報道発表資料

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2001年01月31日
  • 自然環境

レッドデータブック<植物II>の完成・出版について

環境省では、植物を対象とするレッドデータブック(日本の絶滅のおそれのある野生生物の種についてそれらの生息状況等を取りまとめたもの)の作成を進めてきたが、このほど、植物II(維管束植物以外;蘚苔類、藻類、地衣類、菌類)のレッドデータブックが完成した。我が国で植物IIのレッドデータブックがまとまったのは初めてのことである。
 本レッドデータブックに掲載された絶滅のおそれのある種数(亜種・変種を含む)は、レッドリスト(絶滅のおそれのある種のリスト)公表以後の新たな知見により、329種となった(レッドリストでは327種)。
 本レッドデータブックは、(財)自然環境研究センターより出版される予定である。

1.レッドデータブック見直しの経緯

 レッドデータブックについては、動物については平成3年に環境庁によって、又植物については平成元年に日本自然保護協会等によって取りまとめられたところであるが、その後の種の生息・生育状況の変化等を踏まえ、環境庁として、全ての動植物の分類群について見直しを進めることとなった。
 見直し作業は、哺乳類、鳥類、維管束植物等の分類群毎に、まず、専門家による検討を踏まえてレッドリストを作成・公表し、次に、リストに掲載された個々の種についてその生息状況等の記述を加えたレッドデータブックを編纂する形で進めてきており、既にレッドリストの作成は全分類群で完了している。<別記参照>
 今般、植物II(維管束植物以外;蘚苔類、藻類、地衣類、菌類)について、レッドデータブックの編纂作業が完了したものである。


2.レッドデータブック<植物II>の概要

(1)記載内容
 絶滅のおそれのある種329種(絶滅危惧I類220、絶滅危惧II類109)及び絶滅・野生絶滅37種のそれぞれについて、以下のような内容を記載している。
  ○形態等:形態の特徴や生物学的特性を記載。一部の種についてカラー写真を掲載。
  ○分布概要等:生育分布域の概要、動向や現在の生育状況を記載。
  ○圧迫要因:種の存続を脅かす圧迫要因について記載。

(2)レッドリストからの変更状況
 レッドリストは平成9年8月に公表したが、今般のレッドデータブックの編纂に当たって、レッドリスト公表時以降に新たな知見が得られたものについてランクや和名などを若干修正した。
 この結果、植物IIの絶滅のおそれのある種数は、327から329となった。


3.レッドデータブック<植物II>の入手方法

 レッドデータブック<植物II>は、(財)自然環境研究センターより出版される予定。
 入手の連絡先は以下のとおり。

  財団法人 自然環境研究センター
〒110-8676東京都台東区下谷3-10-10 Tel03-5824-0951 Fax03-5824-0952
 (*A4判 432頁 3800円(税別)/冊)
 






<別記>レッドデータブック見直し状況

   <レッドリスト>  <レッドデータブック>
  【動物】    
  ○両生類、爬虫類       平成9年8月公表        平成12年2月出版
  ○哺乳類、鳥類  平成10年6月公表  平成12年度作成予定
  ○魚類  平成11年2月公表  平成13年度作成予定
  ○無脊椎動物  平成12年4月公表  平成13年度作成予定
  【植物】    
  ○維管束植物  平成9年8月公表  平成12年7月出版
  ○維管束植物以外  平成9年8月公表 今 回 出 版

 ※レッドリストは環境省ホームページ(https://www.env.go.jp/)で公開中。

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長:森 康二郎(6460)
 担当:植田・柳川(6465)