報道発表資料

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1997年12月08日

第21回世界遺産委員会におけるわが国の世界自然遺産地域(白神山地及び屋久島)の保全状況報告及び第22回世界遺産委員会の京都開催の決定について

12月1日から6日までイタリア・ナポリにおいて開催されていた第21回世界遺産委員会において、白神山地及び屋久島世界自然遺産地域の保全状況が報告され、登録後の管理体制の強化の進捗に高い評価を得た。また、次回の世界遺産委員会が、来年我が国の京都において開催されることが決定した。
1 経 緯


 1993年の第17回世界遺産委員会において白神山地と屋久島が世界遺産に登録された際に、登録後の管理状況についてのモニタリング調査を、登録の概ね3年後に実施することが確認された。このため、本年10月に、世界遺産委員会から委託を受けた国際自然保護連合(IUCN)の専門家2名が我が国に派遣され、保全・管理の状況についての調査が行われたが、この結果について、今回の委員会で報告があったもの。

2 結果の概要

(1)

11月28日、世界遺産委員会に先立って行われたビューロー会合(※1)において、遺産委員会事務局及びIUCNから今回の保全状況調査結果(※2)について、口頭で報告が行われた。その概要は次のとおり。

  1. 本年10月に日本で保全状況調査を行ったIUCN調査団の報告案によれば、世界遺産登録後の当該地域の管理には大きな進展があり、保護の強化や関係機関の連携が図られ管理計画も策定された等、きわめて高い評価がなされている。登山道の改修の必要性など些細な提案事項はあるものの、当委員会で審議されるべき特段の勧告案件はない。
  2. ビューロー会合では特段の質疑応答はなく、我が国から、今後とも、遺産地域の保全管理の推進に努力を続けていく所存である旨発言を行い、審議は終了した。
    ※1 遺産委員会のメンバーの中から選出された議長、書記及び5つの副議長国から構成され、事前の審議や提案を行うグループ会合。
    ※2 IUCNから遺産委員会事務局へは、(案)の段階の報告書が提出された。
(2) 世界遺産委員会では、事務局文書の中にこのビューロー会合の結果を踏まえた保全状況報告が含められ、会議においてそれが記録に留められること(note)を確認し、特段の質疑応答はなく採択された。事務局報告の主文は次のとおり。
「ビューロー会合は、白神山地及び屋久島の2つの自然遺産地域が1993年に記載されてからその管理が強化されたことに対し、日本の関係当局に感謝(congratulate)するとともに、IUCNの報告書に盛り込まれるであろう提案の具体化を検討することを奨励(encourage)した。」
(3) IUCNの報告書については、原案が我が国に示され、その内容を調整しているところであるが、最終的に確定した段階で公表することとしている。

3 第22回世界遺産委員会について


 次回の世界遺産委員会については、かねてより我が国が開催を誘致していたところであるが、来年の11月30日から12月5日まで京都で開催することが決定した。

連絡先
環境庁自然保護局計画課
課 長 :鹿 野 久 男(内線6430)
 補 佐 :上 杉 哲 郎(内線6432)

林野庁

文化庁