報道発表資料

この記事を印刷
2014年10月03日
  • 総合政策

小規模火力発電に係る環境保全対策ガイドライン~自治体や事業者の方に広くご活用いただくための環境保全技術先進事例とりまとめ~の公表について(お知らせ)

 環境省は、本日、環境影響評価法(平成9年法律第81号)の対象規模未満の火力発電所(発電規模1~11.25万kW。以下「小規模火力発電所」といいます。)の設置の事業・計画について、小規模火力発電所の事業者自らが実行可能な最大限の環境保全対策を講じるための参考として、先進事例を整理・とりまとめた「小規模火力発電に係る環境保全対策ガイドライン~自治体や事業者の方に広くご活用いただくための環境保全技術先進事例とりまとめ~」を公表しました。
 今後、環境省では本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)について自治体や事業者などに広く周知を図るとともに、その活用状況を把握していきます。

1.背景・概要
 環境省は、本日、「小規模火力発電に係る環境保全対策ガイドライン~自治体や事業者の方に広くご活用いただくための環境保全技術先進事例とりまとめ~(以下「本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)」という。)を公表しました。本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)は、東日本大震災以降の電力ひっ迫状況や電力システム改革等の電力をめぐる動向を背景に、今後、環境影響評価法(平成9年法律第81号)の対象規模未満の火力発電所(発電規模1から11.25万kW未満。以下「小規模火力発電所」といいます。)の設置の事業・計画が増加する可能性があることを踏まえ、小規模火力発電所の事業者自らが実行可能な最大限の環境保全対策を講じるための参考として、優良な事例を収集・整理してとりまとめたものです。
 本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)を、発電事業者による小規模火力発電所の計画に当たっての環境配慮の検討の際の参考として、また地方公共団体の環境部局において発電事業者等から環境配慮についての助言を求められた際の参考としていただくことなどにより、環境影響評価法や条例の対象とならない小規模火力発電所においても、適切な環境配慮が行われることを期待しております。

2.内容
 本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)は下記の(1)~(4)で構成されています。

(1)背景、目的及び想定する対象
 本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)の作成に至った背景、本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)の目的を整理するとともに、本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)が想定する対象として、1万から11.25万kW未満の環境影響評価法対象規模未満の発電規模の設備であることを説明します。

(2)小規模火力発電所の特徴と環境影響
 大規模な火力発電と比較した小規模火力発電所の特徴並びに小規模火力発電所で採用される可能性がある発電方式(原動力の種類)を整理し、それぞれの環境上の特徴や環境影響を概説します。

(3)小規模火力発電所における環境保全対策
 火力発電所による環境影響の程度を勘案し、特に重要な環境保全対策として二酸化炭素排出削減対策及び大気環境保全対策に着目しています。
 二酸化炭素排出削減対策として、石炭火力発電について、現時点での10万kW級の最高水準の熱効率やバイオマス混焼する微粉炭火力の計画、バイオマス・廃棄物燃料等の多様な燃料種を採用できる循環流動床方式等の事例を紹介し、またコジェネレーションの導入等を提案しています。
 大気環境保全対策として、小規模火力発電所でも採用可能な燃焼方式や排ガス処理装置等の事例を効率とともに紹介しています。(脱硝90%以上、脱硫99%以上、除塵99%以上)
 また、その他の環境影響に対する環境保全対策について、「水環境保全対策」、「冷却塔設置による環境影響への対策」(景観等)、「周辺住民の生活環境対策」(騒音・振動、悪臭等)、「生物・生態系及び景観・人と自然との触れ合い活動の場の保全対策」及び「廃棄物対策」等について記載しています。

(4)その他の留意事項
 環境と調和した小規模火力発電所を設置する上で、上記に加えて事業者が留意すべき重要な点を示しています。
 火力発電の設置は、環境負荷の発生源が地域に長期にわたって固定化されることになります。特に、二酸化炭素及び大気汚染物質の排出が多く、小規模火力発電所の設置数や設備容量が増加することで、著しい環境影響が生じるおそれのある石炭火力では、慎重に環境保全対策を検討することが重要です。
 環境省としては、小規模火力発電所の設置に当たっては、事業者が本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)を参考に、可能な限り環境負荷の低減に努め、更に環境保全対策の内容やモニタリング結果等を自主的に公開することで地域住民の理解を得つつ、積極的・意欲的に環境負荷の回避・低減に取り組むことを期待します。

3.今後の予定
 環境省では本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)について、自治体や事業者などに広く周知を図るとともに、ガイドラインの活用状況を把握しつつ、、今後、本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)のさらなる周知徹底や改訂等の必要な対応を検討していきます。
 なお、本ガイドライン(環境保全の技術先進事例)については、環境影響評価支援ネットワークにてPDFファイルを掲載します。

<参考:環境影響評価情報支援ネットワークのアドレス>

 http://assess.env.go.jp/3_shiryou/3-1_government/reportdetail.html?category_1=01&category_2=01,02,03,07&sort=desc&sortfield=yearmonth&limit=100&offset=0&getcountunlimited=false&keyword=%E5%B0%8F%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E7%81%AB%E5%8A%9B&max=2&page=govreport&year=&year_before=&year_after=&tag=&overseas=false&kid=69



添付資料

連絡先
--------------------
環境省総合環境政策局
環境影響評価課
課  長 :大森 恵子(内6230)
課長補佐 :福嶋 慶三(内6239)

環境影響審査室
室  長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
担   当 : 中村 祥 (内6234)
電   話 : 03-3581-3351(代表)
        03-5521-8236(直通)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。