報道発表資料

この記事を印刷
1999年10月18日

平成10年度大気汚染状況について

我が国では、大気汚染防止法に基づき、都道府県及び大気汚染防止法上の政令市により全国 2,138の測定局(平成10年度末現在、一般環境大気測定局(以下、一般局という):1,724局及び自動車排出ガス測定局(以下、自排局という):414局)において大気汚染の常時監視が行われている。
 環境庁が取りまとめたこれらの測定局における平成10年度の測定結果によると、一酸化炭素及び二酸化硫黄による汚染については近年良好な状態が続いているものの、二酸化窒素、浮粒子状物質及び光化学オキシダントによる汚染については大都市地域を中心に依然として厳しい状況にある。
 環境庁としては、本調査結果を踏まえ、環境基準の早期達成に向けて、工場・事業場の排出ガス対策、自動車排出ガス規制、低公害車の普及等を総合的かつ一層強力に推進し、都市の大気環境の改善を図っていくこととしている。
 
1.  二酸化窒素(NO2)
 環境基準達成局数の割合は、一般局で94.3%、自排局で68.1%であり、平成9年度(一般局:95.3%、自排局:65.7%)に比べてほぼ横這いであり、近年同様の傾向が続いている。  また、東京、横浜、大阪等の大都市地域を中心に環境基準の達成状況は依然として低い水準にあり、高濃度が観測された測定局の大部分が都心部に集中している。
 
2.  浮遊粒子状物質(SPM)
 環境基準達成局数の割合は、一般局で67.4%、自排局で35.7%であり、平成9年度(一般局:61.9%、自排局:34.0%)に引き続き低い水準で推移し、特に大都市地域を中心に環境基準の達成状況が低くなっている。
 特に関東地域における達成率は芳しくなく、都心及びその周辺部ではほとんどの測定局が環境基準を達成していない。
 
3.  光化学オキシダント(Ox)
 ほとんど全ての測定局で環境基準が達成されておらず、達成状況は依然として極めて低い水準となっている。また、関東地域及び関西地域においては、大都市に限らずその周辺部にまで高濃度日が多く出現しており、光化学大気汚染の「広域的な」汚染傾向が認められている。
 
4.  二酸化硫黄(SO2)
 近年、火山等自然要因によるものを除いて、ほとんど全ての測定局で環境基準を達成しており、良好な状況が続いている。
 
5.  一酸化炭素(CO)
 ここ十数年、全ての測定局で環境基準を達成している。

 

連絡先
環境庁大気保全局大気規制課
課   長 :仁井 正夫(6530)
 課長補佐 :戸田 英作(6548)

環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課   長 :松本 和良(6550)
 課長補佐 :印南 朋浩(6551)