報道発表資料

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2014年10月24日
  • 総合政策

JFE扇島火力発電所更新計画に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

環境省は、24日、神奈川県川崎市で計画されている「JFE扇島火力発電所更新計画 計画段階環境配慮書」(JFEスチール株式会社)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、JFEスチール株式会社東日本製鉄所(京浜地区)内で発生する副生ガスを主燃料として自家発電の用に供するJFE扇島火力発電所において、老朽化した既設1号機(13.5万kW)を廃止し、高効率のコンバインドサイクル発電方式の新1号機(25万kW級)に更新するものである。
 環境大臣意見では、発電設備について、最適な発電方式を検討すること、更新する発電設備の優先的な運用を通じて、二酸化炭素及び大気汚染物質の排出削減に取り組むこと、環境保全上の優位性に鑑み、できる限り早期の運転開始を目指すこと等を求めている。

1.背景
 環境影響評価法及び電気事業法は、出力11.25万kw以上の火力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。本件は、この手続きに沿って意見を提出するものである。
 今後、経済産業大臣から事業者であるJFEスチール株式会社に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

 ※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

2.事業の概要
 本事業は、JFEスチール株式会社が、神奈川県川崎市の同社東日本製鉄所(京浜地区)内のJFE扇島火力発電所において、老朽化した既設1号機(13.5万kW)を廃止し、高効率のコンバインドサイクル発電方式の新1号機(25万kW級)に更新するものである。
 また、高効率のコンバインドサイクル発電方式の採用及び大気汚染物質の排出抑制装置の設置等により、大気汚染物質及び温室効果ガス排出量は減少するものと見込まれている。本発電所は、製鉄所内で発生する副生ガスを主燃料とし、発電した電力で製鉄所内で必要とする電力の大部分を賄う自家発自家消費の発電施設である。

3.環境大臣意見の概要
【総論】
(1)本事業に伴う環境影響を回避・低減するため、必要に応じて専門家等の助言を受けた上で、調査、予測及び評価並びに環境保全措置の検討を行うこと。
(2)地元自治体の意見を十分勘案し、環境影響評価において重要である住民関与についても十全を期すこと。
【各論】
(1)大気環境
 大気汚染物質の短期高濃度条件等の影響についても考慮し、適切な環境保全措置を検討すること。また、施設の稼働に当たっては、大気汚染物質排出量の少ない発電設備の優先稼働等の大気汚染物質排出削減対策を図ること。
(2)温室効果ガス
 1)本事業の発電設備について、最適な発電方式を検討すること。また、採用される発電設備の優先的な運用を通じて、二酸化炭素の排出削減に取り組むこと。
 2)余剰電力を売電する場合には、小売段階が調達する電力を通じて発電段階での低炭素化が確保されるよう、確実に二酸化炭素排出削減に取り組むこと。
 3)本事業者における長期的な二酸化炭素排出削減対策について、事業者として適切な範囲で必要な措置を講じること。
(3)その他
 環境保全上の優位性に鑑み、できる限り早期の運転開始を目指すこと。


[参考]

○事業概要
 ・名称:JFE扇島火力発電所更新計画
 ・事業者:JFEスチール株式会社
 ・計画位置:神奈川県川崎市
 ・燃料:主に副生ガス
 ・発電方式:ガスタービン及び汽力(コンバインドサイクル発電方式)
 ・出力:25万kW級
○環境影響評価に係る手続
 ・平成26年9月9日  経済産業大臣から環境大臣への意見照会
 ・平成26年10月24日  環境大臣意見の提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室長   :神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官  :大山 孝 (内6253)

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