報道発表資料

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1999年03月03日

第6回エコアジア長期展望プロジェクト国際ワークショップの開催について

環境庁は、本年3月10日(水)及び11日(木)の2日間、東京において、エコアジア長期展望プロジェクトの第2フェーズの進捗状況等について、国際的な検討を進めるため、関係主要国や国際機関の担当者等からなる国際ワークショップを開催する。

1.経緯

1)

エコアジア長期展望プロジェクトについて
  環境庁は、1993年以来、アジア・太平洋環境会議(エコ・アジア :アジア太平洋地域 の非公式環境大臣会合)のプログラムの一つとして、「アジア・太平洋地域における環境 と開発に関する長期展望」プロジェクト(エコアジア長期展望プロジェクト)を実施してき ている。本プロジェクトは、アジア・太平洋地域の政策決定者に対し、本地域の持続可能 な開発の実現に向けての政策決定に必要とされる科学的根拠を与えることをねらいとして いる。
  フェーズ1(1993~97年)は、本地域の環境状況の将来予測(2025年)を行うとともに 、今後のアジア・太平洋地域における持続可能な開発を目指した取り組みは、以下の4つ のコンセプト(参考1)を基本とすべきであるとの提言を行った。

  • エコ・コンシャスネス(アジア太平洋地域の環境意識)
  • エコ・パートナーシップ(環境パートナーシップ)
  • エコ・テクノロジー/エコ・インベスティメント(環境技術/環境投資)
  • エコ・ポリシーリンケージ(環境政策の連携)

 フェーズ1の報告書は、1997年3月にまとめられ、同年4月の国連持続可能な開発委員会 (CSD)第5回会合及び6月の国連環境開発特別総会(UNGASS)において発表されたところである。
  フェーズ2(1998~2001年)は、以下を目的に検討に着手したところであり、2001年の エコアジアに最終報告書を提出する予定である。

  • アジア太平洋地域ので持続可能な開発を促進する環境政策のオプションを、社会経済状 況を踏まえて明らかにし、様々な開発シナリオから浮上する環境問題を明示する。
  • エコ・アジアが、2002年のリオ+10に貢献できるよう、具体的な検討作業を行い、エコ アジアに必要な情報を提供する。
  • このプロジェクトの実行を通じて、参加各国の人的能力及び組織の能力を高める。
2) 国際ワークショップの開催
  環境庁は、エコアジア長期展望プロジェクトの検討・推進に当たり、国内外の専門家の 協力・助言を受けることはもとより、アジア太平洋地域内各国及び関係国際機関の専門家 ・担当者の参加の下に幅広い対話を行いながら、取り組んできたところである。
  本ワークショップは、このような目的の下におおむね毎年1回開催され、これまでに5回の会合が重ねられている。

2.第6回国際ワークショップの概要
  第6回目にあたる今回のワークショップは、第2フェーズにおいては初めてのワークショ ップであり、その概要は以下のとおり。

1)主催 環境庁
2)日程 平成11年3月10日(水)~11日(木)
3)場所 ホテル・ニューオータニ
東京都千代田区紀尾井町4-1(電話:03-3265-1111)
4)討議概要
(1) 第2フェーズの作業計画の下に進められている検討状況についての討議
  最近のアジア地域等における経済状況の変化を踏まえた、将来環境予測の見直しの結果 、及び、フェーズ1で提案された4つのコンセプトごとの検討状況を報告し、参加者によ る討議を行う。
(2) 第2フェーズの今後の進め方についての討議
  2001年のエコアジアにおける、持続可能な開発に向けた長期的政策の提言を目指した「 エコアジア長期展望」の策定、更には、地球サミットから10年目にあたる2002年(リオ +10)へのアジア太平洋地域からの発信を目指し、今般、本プロジェクトをどのように 進めるかについて検討・討議を行う。
5)参加者(予定)
(1) アジア太平洋地域各国からの参加者12ヶ国13名 バングラデシュ、カンボジア、中国、フィジー、インド、インドネシア、 韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ
(2) 関係国際機関9機関 アジア開発銀行(ADB)、国連アジア・太平洋経済社会委員会(ESCAP)、東西 センター(EWC)、地球環境戦略研究機関(IGES)、国際熱帯木材機関(ITTO )、南太平洋地域環境計画(SPREP)、国連地域開発センター(UNCRD)、国連 環境計画アジア太平洋地域事務所(UNEP/ROAP)、国連大学(UNU)
(3) 日本からの参加者約10名 環境庁、国内専門家等 6)スケジュール参考2を参照 7)使用言語英語(通訳なし)

3.取材等について
 取材は原則自由ですが、会議の円滑な運営を図るため、以下の点をお守りいただくよう お願いします。

(1) 座席確保の都合上、3月8日(月)までに担当(辻脇:内線6755)まで登録して 下さい。
(2) 記者会見は特に予定しておりませんので適宜取材して下さい。ただし、ビデオ ・写真の撮影は、会議の支障とならないよう冒頭のみとして下さい。
(3) レセプション(3月10日(水)18:00より)は自由にご参加下さい。

(参考1)     4つのエココンセプトの概略

  • アジア太平洋地域の環境意識(エコ・コンシャスネス) 本地域は多様であり一見したところ価値観、行動、伝統様式等も多様であるが、共通の 、環境にやさしい価値観、伝統、生活様式、意思決定等(アジア太平洋地域の環境意識) が見られる。持続可能な開発の実現には、こうした環境意識を再発見し、お互いに尊重す ることが重要である。
  • 環境パートナーシップ(エコ・パートナーシップ) 本地域は、産業経済面で密接な関係を保ちつつ成長を続けており、多様であると同時に 多くの共通点を持つ。この特徴を活かし、政府、企業、NGO、地方自治体等のセクター間 の国境を越えたパートナーシップを促進することが重要である。
  • 環境技術及び環境投資(エコ・テクノロジー、エコ・インベスティメント) 経済成長期は、設備投資や技術導入の好機であり、環境産業の現地化、公共交通インフ ラ等の整備、省エネ投資の推進など、積極的な環境投資や環境保全技術の導入促進により 、経済成長と環境を両立させることが重要である。
  • 環境政策の連携(エコ・ポリシーリンケージ) 地球規模問題の解決と国内環境問題の解決には密接な関係があり、例えば二酸化炭素排 出削減策が地域大気汚染対策にも資するように、国内政策において両者の政策統合をする ことが重要である。

(参考2)      スケジュール(予定)

 3月10日(水)
  10:00  開会
      議長の選出など
  11:00  各研究プロジェクトからの報告(I)
  12:00  昼食
  13:30  各研究プロジェクトからの報告(II)
  16:50  総括討議(I)
  18:00  歓迎レセプション

 3月11日(木)
  10:00  総括討議(II)
  12:30  昼食
  14:00  総括討議(III)
  17:00  終了

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部企画課
課長   柳下 正治(6731)
 調査官  薄木 三生(6748)
 係長   永山  透 (6755)

環境庁企画調整局地球環境部環境協力室
室長補佐 大村  卓 (6744)