報道発表資料

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1999年11月26日

港湾審議会第170回計画部会について

運輸省において、平成11年11月26日(金)午後2時より、港湾審議会第170回計画部会が開催され、三池港をはじめとする5港湾の港湾計画の新規・改訂等について審議がなされた。当庁は、当該審議会の委員として、環境保全の観点から意見を述べた。
1.上程された港湾計画の概要

港 湾 名 種  別 港湾管理者 将来取扱貨物量
(目標年次)
主な計画内容
三池港 新  規 福岡県 350万トン
(平成20年代前半)
・水深10m岸壁2バースの整備
・水深7.5m岸壁1バースの整備
・危険物取扱施設用地の整備 (20ha)
・航路の拡幅・増深 (水深10m 幅72m)
・泊地の整備(水深10m 26ha)
・小型船だまりの整備(1箇所)
・親水空間の整備(海浜200m)
紋別港 改  訂 紋別市 100万トン
(平成20年代前半)
・水深10m岸壁1バースの整備 (耐震強化岸壁)
・外郭施設の整備
・小型船だまりの整備(2箇所)
・緑地の整備(1.4ha)
中津港 改  訂 大分県 540万トン
(平成20年代前半)
・水深12m岸壁1バースの整備
・水深11m岸壁1バースの整備
・水深8m岸壁1バースの整備
・水深7.5m岸壁1バースの整備
・航路の拡幅・増深 (水深12m 幅300m)
・泊地の拡張(43ha)
・臨海交通施設の位置づけ
・工業用地の位置づけ(225.2ha)
長崎港 改  訂 長崎県 540万トン
(平成20年代前半)
・水深12m岸壁2バースの整備
・水深10m岸壁1バースの整備
・水深7.5m岸壁2バースの整備
・危険物取扱施設用地の位置づけ(8.7ha)
・泊地の整備(6ha)
・小型船だまりの整備(3箇所)
・臨港交通施設の位置づけ
・緑地の整備(6.7ha)
北九州港 一部変更 北九州市
・土地利用計画の変更


2.環境庁意見

【三池港】

 周辺地域においては、現在、浮遊粒子状物質に係る大気環境基準が達成されていないことから、計画改訂に伴う浮遊粒子状物質影響について予測・評価を行い、所要の保全対策を検討すること。

【中津港】

 (1)  今回計画は、「瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく埋立ての基本方針」において、厳に埋立てを抑制すべきとされている瀬戸内海で埋立てを行うものであり、今回計画に伴い藻場、干潟の一部が消滅する。また、本港湾区域においては、渡り鳥の重要な渡来地である自見川河口周辺をはじめ、カブトガニ等の希少生物の生息が確認されている広大かつ重要な干潟が存在している。
 このため、港湾管理者におかれては、計画の具体化に当たり、今回計画地において改変される藻場に生育するコアマモの移植計画を具体的に検討するとともに、今回計画地周辺に生息・生育する生物に及ぼす影響について、引き続きモニタリング調査を実施し、必要に応じて学識経験者の指導・助言を得ながら、これら生物の生息・生育地の適切な保全対策を講じるよう努められたい。
 
 (2)  今回計画においては、土地利用計画として新たに225haに及ぶ工業用地が位置づけられることから、計画改訂に伴う浮遊粒子状物質及び二酸化硫黄に係る大気影響、工場騒音・振動影響並びに悪臭影響について予測・評価を行い、所要の保全対策を検討すること。
 
 また、周辺地域の道路交通騒音については、現状のみならず将来も環境基準の超過が見込まれることから、港湾管理者におかれては、関係機関と協力しつつ、港湾関連用地の整備等による物流ターミナルの機能の充実及び港湾関連車両走行の適正化等の対策を推進すること。

【長崎港】

 周辺地域の浮遊粒子状物質濃度は、現在、環境基準の上限値に近い水準にあり、かつ、窒素酸化物に係る予測結果から、将来、浮遊粒子状物質の発生・生成原因物質についても排出量の増大が懸念される。このため、計画改訂に伴う浮遊粒子状物質影響について予測・評価を行い、所要の保全対策を検討すること。

 さらに、周辺地域の二酸化窒素濃度は、将来とも環境基準の上限値に近い水準にあり、かつ、道路交通騒音については、将来とも環境基準の超過が見込まれることから、港湾管理者におかれては、停泊中船舶に対する陸上からの電源供給及び十分な広さの貨物ストックヤードを備えた物流ターミナルの適正な整備等の対策を推進すること。

【紋別港】【北九州港】

 意見なし

連絡先
環境庁企画調整局環境影響審査室
室  長 :小林 正明(6231)
 審査官 :水谷 泰史(6236)