報道発表資料
1.地 点
【電源開発地点一覧】
発電所名 | 開発予定地 | 事 業 者 | 最大出力(kW) | 備考 |
---|---|---|---|---|
木曽中央水力発電所 | 長野県 | 中部電力(株) | 1,800,000 | 水力 |
奥津第二発電所 | 岡山県 | 中国電力(株) | 15,200 | 水力 |
新丸田発電所 | 大分県 | 九州電力(株) | 1,700 | 水力 |
新須崎発電所 | 大分県 | 九州電力(株) | 1,300 | 水力 |
豊玉発電所5号機 | 長崎県 | 九州電力(株) | 10,000 | 火力 |
合 計 (5地点) | 1,828,200 |
2.第138回電源開発調整審議会等における当庁発言の内容
【木曽中央水力発電所】
〈審議会意見〉
長野県木曽郡大桑村及び王滝村に中部電力株式会社が計画する木曽中央水力発電所の立地計画地及びその周辺地域には、絶滅のおそれのあるクマタカ、キョウマルシャクナゲが生息・生育するなど優れた自然環境が存在することから、これら貴重な野生生物及びその生息環境の適切な保全を図るよう、通商産業省におかれては、事業者を適切に指導されたい。
〈幹事会意見〉
1.本立地計画地周辺には、希少な猛禽類のクマタカが生息していることから、営巣等生息に極力影響が生じないよう、通商産業省におかれては、次の意見を踏まえ事業者を適切に指導されたい。
(1)クマタカの営巣等生息に極力影響が生じないよう工事工程等に十分な配慮を行うこと。
(2)工事開始まで工事実施区域におけるクマタカの生息状況に関する調査を継続して行い、モニタリング計画を策定した上で、工事中のモニタリングを確実に行い、その結果を猛禽類に詳しい専門家に報告し、関係行政機関に協議した上、保全対策を検討すること。
なお、上記の調査の結果、改変区域近傍において新たに営巣が確認された場合には、猛禽類に詳しい専門家の見解を得、関係行政機関と調整の上、保全対策を見直すなど適切な対策を講じること。
2.本事業は、絶滅のおそれのあるキョウマルシャクナゲの立地計画地及びその周辺地域における生育地の相当部分を水没させる等、本地域における当該種の生育状況を大きく変えるものであることから、事業の実施にあたっては、当該種にかかる移植技術に関する調査、検討を十分に行ったうえで、支障木のうち移植可能なものが極力活着するよう移植を行うとともに、関係行政機関と調整の上、専門家の意見を聴取し、移植先及びダム湖周辺で確認されている生育地も含めたキョウマルシャクナゲの適切な保全対策を講じるよう、通商産業省におかれては、事業者を適切に指導されたい。
3.本立地計画地は、ヒノキの自然林や阿寺渓谷など自然環境の優れた地域に位置することから、事業の実施に当たっては、立地計画地周辺の自然環境の保全に配慮し、十分な対策を講じるよう、通商産業省におかれては、事業者を適切に指導されたい。
4.工事の実施による濁水の流出を防止するため、濁水処理施設の設置等の適切な対策を講じるとともに、水質監視に万全を期するよう、通商産業省におかれては、事業者を適切に指導されたい。
5.調整池の水質管理に関し、通商産業省におかれては、次の意見を踏まえ事業者を適切に指導されたい。
(1)濁りの長期化を防止するため、関係行政機関と調整の上、適正なダム管理を実施すること。
(2)適切な水質監視を行い、水質保全に万全を期すこと。
【奥津第2水力発電所】
〈幹事会意見〉
本立地計画地周辺には、希少な猛禽類のクマタカ等が生息していることから、通商産業省におかれては、次の意見を踏まえ事業者を適切に指導されたい。
(1)発破工事等の工事の工程や方法に配慮し、営巣等の生息に極力影響が生じないようにすること。
(2)工事中のモニタリングを確実に行い、繁殖活動の中断など生息状況に大きな変化が生じた場合には、猛禽類に詳しい専門家及び関係行政機関に報告し保全対策を見直すなど、適切な対策を講じること。
○新丸田発電所、新須崎発電所及び豊玉発電所5号機については意見なし。
<参考>
電源開発調整審議会について
[設置根拠]電源開発促進法(昭和27年7月31日法律第283号)
(抜粋)第8条(設置)総理府に、電源開発調整審議会(以下「審議会」という。)
を置く。
第10条(組織)審議会は、会長及び委員16人をもって組織する。
2 会長は、内閣総理大臣をもって充てる。
3 委員は、左に掲げる者をもって充てる。
一~六 (略)
七 環境庁長官
八~九 (略)
- 連絡先
- 環境庁企画調整局環境影響評価課環境影響審査室
室 長 :小林 正明(内6231)
審査官 :瀧口 博明(内6233)
担 当 :諸熊 武史(内6233)