報道発表資料

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1999年06月25日

ダイオキシン排出抑制対策検討会第二次報告について

平成10年9月より、ダイオキシン排出抑制対策検討会においてダイオキシン類に係る必要な排出抑制対策の推進方策について検討を行ってきたところであるが、今般、本検討会第二次報告として、排出インベントリーを整備するとともに、今後の排出削減対策のあり方についてとりまとめた。

ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)の整備
   平成11年3月30日にダイオキシン対策関係閣僚会議でとりまとめられた「ダイオキシン対策推進基本指針」において、排出インベントリーを本年6月までに整備することとされたことから、平成9年5月の本検討会報告以降の知見の蓄積を踏まえて、排出インベントリーを整備した。
 その結果、平成9年の我が国のダイオキシン類の年間排出量は6,330~6,370g-TEQ、平成10年は2,900~2,940g-TEQと推定された。
今後の排出削減対策の推進方策
   以下の事項について、今後の推進方策をとりまとめた。
・ダイオキシン類等の排出削減の徹底と削減状況の的確な把握の実施
・未規制の発生源に係る排出削減対策の推進
・コプラナーPCBに係る科学的知見の集積と排出削減対策の推進
・測定の信頼性の向上

1.ダイオキシン類の排出インベントリーについて

(1) ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)

 平成9年5月の本検討会報告では、我が国におけるダイオキシン類の年間排出量は、約5,100~5,300g-TEQと見積もったところであるが、平成11年3月30日にダイオキシン対策関係閣僚会議でとりまとめられた「ダイオキシン対策推進基本指針」において排出インベントリーを本年6月までに整備することとされていることを踏まえ、平成9年5月の本検討会報告以降の知見の蓄積を踏まえて、排出インベントリーを整備した。
 大気汚染防止法及び廃棄物処理法に基づき、平成9年12月以降、廃棄物焼却施設等については新設の施設からの排ガス濃度について基準が適用されており、既設の施設についても平成10年12月から基準が適用されたところである。また、廃棄物処理法に基づき、平成9年12月から、廃棄物焼却施設に対してはダイオキシン類の測定義務が課せられており、この時期以降は規制の準備のための対策が講じられはじめたとみることができる。
 今回のインベントリーの作成に当たっては、大気汚染防止法や廃棄物処理法による規制が適用される前の状況として、平成9年の排出インベントリーを作成することとした。
 また、規制が適用された初年に当たる平成10年における排出インベントリーをあわせて作成した。
 その結果、平成9年の我が国のダイオキシン類の年間排出量は6,330~6,370g-TEQ、平成10年は2,900~2,940g-TEQと推定された。(表参照)

(2) 対象発生源について

 今回、整備したダイオキシン類の排出インベントリーの作成において、排出量の推計に当たっては、ダイオキシン類が発生しやすいと考えられる条件に該当する工程を有し、諸外国の現状や文献等を参考として、国内で実施された排出実態調査の結果などから排出量の推計が可能な発生源について、現時点での環境への排出量をとりまとめた。また、ダイオキシン類の排出インベントリーについては、ダイオキシン類の環境中への新たな排出を抑制するための発生源対策の基礎資料であることから、フローとして環境中へ新たに排出されているものを対象としている。
 なお、水への排出については、これらのうち排出実態調査を行った結果から環境への排出量をとりまとめた。

2.今後の排出削減対策のあり方

(1) ダイオキシン類等の排出削減の徹底と削減状況の的確な把握

 ダイオキシン類の大気中への排出削減のため、大気汚染防止法や廃棄物処理法に基づく廃棄物焼却炉、製鋼用電気炉について現行規制の徹底を図ることが重要である。
 また、今後ともダイオキシン類の排出量の削減状況を把握するよう努めるとともに、これらの知見の充実を踏まえ、毎年、排出インベントリーを更新することが必要である。

(2) 未規制の発生源の対策

 今回作成した排出インベントリーにおいて廃棄物焼却炉、製鋼用電気炉以外の未規制の施設について、小型の廃棄物焼却炉や、産業系発生源では鉄鋼業焼結工程、亜鉛回収業、アルミニウム合金製造業のように他の多くの発生源と比較してダイオキシン類の排出量が相対的に大きい施設があることから、これらについて排出削減対策を推進することが必要である。
 また、最新の科学的知見の集積や排出実態調査の結果を踏まえ、排水に係るダイオキシン類の排出削減対策を検討することが必要である。

(3) コプラナーPCB対策

 コプラナーPCBについて、排出実態に係る知見を集積し、排出インベントリーを整備するとともに、ダイオキシン類とあわせて排出削減対策を進めることが必要である。

(4) 測定の信頼性の向上

 正確な測定を確保するため、測定機関の内部での精度管理に加えて、外部精度管理を含めた制度の構築に向けた検討が必要である。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局大気規制課
課長 飯島  孝 (内6530)
 補佐 柳橋 泰生 (内6532)
 補佐 佐々木裕介(内6547)

環境庁水質保全局水質規制課
課長 畑野  浩 (内6640)
 補佐 西嶋 英樹(内6643)
 

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