報道発表資料

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1998年06月30日

鳥島の新営巣地におけるアホウドリの巣立ち成功について

環境庁では、アホウドリ保護増殖事業の一環として、デコイ(模型)等によるア ホウドリの新営巣地(鳥島初寝崎)への誘致事業等を実施しているところである。
今般、誘致事業により新営巣地に引き寄せられたつがいの雛1羽が、6月2日に 無事巣立ちを行ったことが確認された。新営巣地における雛の巣立ちは、平成8年 6月以来2年ぶり2度目である。

1.アホウドリの保護増殖事業

  環境庁では、伊豆諸島の鳥島におけるアホウドリの安定的な生息・繁殖数を確保するため、アホウドリ保護増殖事業を実施している。主な事業内容は次のとおり。

  1. 土砂の流入等により不安定な既存営巣地(鳥島燕崎)の維持・改善事業
  2. 比較的安全な営巣適地(鳥島初寝崎)へ若いアホウドリを引き寄せ新しい営巣地を形成させるための、アホウドリのデコイ(模型)と音声による誘致事業

なお、2.については、平成4年度から(財)山階鳥類研究所に委託し実施してきたところである。(平成10年度は東京都を通じ山階鳥研に委託)

2.新営巣地(初寝崎)における巣立ち

新営巣地(初寝崎)への誘致事業のこれまでの成果と今回の巣立ちの経緯は次のとおり。

  • 平成7~8年の繁殖期には1つがいが産卵し、8年6月、初めての雛が巣立ち
  • 平成8~9年の繁殖期には2つがいが産卵したが、孵化せず
  • 今回(平成9~10年)の繁殖期には以下のとおり1つがいが産卵し、雛1羽 が巣立ち
    平成9年11月上旬 産卵
    平成10年1月中旬 孵化
    平成10年6月2日 巣立ち (繁殖成功)

今後は、初寝崎において、複数つがいが継続的に繁殖し、複数の雛が安定的に巣立つことが期待される。

連絡先
環境庁自然保護局野生生物課
課 長 :森 康二郎(6460)
 担 当 :植田、長田(6465)