対策努力の配分の考え方のレビュー
     原因割合による分担、対策負担能力による分担、限界削減費用を均等化する分担、比較優位による自由貿易の帰結に対しニュートラルな分担など、様々な考え方の含意などをレビューし、適切な対策努力の分担の原則を検討する。
     
  • 世界経済への影響の把握
     各先進国が対策を強化することによる先進国間の交易や途上国経済への正負の影響を解明する。各先進国に対し差異化した削減目標を課した場合の国際経済上の帰結に関し検討する。
     
  • アジア・太平洋地域における持続可能な経済発展と排出枠売買などの国際メカニズムの係わり日本、韓国等がドナーとなりつつアシア諸国の環境保全的な発展をファイナンスする構想を探求する。
     
  • 統合評価モデルなどのレビュー
     長い期間での対策努力の時間的な配分の最適化について世界の動きをフォローする。
     
  • 環境対策の経済発展への好影響に関する検討
     環境規制強化が技術革新を加速する効果などをミクロ、マクロに探求し、可能であれば、資本理論などの適切な考え方を援用し、従来分析されてきた環境規制の負の影響に加え、環境規制の正の影響を少しでも予測に陽表的に活かせるようにする。
     
  • 健全なメタボリズム機能を有した「知立生活大国」のイメージの明確化
     前回報告書末尾で提唱した未来の望ましい経済社会のイメージを描く。
     
連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課   長:小林  光(内6740)
 課長補佐:清瀬和彦(内6758)
 係   長:中尾  豊(内6738)
 担   当:山中昌史(内6739)
地球温暖化経済システム検討会事務局