報道発表資料
環境庁は、ナホトカ号油流出事故に係る環境影響について、今後、関係省庁と連携しつつ段階的、継続的に調査を実施するため、水質・底質、魚介類及び大気の汚染状況、並びに景観、海域・海浜生物及び海鳥類への影響について、当面、以下の調査を実施する。
今後、調査の内容等詳細につき、関係地方公共団体、関係機関等との調整を経た上で、早急に着手することとしている。
このうち、一部の調査については、環境基本計画推進調査費を使用して実施する(別資料参照)。
今後、調査の内容等詳細につき、関係地方公共団体、関係機関等との調整を経た上で、早急に着手することとしている。
このうち、一部の調査については、環境基本計画推進調査費を使用して実施する(別資料参照)。
- 水質・底質の油汚染状況の調査
- 調査目的:8府県に及ぶ沿岸が油で汚染され、海域の水質汚濁が懸念されている ことから、油汚染海域の水質及び底質について油汚染状況を調査し、水質及び底質環境への影響を把握する。
- 調査内容:油汚染が考えられる8府県の海域(主な環境基準点及び重油漂着海岸付近)数十地点において、水質及び底質の油分、重油含有成分等について分析する。
- ○分析項目:油分、重油含有成分(多環芳香族炭化水素等)、
- 環境基準健康項目、環境基準生活環境項目等
- (担当:水質保全局水質規制課)
- 魚介類中の重油含有成分等の調査
- 調査目的:油汚染海域の魚介類の重油含有成分等の残留状況を把握する。
- 調査内容:油汚染が考えられる8府県の海域数地点において、魚介類を採取し、重油含 有成分等の濃度を分析する。
- ○分析項目:多環芳香族炭化水素、有機硫黄化合物等
- (担当:環境保健部環境安全課)
- 油による大気汚染状況の調査
- 調査目的:重油漂着の量が多いとみられる地域において、重油含有成分の大気環境濃度を測定、重油漂着による大気汚染の程度を把握する。
- 調査内容:主な油漂着海岸周辺において、重油含有成分の大気環境濃度を測定する。
- ○分析項目:揮発性有機化合物、多環芳香族炭化水素、油ミスト等
- (担当:大気保全局大気規制課)
- 景観及び海域・海浜生物への影響調査
- 調査目的:国立・国定公園区域等の自然保護上重要な地区において、油汚染の状況や海域・海浜生物への影響等を把握する。
調査内容 | : | 以下のような地区で被害状況の把握及び被害対策の検討を行う。 | |
1) | 国立・国定公園の海中公園地区 | ||
2) | 特別保護地区その他の国立・国定公園の重要な地区 | ||
3) | 集団施設地区や主要な海水浴場等国立・国定公園の利用上重要な地区 | ||
4) | 特定植物群落等生物の重要な生息地 | ||
5) | 過去の海域生物調査(自然環境保全基礎調査)の実施地点 | ||
調査手法 | : | 潜水調査(海中公園地区)及び踏査により、被害動植物の把握、被害状況の図化等を行う。 |
- (担当:自然保護局計画課)
- 海鳥類への影響調査
- 調査目的:海鳥への影響は広範囲に広がっているため、被害を受けた海鳥の種それぞれへの被害の程度を把握し、被害対策を検討するとともに、被害個体を分析することにより、同様の事故が生じた際の海鳥類の救護手法を確立させる。
調査内容及び手法 | : | 1) | 標本の識別、被害発生の地域的、時系列的整理を行い、必要に応じ補完調査を実施し、海鳥類各種への被害規模を推定する。 |
2) | 繁殖期の繁殖状況を調査する。 | ||
3) | 病理解剖等により被害個体を分析する。 |
- (担当:自然保護局鳥獣保護業務室)
- 流出油の成分の特定、環境動態の解明のための研究
- 流出油の化学組成の分析により、環境汚染の原因となる物質の特定を行うとともに、流出油の水圏、大気圏、生物圏における環境動態を把握するための研究を行う。
- (担当:国立環境研究所)
別添
┌――――――――――――――――――┐ ┌―┤水質・底質の油汚染状況の調査 | | | | ┌―――┐ | |◇詳細調査(汚染海域2地点) | | 環 | ┌―┐ | | | | 境 | |環| | |○概括的調査(8府県) | | 影 | |境| | └――――――――――――――――――┘ | 響 | |汚| | | の | |染| | ┌――――――――――――――――――┐ | 回 | |状| ├―┤魚介類中の重油含有成分等の調査 | | 復 | |況| | | | | 状 | |の├―┤ |◇詳細調査(汚染海域2地点) | | 況 | |概| | | | | の | |況| | |○概括的調査(8府県) | ┌――┐ | 追 | |把| | └――――――――――――――――――┘ | 環 | | 跡 | |握| | | | └―――┘ └―┘ | ┌――――――――――――――――――┐ | 境 | ├―┤油による大気汚染状況の調査 | | | | | | | 影 | | └――――――――――――――――――┘ | | | | 響 | | ┌――――――――――――――――――┐ | | └―┤◆油中の有害成分の特定、環境動態等に| | 評 | | 関する研究 | | | └――――――――――――――――――┘ | 価 | ┌―――┐ └――┘ | 復 | ┌――――――――――――――――――┐ | 元 | ┌―┐ ┌―┤景観及び海域・海浜生物への影響調査 | | ・ | |被| | | | | 修 | |害| | |◇緊急調査(海中公園地区等) | | 復 | |状| | | | | 対 | |況| | |○補完調査(その他自然保護上重要地区)| | 策 | |の├―┤ └――――――――――――――――――┘ | の | |概| | | 実 | |況| | ┌――――――――――――――――――┐ | 施 | |把| └―┤海鳥類への影響調査 | └―――┘ |握| | | └―┘ |◇海鳥の被害規模の推定 | | | |○繁殖地での影響調査 | └――――――――――――――――――┘注:◇は、平成8年度環境基本計画推進調査費(緊急分)環境庁要求分 ◆は、平成8年度科学技術振興調整費環境庁要求分
- 連絡先
- 環境庁水質保全局水質規制課
課長 畑野 浩 (内線6640)
補佐 志々目 友博 (内線6645)
牛谷 勝則 (内線6643)
環境庁企画調整局環境保健部環境安全課
課長 中島 正治 (内線6350)
補佐 牧谷 邦昭 (内線6357)
専門官 尾崎 福栄 (内線6355)
環境庁大気保全局大気規制課
課長 飯島 孝 (内線6530)
補佐 石飛 博之 (内線6537)
環境庁自然保護局計画課
課 長 鹿野 久男 (内線6430)
補 佐 上杉 哲郎 (内線6432)
環境庁自然保護局野生生物課鳥獣保護業務室
室 長 守口 典行 (内線6470)
補 佐 吉井 雅彦 (内線6471)
専門官 水谷 知生 (内線6472)