報道発表資料

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1999年03月31日

「地球温暖化対策の推進に関する法律の施行期日を定める政令」及び「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」の閣議決定について

昨年10月9日に公布された「地球温暖化対策の推進に関する法律」に関し、4 月2日(金)に、同法の施行期日を定める政令及び同法施行令が閣議決定される予定 である。これにより同法の施行に係る準備が整い、同法は本年4月8日(木)から 施行されることとなる。                            ※なお、条文については、追って配布いたします。
(1)温室効果ガス
 {1}

ハイドロフルオロカーボンの種類(法第2条第3項第4号関係)
  法は、気候変動枠組条約第3回締約国会議(京都会議)等の経緯を踏まえ制定されたも のであり、その対象の範囲となる温室効果ガスは、京都会議で策定された「京都議定書」 と共通のものである必要がある。
  京都議定書では、第5条第3項において、気候変動に関する政府間パネル(IPCC) が承認し、締約国会議が第3回会合において合意した地球温暖化係数(後述)を用いるこ ととされている。さらに、京都会議の決議において、地球温暖化係数は、IPCCの第2 次評価報告書(1995)によるものとすることが決定されている。
 これを受け、IPCC報告書に記載されている、以下の13物質を「ハイドロフルオロ カーボン」として規定する。

HFC-23, HFC-32, HFC-41, HFC-125, HFC-134, HFC-134a, HFC-143,
HFC-143a,HFC-152a, HFC-227ea, HFC-236fa, HFC-245ca、HFC-43-10mee

(参考)これらの物質の用途等
 オゾン層破壊物質(フロン)の製造禁止に伴い、その代替物質として近年使用量が増加 している物質であり、エアゾール製品、エアコンや冷蔵庫用の冷媒等に使用されている。

 {2}

パーフルオロカーボンの種類(法第2条第3項第5号関係)
 (1)の考え方に基づき、IPCCの報告書に記載されている以下の7物質を「パーフルオロカーボン」として規定する。

PFC-14, PFC-116, PFC-218, PFC-31-10, PFC-c318, PFC-41-12,
PFC-51-14

(参考)これらの物質の用途等

  化学的に極めて安定であることから、電子部品等精密機器の洗浄や半導体の製造工程等 に広く使用されている。

(2)温室効果ガスの排出量の算定方法(法第2条第5項関係)
 

 気候変動枠組条約の締約国は、条約の規定に基づき、温室効果ガスの排出量等の情報を定期的に条約事務局に送付することとされており、我が国においても、これまで毎年我が 国の温室効果ガスの排出量の算定を行い、条約事務局に通報を行ってきている。
 本政令では、この、従来用いている算定方法を基本として、法第2条第5項に規定する「温室効果ガスの排出量の算定の方法」を定める。算定方法の基本的な考え方は、温室効 果ガスの排出を伴う様々な活動の種類ごとに、「活動量」(例えば、燃料の使用量、自動車の走行距離等)を定め、その活動量一単位当たりに排出される温室効果ガスの量を表す 「排出係数」を乗じ、それを合算するものである。
 なお、「排出係数」については、基本的に毎年度変化する性質のものであることから、本政令とは別に毎年度定めることとしている。

(3) 地球温暖化係数(法第2条第5項関係)
 

 地球温暖化係数とは、各温室効果ガスの地球温暖化をもたらす効果の程度を、二酸化炭素の当該効果に対する比で表したものである。
 本政令では、(1)の考え方に基づき、IPCC報告書に記載されている以下の数値を、各温室効果ガスの地球温暖化係数として規定する。

 二酸化炭素:1    HFC-134a:1300      PFC-14 :6500
  メタン:21      HFC-143:300       PFC-116 :9200
  一酸化二窒素:310   HFC-143a:3800      PFC-218 :7000
  HFC-23:11700     HFC-152a:140      PFC-31-10 :7000
  HFC-32:650      HFC-227ea:2900     PFC-c318 :8700
  HFC-41:150      HFC-236fa:6300     PFC-41-12 :7500
  HFC-125:2800     HFC-245ca:560      PFC-51-14 :7400
  HFC-134:1000     HFC-43-10mee:1300    六ふっ化硫黄:23900
連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課  長:竹内 恒夫 (内線6740)
 調 整 官:三好 信俊 (〃 6283)
 課長補佐:藤田 賢二 (〃 6757)
 担  当:大井、東條 (〃 6285)