報道発表資料
平成9年11月に環境庁企画調整局に設置された「21世紀に向けた環境ラベルの在り方に関する検討会」(座長:後藤典弘国立環境研究所社会システム部長)は、環境保全型製品に
おいて提供されるべき環境情報の在り方について検討を行い、中間とりまとめを行った。中間とりまとめに盛り込まれている具体的な提言は、以下のとおりである。
{1} | 現行のエコマーク制度は、シンボルマークに全ての情報が集約されていることから、商品に関する情報提供が十分ではないという制約がある。これを解決するためには、エ
コマークの認定基準として環境情報データシート(下記参照)の公開を求めるなど、エコマーク制度に環境情報データシートを盛り込むことが必要。 その際、例えば、ある製品についてプロトタイプとして先行的に環境情報データシートを盛り込むことを試行し、消費者や製造事業者等の関係者の意見を聞きながら、制度の定着を図っていくことも重要。 |
{2} | また、このような新しいエコマークは、海外諸国の環境ラベルとの間で相互認証を早期に推進することも必要。 |
{3} | 特定の製品について製造事業者等が環境保全型であることを自己主張する場合については、ISOにおける環境自己主張に関する国際規格の検討を踏まえ、透明性や信頼性の高い仕組みを検討することが必要。 また、環境自己主張において環境情報データシートの公表を実行していくことが必要であり、そのための仕組みを今後検討することも重要。 |
{4} | さらに、環境保全型製品にとどまらず、環境に相当程度の負荷を与えるような製品についても、消費者や製造事業者等関係者の意見が適切に反映され、透明性、信頼性の高い形で環境情報を提供する仕組みについて、今後検討することが望まれる。 |
中間とりまとめの概要は以下のとおりである。
1.環境ラベルをめぐる現状
(1) | 環境保全型製品の利用の促進 環境情報の提供手段として、(財)日本環境協会が実施しているエコマークに代表される環境ラベルや、企業等による環境広告(環境自己主張)などがある。 特に、エコラベル制度については、既に国の環境政策の重要な手段として位置づけられ、環境基本法に基づき閣議決定された「環境基本計画」(平成6年12月) を踏まえ、環境庁においてエコマーク制度への指導・助言が行われている。 |
(2) | ISOにおける環境ラベルの国際標準化の動き ISOでは、環境ラベルに関する一般原則について国際規格の制定の検討が行われるとともに、環境ラベルをタイプ1(第三者が一定の基準に基づいて製品を認定するラベル)、 タイプ2(製品・サービスの環境側面に関する広告、表示等の自己主張)、タイプ3(数量化された環境情報表示環境ラベル)の3つのタイプに分けて議論が行われている。 タイプ1及びタイプ2については、今年中にも国際規格化する予定であるが、タイプ3については、本年6月に開催されるISO/TC207総会で、国際規格化するためのWD(Working Draft)を作成するか、国際規格化を一旦停止し、テクニカル・レポートとするかが決定される予定である。 |
(3) | 第三者認証ラベルについての国際的連携 世界のエコラベルの実施機関がデータベースの整備、情報交換、国際機関や社会へのアピール、エコラベル基準の国際的調和に向けた検討等を行うために、1994年11月にGEN- 世界エコラベリングネットワーク-が結成された。 |
(4) | 環境保全型製品に関するその他の動き {1} グリーン購入ネットワーク {2} 物品等の環境負荷の少ない仕様、材質等に関する推奨リスト |
2.環境保全型製品における環境情報表示の在り方
(1) | 総合的かつ信頼性の高い環境情報の提供の必要性 | ||||||||||||
(2) |
環境保全型製品における望ましい環境情報提供の在り方
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【環境情報データシート】
1)製品を構成する主要原材料及び部材等に関する情報
{1} |
必ず提供すべき情報
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{2} |
可能な範囲(正確な情報の収集が可能であった場合)で提供すべき情報
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2)製品の基本仕様及びパフォーマンス等に関する情報
{1} |
必ず提供すべき情報
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3)製品の製造に関する情報
{1} |
必ず提供すべき情報
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{2} |
可能な範囲で提供すべき情報
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4)その他提供が望ましい環境に関連する情報
- 当該製品の製造事業所が、環境活動評価プログラムに参加もしくはISO14001の認証を取得している場合など、適切な環境マネジメントを構築 している場合は、その旨を記述する。
- 当該製品がエコマーク、ブルーエンジェル等環境ラベル、エナジースターなど環境に関連するマークなどを取得している場合は、その旨を記述する。
- 当該製品の製造事業所等(本社を含む)が環境報告書等を作成、公表している場合は、その旨を記述する。
3.提言
◆現行のエコマーク制度は、シンボルマークに全ての情報が集約されていることから、 商品に関する情報提供が十分ではないという制約がある。これを解決するためには、エコマークの認定基準として環境情報データシート(下記参照)の公開を求めるなど、エコマーク制度に環境情報データシートを盛り込むことが必要。その際、例えば、ある製品についてプロトタイプとして先行的に環境情報データシートを盛り込むことを試行し、消費者や製造事業者等の関係者の意見を聞きながら、制度の定
着を図っていくことも重要。
◆また、このような新しいエコマークは、海外諸国の環境ラベルとの間で相互認証を早期に推進することも必要。
◆特定の製品について製造事業者等が環境保全型であることを自己主張する場合につい ては、ISOにおける環境自己主張に関する国際規格の検討を踏まえ、透明性や信頼性の高い仕組みを検討することが必要。また、環境自己主張において環境情報データシートの公表を実行していくことが必要
であり、そのための仕組みを今後検討することも重要。
◆さらに、環境保全型製品にとどまらず、環境に相当程度の負荷を与えるような製品についても、消費者や製造事業者等関係者の意見が適切に反映され、透明性、信頼性の高い
形で環境情報を提供する仕組みについて、今後検討することが望まれる。
添付資料
- 連絡先
- 環境庁企画調整局企画調整課環境保全活動推進室
室 長 :伊藤哲夫(6198)
室長補佐 :唐木徳子(6263)
担 当 :荒川幸一(6267)