報道発表資料

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2001年04月24日
  • 地球環境

川口環境大臣のワシントン訪問について(概要と評価)

川口環境大臣は、22日から24日までワシントンを訪問し、リンゼー経済担当大統領補佐官(エドソン国際経済担当次席大統領補佐官同席)、アーミテージ国務副長官、ホイットマン環境保護庁長官と会談した。また、現地のマスコミとの意見交換も行った。

1.全体概要

(1)  川口環境大臣は、米国政府高官に対して、我が国が米国の京都議定書不支持表明が気候変動交渉に与える影響を強く懸念しており、米国が引き続き京都議定書の発効に向けた交渉に参加して、我が国とともに積極的に合意を模索するよう強く希望する旨申し入れた。また、我が国は京都議定書の2002年発効を目指してCOP6再開会合での合意に向けて努力する方針であることを伝えた。米国の立場表明が我が国で強い反響を呼んでおり、衆参両議院では米国の立場表明を大変遺憾とする国会決議が全会一致で可決されたことを説明した。更に、タイミングが重要であることを強調の上、米国が、気候変動政策見直しを早急に完了し、7月のCOP6再開会合に十分先立って具体的提案を提示するよう要請した。また、米国の政策見直しにおいては、京都議定書で規定する市場メカニズムなどの活用によって費用効果的に削減目標達成が可能であること、また、目先の経済コストのみならず、環境へのコストや省エネ等の分野における技術革新や市場創出などの利益もあることも考慮すべきことを指摘した。
(2)  これに対して米国政府高官は、我が国の立場を理解し、大統領に伝達すると述べた上で、基本的に米国の京都議定書不支持に対する立場を繰り返した。政策見直し作業については、緊急の課題として関係閣僚が作業を行っており、具体的な完了時期は示せないが、7月のボン会合までに提案を提示するよう努力したい、日本には必ず相談すると述べた。
(3)  川口環境大臣は、米国に対する幅広い働きかけが重要との観点から、有力紙編集委員との意見交換を行い、気候変動問題に対する我が国の積極的な姿勢をアピールするとともに、京都議定書に基づく削減努力が新たな市場の創出等の利益をもたらすこと等を説明した。

2.評価

(1)  川口環境大臣は、米国の京都議定書不支持表明に対するわが国の立場についてあらためて米国政府の理解を得た。
(2)  米国は真剣かつ緊急に気候変動政策見直しを行っていることが見受けられた。米国の京都議定書に対する対応には楽観できないが、米国は政策見直しにおいて友好国の意見にも耳を傾ける姿勢が看取された。
(3)  我が国としては、米国ができるだけ早期に政策検討作業を完了し、COP6再開会合で京都議定書の発効を目指した交渉に積極的に参加するよう、関係国とも連絡しつつ、引き続き米国への働きかけに全力を尽くす。
連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課
課 長:竹内 恒夫(6770)
 温暖化国際対策推進室
 室 長:高橋 康夫(6772)
 補 佐:関谷 毅史(6773)
 担 当:大倉 紀彰(6775)