報道発表資料

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1997年05月29日

石膏ボード製品の最終処分に伴う有害物質による水質汚濁の防止について

栃木県宇都宮市の安定型最終処分場において、砒素による汚染が発生したことから石膏ボードからの砒素等の溶出試験が行われ、一部の工場で製造された製品から高い濃度の砒素等が溶出することが確認された。
 環境庁では、この結果を受け、厚生省とも連携して、類似の処分場における環境汚染の有無の確認及び新たな汚染の発生防止のための措置を講ずることとしている。

1.経緯
 本年3月、栃木県宇都宮市の石膏ボードの廃棄物を主とする安定型最終処分場において、浸出水に含まれた砒素により、周辺の公共用水域が汚染される事例が発生した。 砒素の発生源は廃石膏ボードと推定されたことから、(社)石膏ボード工業会において砒素等の溶出試験が実施され、その結果が本日公表された。この結果、小名浜吉野石膏(株)いわき工場の製品から金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を超えるレベルの砒素が、また、日東石膏ボード(株)八戸工場の製品からは判定基準に近いレベルのカドミウムが溶出することが確認された。現在、これらのメーカーにおいては、販売店在庫の回収を行うとともに、工場の品質管理の見直しを行っている。

2.今後の対応
 環境庁としては、高濃度の砒素等を溶出するおそれのある石膏ボードの最終処分に伴う
周辺環境の汚染を防止する観点から、以下の対応をとることとしている。
(1)類似の安定型処分場における環境汚染の有無の確認(緊急点検の実施)
 上記2工場の石膏ボード製品を多量に処分している安定型処分場について、当該処分場からの浸出水、周辺の公共用水域及び地下水の調査を行うよう関係都道府県に要請する。
(2)建物の解体に伴う廃石膏ボードの安定型処分場への搬入による環境汚染の防止
 石膏ボードが用いられている建物を解体する場合に、上記の工場から出荷された製品が用いられているがどうかを製品に表示されている工場記号等により確認し、上記の工場の製品については管理型処分場で処分する必要があるとの考え方に基づき、早急に所要の措置を講ずる。
(3)最終処分基準の見直しの検討
 環境庁においては、現在、最終処分基準等の見直しを行っており、上記の緊急対策と併せて、石膏ボードに係る最終処分基準についても必要な見直しを検討する。

添付資料

連絡先
環境庁水質保全局企画課海洋環境・廃棄物対策室
室   長 太田 進  (6620)
 室長補佐 高橋 康夫(6621)