報道発表資料

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2014年10月06日
  • 自然環境

地球規模生物多様性概況第4版(GBO4)の公表について(お知らせ)

ピョンチャン(韓国)で開催されている生物多様性条約第12 回締約国会議(COP12)において、10 月6日(月)に生物多様性戦略計画2011-2020 及び愛知目標の達成状況について分析した地球規模生物多様性概況第4版(GBO4)が公表されました。

1. 地球規模生物多様性概況第4版
地球規模生物多様性概況第4版(Global Biodiversity Outlook 4(GBO4))は、各国から提出された国別報告書、生物多様性国家戦略、既存の生物多様性に関する研究やデータを分析し、生物多様性戦略計画2011-2020 及び愛知目標(※)の達成状況及び今後の達成見込みについて分析した報告書で、COP12 における戦略計画及び愛知目標の中間評価に関する基礎資料として参照される予定です。ピョンチャン(韓国)で開催されている生物多様性条約第12 回締約国会議(COP12)の初日である10 月6日(月)に、生物多様性条約事務局(カナダ、モントリオール)より公表されました。

2. 我が国の貢献
我が国は、条約事務局に設置した生物多様性日本基金を通じてGBO4 の作成を支援しました。また、愛知目標に沿って2012 年に我が国の生物多様性国家戦略を改訂し、その達成状況の点検結果を踏まえて、昨年3月に第5回国別報告書を条約事務局に提出しました。加えて、GBO4 のレビュープロセスに積極的に参加することにより、国連生物多様性の10 年日本委員会や生物多様性国家戦略の策定プロセス等、日本の事例が多くGBO4 に掲載されています。また、同基金を通じて、途上国の国別報告書及び生物多様性国家戦略の策定支援を行い、GBO4 の根拠資料の充実化にも貢献しました。

3. 結果概要
(1) ほとんどの愛知目標の要素について達成に向けた進捗が見られたものの、生物多様性に対する圧力を軽減し、その継続する減少を防ぐための緊急的で有効な行動がとられない限り、そうした進捗は目標の達成には不十分。現時点で達成が見込まれるのは愛知目標11(陸域の保護地域面積)、16(名古屋議定書)及び17(生物多様性国家戦略の改定)のみ。

(2) 愛知目標の達成は、飢餓や貧困との闘い、人間の保健の向上、エネルギー・食料・清浄な水の持続可能な提供の確保や、気候変動の緩和と適応の促進、砂漠化や土地の劣化への対処、災害に対する脆弱性の軽減に貢献。これらは国連のポスト2015 年開発アジェンダや持続可能な開発目標に寄与。

(3) 愛知目標を達成するための行動は、一貫性のある形で取られるべき。特に生物多様性損失の根本原因への対処、生物多様性国家戦略・実施計画の策定と実施、情報の更なる生成・共有等の横断的な目標に対する行動は、他の目標の達成に特に強く影響。

(4) 愛知目標の達成には、国レベルでの取組が必要。具体的には法的又は政策的な枠組み、こうした枠組みと整合性のとれた社会経済的なインセンティブ、先住民の社会及び地域社会の効果的な参加を含む市民及びステークホルダーの参画、モニタリング、そしてコンプライアンス等。また、これらの行動の効果的な実施には、省庁横断的な一貫した政策が必要。

(5) 戦略計画の実施と条約の目的の達成のためには、政治レベルと市民レベルの双方で支持を広げることが必要。そのためには、あらゆるレベルの政府やステークホルダーが生物多様性と生態系サービスの価値を認識することが必要。

(6) 戦略計画の実施に向けた行動を強化し、政府・経済・社会において生物多様性を主流化し、様々な多国間環境条約の実施における相乗効果を可能にするためには、あらゆるレベルでのパートナーシップが必要。

(7) 科学技術協力の強化により戦略計画の実施を支援することができる。途上国には更なる能力育成支援や技術移転が必要。

(8) 戦略計画の実施には、愛知目標20 に従い、あらゆる財源から動員された資源が実質的に増加することが必要。

4. 要旨及び全文
要旨の仮訳については別添「地球規模生物多様性概況第4版要旨」をご参照ください。
GBO4 の全文(英文)については下記HP に掲載されています。
https://www.cbd.int/gbo4advance/

※ 愛知目標
平成22 年の生物多様性条約第10 回締約国会議(COP10:愛知県名古屋市)にて、生物多様性に関する2011 年以降の新たな世界目標として採択されました。詳細は別紙をご参照ください。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
(直通:03-5521-8275)
(代表:03-3581-3351)
室   長:奥田 直久(内 6480)
室長補佐:岡野 隆宏(内 6481)
室長補佐:中山 直樹(内 6485)

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