報道発表資料

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1997年01月21日

全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク) 平成8年度夏期観察の結果及び冬期観察の実施計画

1.  全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)は、肉眼や双眼鏡等を使った身近な方法による星空観察を通じ光害など大気環境問題への関心を高めていただくことを目的とし、昭和63年(1988年)から、環境庁と(財)日本環境協会が呼びか実施しています。
 
2.  平成8年度夏期の観察結果は以下のとおりでした。 
(1)  参加者は年々増えており、今回の参加団体は47都道府県、454団体、参加人数は10,393人でした。
(2)  今回の観察の結果において、夜空が星の観察に適していた場所は、鹿児島県加世田市、新潟県神林村、鹿児島県松元町などでした。
 
3.  次回の平成8年度冬期観察は、平成9年1月28日から2月10日までを観察期間とします。具体的な観察日程や場所、参加方法等についてお知りになりたい方は、お住まいの都道府県・指定都市・中核市の大気保全担当課又は(財)日本環境協会までお問い合わせ下さい。

1 平成8年度夏期観察の結果

(1) 観察期間 平成8年8月4日から17日まで(この期間中に1日以上観察)。
(2) 観察方法 {1} 肉眼により、高度の異なる天の川の3部分を観察。
{2} 双眼鏡を用い、こと座の織姫星(ベガ)を含む3つの星の作る三角形の中の星を観察し、何等級の星まで見えたかを記録。
{3} こと座のベガを中心とする星空の写真撮影により、夜空の明るさを計測。
 これらの3項目について参加団体から報告を受け、(財)日本環境協会及びスターウォッチング研究会(座長 村山定男:国立科学博物館名誉会員)が集計・解析しました。

 

(3) 参加団体・参加者数 全国で47都道府県の454団体、10,393人が参加しました。
   表1 夏期観察参加団体・人数の推移
実施時期 参加団体数(都道府県・市区) 参加延べ人数
昭和63年度・夏期
平成元年度・夏期
平成 2年度・夏期
平成 3年度・夏期
平成 4年度・夏期
平成 5年度・夏期
平成 6年度・夏期
平成 7年度・夏期
平成 8年度・夏期
68団体(37・ 65)
153団体(44・150)
204団体(45・197)
187団体(44・170)
247団体(47・222)
245団体(44・201)
408団体(47・331)
429団体(47・341)
454団体(47・345)
3,157
5,658
5,511
5,220
7,186
5,732
9,948
9,987
10,393



(4)観察結果
{1}双眼鏡によること座の観察結果

   表2 こと座の平均観察等級の都市規模別比較
巨大都市
(人口
100万人以上)
大都市
(30万人以上
100万人未満)
中都市
(10万人以上
30万人未満)
小都市
(10万人未満)
8.0 8.0 8.1 8.8


☆ 観察相当個数:こと座の三角形の中に見える星の個数

例:7等級まで見えると 7個  10等級まで見えると16個
  8等級まで見えると 7個  11等級まで見えると17個
  9等級まで見えると11個

☆ 星の等級について
 天体を地上で観測した時のみかけの明るさを表した数字。その星自体の明るさを表す絶対等級と区別して、みかけの等級ともいいます。等級は数字が1減るごとに約 2.5倍明るくなります。

{2}カラースライド写真から求めた夜空の明るさ

 夜空の明るさは、カメラ・露出時間等を一定条件にして撮影したカラースライド写真から、光の透過量を測定(測定機器:デンシトメーター)し、それを1平方秒角(地球の緯度・経度と同じように、角度1秒×1秒で切り取った場合の天球面の範囲)当たりの明るさとして等級で表したものであり、星の等級と同様に数値が大きいほど夜空が暗く、星がよく見えるといえます。

   表3 平成8年度夏の夜空の明るさの都市規模別比較
巨大都市
(人口
100万人以上)
大都市
(30万人以上
100万人未満)
中都市
(10万人以上
30万人未満)
小都市
(10万人未満)
18.7 18.5 19.3 20.7

   表4 平成8年度夏の観察において夜空の明るさが星の観測に適していた場所
順位 都道府県 市区町村 観察場所(参加団体) 夜空の明るさ
(等級)




























10
鹿児島県


新潟県


鹿児島県


栃木県


宮崎県


京都府


沖縄県


鹿児島県



鹿児島県


岡山県
加世田市


神林村


松元町


大田原市


高崎町


大宮町


竹富町


財部町



川辺町


柵原町
加世田市鉄山地区構造改善センター
(加世田サイエンスクラブ)

南太平ダム湖公園神林村天体観測施設
(日本プラネタリウムラボラトリー)

県立松陽高校校庭
(県立松陽高校地学研究クラブ) 

与一公園駐車場
(夢集団・星とロマンを語る会)

高崎町たちばな天文台
(高崎星を見る会)

小町公園駐車場
(大宮緑の少年団)

波照間島星空観測タワー広場
(波照間天文同好会)

陣ヶ岡展望台
(スペース・アドベンチャークラブ
夜行星13)

南薩広域文化センター屋上
(川辺楽友協会)

柵原町立さつき天文台駐車場
(柵原町立西小学校) 
21.9


21.5


21.5


21.4


21.4


21.4


21.4


21.3



21.3


21.3

 

注1)  この表は、写真撮影から求めた夜空の明るさを基本とし、総合的な評価により順位づけを行っています。
注2)  この調査は、スターウォッチング・ネットワークに自発的に参加して下さった団体により任意の地点で実施されており、全国の星空を網羅的に調査したものではありません。



2 平成8年度冬期観察の実施計画

(1) 観察期間:平成9年1月28日(火)から2月10日(月)まで
(この期間中に1日以上観察)。
 
(2) 観察方法:従来と同様、{1}肉眼による天の川の観察、{2}双眼鏡によるすばる(プレアデス星団)のラケットの中の星の観察、{3}1等星アルデバランを中心とした夜空の写真撮影、の3つの方法により行います。
 
(3) 参加団体数:参加申込団体数は12月末日現在、約460団体。
 具体的な観察の日程や場所、参加方法等について知りたい方は、お住まいの都道府県・指定都市・中核市の大気保全担当課又は(財)日本環境協会(TEL 03-3508-2651)までお問い合わせ下さい。

 
<参考>

平成9年度の全国星空継続観察は、以下の日程により実施する予定です。

   夏期:平成 9年7月22日(火)~8月 4日(月)
   冬期:平成10年1月18日(日)~1月31日(土)

*<都道府県・指定都市・中核市のスターウォッチング担当部署一覧>については、添付ファイル参照。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局企画課大気生活環境室
室長  :鈴木安次(内線6540)
 室長補佐:池田和広(内線6541)
 担当  :西尾達司(内線6545)