報道発表資料

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2014年10月03日
  • 総合政策

(仮称)潟上海岸における風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、3日、秋田県で計画されている「(仮称)潟上海岸における風力発電事業に係る計画段階環境配慮書」(株式会社 A-WIND ENERGY)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
 本事業は、秋田県潟上市において、最大で総出力47,000kWの風力発電所を設置するものである。
 環境大臣意見では、事業実施想定区域周辺の他風力発電所との累積的な環境影響に配慮した風力発電設備等の配置等を検討すること、周辺住居等への騒音等や風車の影による重大な環境影響を回避、低減すること、また、営巣が確認されている猛禽類等や改変等による「秋田(天王)砂丘」及びクロマツ林等の豊かな生息・生育環境への重大な影響を回避又は極力低減すること等を求めている。

1.背景
 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。
 今後、経済産業大臣から事業者である株式会社 A-WIND ENERGY に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

2.事業の概要
 本事業は、秋田県潟上市に、最大で総出力47,000kWの風力発電所を設置するものである。事業実施想定区域周辺では、他事業者による風力発電所が設置済み又は今後設置予定であり、同区域の周辺東側には住居等が多数存在している。また、同区域及び周辺には、日本の地形レッドデータブックに選定されている「秋田(天王)砂丘」が広く分布し、同区域の大部分を占める県有保安林のクロマツ林内では、猛禽類の営巣が確認されているほか水域も存在するなど、豊かな生態系が維持されている。さらに、同区域の北東側には、ラムサール条約湿地潜在候補地である「大潟村干拓地」が広がり、ヒシクイやマガン等の重要な鳥類の飛来地となっている。

3.環境大臣意見の概要
(1)総論
 事業実施想定区域周辺では、他事業者による複数の風力発電所が設置済み又は今後設置予定であることから、事業者間での情報共有・情報収集に努め、累積的な環境影響を回避、低減するよう風力発電設備等の配置等を検討すること。
(2)各論
1)騒音等の影響
 事業実施想定区域の周辺東側には、多数の住居等が存在し、工事中及び供用時の騒音等に係る環境影響が懸念されることから、環境影響を回避、低減するよう住居等から離隔して配置すること。離隔できず重大な環境影響を回避、低減できないと判断した場合は、風力発電設備を配置しない等の適切な措置を講ずること。
2)風車の影の影響
 事業実施想定区域の周辺東側には、住居等が存在し、風車の影に係る環境影響が懸念されることから、環境影響を回避、低減するよう可能な限り住居等から離隔して配置すること。
3)鳥類に対する影響
 事業実施想定区域では、猛禽類のオオタカとミサゴの営巣が確認されており、工事中及び供用時における重大な影響が懸念されることから、専門家等からの助言を踏まえ、重大な影響を回避又は極力低減すること。重大な影響を回避又は極力低減できないと判断した場合は、当該営巣区域周辺に風力発電設備を配置しない等の適切な措置を講ずること。
 また、「大潟村干拓地」に飛来するヒシクイやマガン等の重要な鳥類が、事業実施想定区域を通過する可能性があることから、専門家等からの助言を踏まえ、重大な影響を回避又は極力低減すること。
4)生態系に対する影響
 造成等の施工時における地形の改変等に伴う重大な環境影響やクロマツ林の劣化等の影響を回避又は極力低減すること。
 さらに、低湿地等の水域については改変を回避し、海岸植生に近接する区域や日当たりの良い草地等、重要な種が生息・生育する可能性がある環境への影響を回避又は極力低減すること。


【参考】

○事業概要
 ・名称:(仮称)潟上海岸における風力発電事業
 ・事業者:株式会社 A-WIND ENERGY
 ・計画位置:秋田県潟上市(事業実施想定区域面積:約2.7km2)      
 ・出力:最大47,000kW(2,350kW級 発電設備 最大20基程度)
○環境影響評価に係る手続
 ・平成26年8月19日 経済産業大臣から環境大臣への意見照会
 ・平成26年10月3日 環境大臣から経済産業大臣に意見提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8237)
室長   :神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官  :田中 友之(内6236)
担当   :給田 周作(内6236)

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