報道発表資料
環境庁では、子供の遊び場における土壌中ダイオキシン類濃度の実態及び子供の
遊び場の利用状況等を明らかにすることを目的として、全国 354 地点において調査
を実施したところであり、今般、ダイオキシン類濃度の調査結果を速報として取り
まとめた。
全地点の平均値は 1.1 pg-TEQ/g(最小0pg-TEQ/g~最大 54 pg-TEQ/g)であった。
今後、環境庁では、現在取りまとめを行っている子供の遊び場の利用状況等調査の 結果と併せて、子供の遊び場のダイオキシン類の実態について詳細に解析することに している。
全地点の平均値は 1.1 pg-TEQ/g(最小0pg-TEQ/g~最大 54 pg-TEQ/g)であった。
今後、環境庁では、現在取りまとめを行っている子供の遊び場の利用状況等調査の 結果と併せて、子供の遊び場のダイオキシン類の実態について詳細に解析することに している。
※ | ここでは、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(以下「PCDD」という。)、 ポリ塩化ジベンゾフラン(以下「PCDF」という。)及びコプラナーポリ塩化 ビフェニル(以下「Co-PCB」という。)を「ダイオキシン類」という |
1 調査内容
(1) | 概要 |
環境庁では、子供の遊び場における土壌中ダイオキシン類濃度の実態及び子供の遊び場の利用状況等を把握するため、平成11年度「子供の遊び場」の土壌中ダイオキシン類実態調査を実施した。 |
(2) | 調査の対象とした子供の遊び場 |
街区公園(児童公園)、児童遊園、保育所、幼稚園などの中で、通常概ね5人以上の0~6歳の子供 が土(砂)遊びをしている場所を対象とした。 |
(3) | 調査地点 |
47 都道府県及び 12 政令指定都市において、「平成 10 年度ダイオキシン類緊急 全国一斉調査」と同様の区分により、発生源周辺、大都市及び中小都市から各2地点 ずつ子供の遊び場を選定した。(全国 354 地点) |
(4) | 調査時期 |
平成 11 年9~ 10月(試料採取) |
(5) | 調査方法 |
1) | 試料の採取 |
「ダイオキシン類に係る土壌調査暫定マニュアル」に従い、子供が実際に遊んでいる場所(砂場等)において、5地点混合法に準じて行った。 |
2) | 試料の分析 |
「ダイオキシン類に係る土壌調査暫定マニュアル」に従い、前処理、分析を 行った。 |
(6) | 調査対象物質、毒性等量換算方法及び定量下限値 |
1) | 調査対象物質 ダイオキシン類を調査対象とした。 |
2) | 毒性等量換算方法 |
ダイオキシン類の分析結果については、1998 年に WHO が発表した毒性等価係数 (TEF)を換算係数として用いて毒性等量(以下「 TEQ 」という。)に換算して表示 した。以下、調査結果において、ダイオキシン類の濃度表示はすべて TEQ 換算 した数値である。 なお、換算に当たっては、定量下限値未満の数値を0として扱った。 |
3) | 定量下限値 定量下限値については、以下のとおり。 |
ダイオキシン類
|
||||
PCDD及びPCDF
|
Co-PCB | |||
4、5塩素化物
|
6、7塩素化物
|
8塩素化物
|
||
定量下限値 (pg/g) |
1 | 2 | 5 | 2 |
2 調査結果(速報値)
354 地点における調査結果は、以下のとおり。
地 域 区 分
|
土壌中濃度(pg-TEQ/g)
|
|||
PCDD+PCDF
|
PCDD+PCDF+Co-PCB
|
|||
発生源周辺地域
n=118 |
平均 |
1.0 ( 2.8)
|
1.0 ( 3.0)
|
|
最小 |
0 ( 2.0)
|
0 ( 2.1)
|
||
最大 |
45 (45 )
|
49 (49 )
|
||
大都市地域
n=118 |
平均 |
0.82 ( 2.7)
|
0.93 ( 2.9)
|
|
最小 |
0 ( 2.0)
|
0.00068( 2.1)
|
||
最大 |
28 (28 )
|
28 (28 )
|
||
中小都市地域
n=118 |
平均 |
1.3 ( 3.2)
|
1.3 ( 3.3)
|
|
最小 |
0 ( 2.0)
|
0.00033( 2.1)
|
||
最大 |
53 (54 )
|
54 (55 )
|
||
全 地 点
n=354 |
平均 |
1.0 ( 2.9)
|
1.1 ( 3.1)
|
|
最小 |
0 ( 2.0)
|
0 ( 2.1)
|
||
最大 |
53 (54 )
|
54 (55 )
|
(注1) | この調査結果は速報値であり、今後、若干変動する可能性がある。 |
(注2) | ( )内は、定量下限値未満の数値を定量下限値の1/2としてTEQ 換算した結果を参考として併記したものである。 |
全地点の平均値は 1.1 pg-TEQ/g(最小0pg-TEQ/g~最大 54 pg-TEQ/g)であり、 「平成 10 年度ダイオキシン類緊急全国一斉調査」における全国 286 地点の 平均値 6.5 pg-TEQ/g 及び最大値 61 pg-TEQ/g をそれぞれ下回った。 調査結果の分布では、ダイオキシン類濃度が 1.0 pg-TEQ/g 未満の地点が 308 地点 と、全体の 87 %であった。
3 今後の予定
(1) | データの確定 |
現在得られている速報値について、分析精度の検討やクロスチェック等を実施し、年度内に数値を確定することとしている。 |
(2) | 子供の遊び場の利用状況等調査結果取りまとめ |
保護者等を対象として実施した子供の遊び場の利用状況等に関するアンケート結果を取りまとめるとともに、実態調査結果とあわせて詳細に解析することとしている。 |
- 連絡先
- 環境庁水質保全局土壌農薬課
課 長 :西尾 健(内線6650)
補 佐 :藤倉まなみ(内線6652
主 査 :九澤 和英(内線6653)
環境庁水質保全局土壌農薬課
課 長 :西尾 健(内線6650)
補 佐 :藤倉まなみ(内線6652
主 査 :九澤 和英(内線6653)