報道発表資料

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1999年11月17日

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令について

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令が、平成11年11月19日(金)の閣議で決定される予定です。
この政令は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図るため、アマミデンダ等を国内希少野生動植物種に追加する等の改正を行うものです。
1.政令の概要

 アマミデンダ・ヤドリコケモモ・コゴメキノエランの3種を絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称:種の保存法)に基づく国内希少野生動植物種として追加指定するとともに、アマミデンダを同法に基づく特定国内希少野生動植物種として追加指定するもの。

 なお、本件については、平成11年11月12日(金)に自然環境保全審議会の答申を受けている。

(参考)

 国内希少野生動植物種
 
  ・ 我が国に生息・生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるもの。現在54種。
  ・ 捕獲・採取及び譲渡し等は原則として禁止。
 
 特定国内希少野生動植物種
 
  ・ 国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種であって、政令で定めるもの。現在植物5種。
  ・ 捕獲・採取等は原則として禁止。譲渡し等は販売業者等の届出制。


2.施行日

 本政令は、平成12年1月4日から施行する。


 種の保存法に基づく国内希少野生動植物種等に追加とする種の概要

種     名
(学    名)
   生 育 状 況 等       国内
希少野生
動植物種
特定国内
希少野生
動植物種
アマミデンダ
(ポリュスティクム・オパイ)
 樹木に庇蔭された水際の岩上に群生する小型のシダ。
 奄美大島のごく一部の河川の中流より上流域にのみ生育が確認されている。
 伐採による木陰の消失や河川への土砂の流入による淵の消失、流路の変化等による生育環境の変化が圧迫要因と考えられる。

ヤドリコケモモ
(ヴァキニウム・アマミアヌム)
 低地から山地にかけての良く発達したイタジイ自然林内の大径木の樹上に着生する奄美大島固有の常緑低木。樹高は20~60cm程で枝は着生部から下垂する。
 奄美大島のごく一部の地域にのみ生育が確認されている。
 着生可能な大径木の消失が圧迫要因と考えられる。

×

コゴメキノエラン(リパリス・エルリプティカ)  国内では奄美大島のみに生育し、台湾に隔離分布する、草丈10cm程度の着生ラン。
 奄美大島内のしばしば霧に覆われるために高湿度で着生植物が発達した、ごく一部の森林(雲霧林)にのみ生育する。
 森林の伐採等による林床部の乾燥化等、生育環境の変化が圧迫要因と考えられる上、マニア・業者による盗掘も懸念される。

×

                            ○:指定、×:指定せず
                             
連絡先
環境庁自然保護局野生生物課
課 長 :森 康二郎(6460)
 担 当 :高橋・植田・樋口(6465)