報道発表資料

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1999年12月06日

農用地土壌汚染に係る細密調査結果及び対策の概要

  環境庁では、農用地の土壌の汚染のおそれのある地域を対象として都道府県が 平成 10 年度に行った細密調査の結果及び平成 10 年 11 月以降に実施された農用地 土壌汚染対策の状況について取りまとめた。

【主なポイント】

  1. 平成 10 年度の細密調査の結果、新たに汚染が発見された地域はなかった。
  2. 平成 10 年 11 月以降における農用地土壌汚染対策の進捗状況は、対策地域の 新規指定なし、追加指定1地域、対策計画策定なし、指定解除は部分解除1地 域・全部解除1地域であった。
  3. 汚染検出地域の面積に対する対策事業等完了面積の割合は、平成 10 年度の 78.0%から 0.8 ポイント増加し、平成 11 年度末には 78.8%となる見込み。

I.農用地土壌汚染対策について

 農用地の土壌汚染については、「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に 基づき、人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産され、又は農作物等の生育が 阻害されることを防止するため、カドミウム、銅及び砒素の特定有害物質による農用地 の土壌汚染の実態を明らかにした上で、都道府県が汚染地域及びそのおそれのある地域 を農用地土壌汚染対策地域として指定するとともに農用地土壌汚染対策計画を策定し、 農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止、除去等に必要な客土等の対策が 講じられている。

II.平成10年度細密調査結果

 細密調査は、汚染のおそれのある地域で汚染状況等を把握したり、既に汚染が明らか になっている地域で汚染範囲を確定するために行っており、平成 10 年度では延べ 12 地域の 665 ha で調査を行った。その結果、新たに基準値(カドミウムについては 玄米中 1.0 mg/kg、銅については土壌中 125 mg/kg、砒素(ひそ)については土壌中 15 mg/kg )以上の汚染が検出された地域はなかったが、銅について、既に指定されて いる対策地域の周辺において基準値以上の検出があり、これを受けて対策地域に 追加指定された地域が1地域あった。

 <平成10年度の対象地域等>

┌―――――――┬―――――――――┬―――――――――┬―――――――――┐
|対 象 物 質|対 象 地 域 数| 調 査 面 積 |新たな汚染検出地域|
├―――――――┼―――――――――┼―――――――――┼―――――――――┤
| カドミウム |   11 地域 |  659 ha |   0 地域  |
├―――――――┼―――――――――┼―――――――――┼―――――――――┤
|   銅   |    1 地域 |    6 ha |   0 地域  |
├―――――――┼―――――――――┼―――――――――┼―――――――――┤
| 砒   素 |    0 地域 |    0 ha |   0 地域  |
└―――――――┴―――――――――┴―――――――――┴―――――――――┘

III.基準値以上検出地域における農用地土壌汚染対策の状況

1.平成10年11月以降の対策地域の指定、対策計画の策定及び対策地域の指定解除の状況

(1)対策地域として指定された地域

    追加指定   群馬県・渡良瀬川流域地域( 1.5 ha )

(2)対策計画が策定された地域

    該当なし

(3)対策地域の指定が解除された地域

    部分解除   秋田県・八木地域( 142.9 ha )
    全部解除   秋田県・浅舞地域( 49.4 ha )

 注) ( )内は、追加指定及び指定解除の該当地域の面積である。

2.農用地土壌汚染対策事業の進捗状況(平成11年11月現在)

(1)基準値以上検出地域の累計       129 地域 7,145 ha

(2)対策地域として指定された地域の累計   67 地域 6,259 ha
                            (87.6 %)
   [現在指定されている地域        25 地域 2,330 ha]

(3)対策計画が策定された地域の累計     67 地域 6,174 ha
                            (86.4 %)

(4)対策事業等完了面積([1]+[2])           5,631 ha
   対策の進捗率                   (78.8 %)
                         <前年度78.0 %>

     [1] 対策事業完了面積              5,157 ha
        うち指定解除面積             3,929 ha
                            (55.0 %)
     [2] 県単独事業等完了面積              474 ha

(5)未指定地域((4)[2]を除く)       28 地域   411 ha
注1)  (4)[1]は、既に対策事業が完了した地域の累計面積に現在事業実施中の地域における面工事完了面積(平成11年度末予定)を加えたものである。
注2) ( )内は、基準値以上検出地域の面積に対する比率
    (参考)    昭和46年以降の基準値以上検出地域の累計
       ┌―――――――┬―――――――┬――――――――――┐
       | 物 質 名 | 地 域 数 |  面    積  |
       ├―――――――┼―――――――┼――――――――――┤
       | カドミウム |  92 地域| 6,601 ha |
       ├―――――――┼―――――――┼――――――――――┤
       |   銅   |  36 地域| 1,395 ha |
       ├―――――――┼―――――――┼――――――――――┤
       | 砒   素 |  14 地域|   391 ha |
       ├―――――――┼―――――――┼――――――――――┤
       | 合   計 | 129 地域| 7,145 ha |
       └―――――――┴―――――――┴――――――――――┘
          注)合計が一致しないのは重複汚染があるためである。




添付資料

連絡先
環境庁水質保全局土壌農薬課
課 長 :西尾  健  (内線6650)
 担 当 :福盛田 共義 (内線6652)
      米田 太一  (内線6654)

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